「どうやらこの島には珍しい薬草があるらしいんだ」
そうチョッパーが言うので、2人は山へ行くことにしました。


山と言ってもそれほど険しいものではなく、なだらかな登りが続きます。
細いですが一応人が通れる道もあり、それに沿って2人は進んで行くことにしました。
時折「あ、あれだ」とか「これもだ」とか言いながら
目当ての薬草を見つけたらしいチョッパーが途中で足を止めるのに付き合いながら
珍しい山の光景をきょろきょろ見回していたルフィですが、
「あ、あれ・・・?」
今度はルフィが足を止めました。
「どうした、ルフィ?」
チョッパーがきょとんとした顔で尋ねましたが、
ルフィは道から外れ林の中にずんずん入っていきます。
何故ならそこに見慣れた黒い布を見つけたからです。
木の枝を除け、生い茂る下草を踏み分けてルフィはようやくその布にたどり着きました。
手にとって見れば、それはやはりゾロの黒い手ぬぐいでした。
状況から考えて、ここを通り抜けようとした時に木に引っかかってしまったのでしょう。
「これゾロのだな。でもなんだってこんなとこにあるんだ?」
チョッパーの疑問は最もなのですが、それはこの際考えずにいたほうが良さそうです。


「ルフィ、オレはそろそろ船に戻るよ」
手にいっぱい薬草を抱えたチョッパーが申し訳無さそうに言いました。
「そうだな」
ルフィも頷きました。
手ぬぐいはありましたが、この近くにゾロの気配はしません。
おそらく町に戻ったのでしょう。
(更に奥深く迷い込んだ可能性もありますが、それは怖いので考えないことにします)


2人は山道を下り始めます。
「結局オレ何にもルフィの役に立てなくてゴメン」
途中そう言って俯くチョッパーに
「そんなことないぞ、チョッパー。オレも町に戻ってゾロを探すから心配すんな」
ルフィは笑って答えます。
「うん、ルフィありがと」
チョッパーがおずおずとポケットから軟膏を取り出しました。
「これオレが作った特製傷薬だよ。持ってってくれる?」
「おおチョッパー、サンキュな」
にっこり笑って受け取ってくれたルフィに、ようやくチョッパーも笑顔を見せました。


山を降りたところで、ルフィは船に戻るチョッパーと別れました。
一人になり、さあゾロを探すか、と再び自分に気合を入れるルフィです。


さあ次はどうする?





町に探しに行くことにしよう