「うわっ、いいのかサンジ!?」
そういえば今日は散々ゾロを探し回ってお腹はペコペコです。
こうしてサンジと出会ったのも何かの縁。
ゾロのことは気になりますが、とりあえず何か食わなくちゃなとルフィは思いました。
目の前に次々と大皿が並べられていきます。
初めて見る珍しい料理にさっきからルフィの目は釘付け。
匂いは容赦なく鼻を刺激しっぱなし。もう涎を押さえるのに一苦労です。
「うまそ〜だなぁ〜〜〜〜、サンジぃ〜〜〜」
「少しは持ち合わせもあるから、とりあえず食え」
「いっただきまーす」
超ご機嫌で手を合わせるルフィでした。
* * * * *
「ほらクソゴム、しっかりしろ!」
「んにゃ〜〜」
サンジが起こそうとしても、全然体に力が入りません。
ルフィはまたぐったりとベッドに倒れこみました。
この島には水を飲む習慣がないならそうと先に言ってほしいと思います。
テーブルに置かれたグラスには当然のように酒が入っていたのです。
サンジにすすめられた美味しい料理を腹に詰め込み、
その合間に水だと思ってごくごく飲んでいたのはこの島の酒でした。
どうりでちょっと違う味がすると思ったんだよな。
甘くて口当たりが良いのでたいして気にせず飲んでしまったのが失敗の元。
腹も膨れてさあ行こうかと立ち上がりかけたら、腰が立ちません。
じわじわと効いてきて、完全に酔いが回ってしまいました。
「信じらんねぇ〜〜〜〜」
「黙ってろクソ船長。信じらんねえのはこっちの方だ」
酔いつぶれたルフィのせいで、船に帰ることもできず、
2人は店の2階に宿をとることになったのでした。
「だってぇ、オレはゾロを探しに行くはずだったんだぞ〜〜」
「うるせぇ、こんなときにあんな筋肉ダルマの話をすんな!」
「あーひっでぇサンジ。ゾロに言ってやろ〜〜」
ふわふわとした気分のルフィは何だか可笑しくてけらけらと笑います。
結局ゾロにはまだ会えてないのですが、
歩くこともままならないこの状況ではどうしようもありません。
「サンジぃ、一緒に寝ようぜ〜〜」
「てめえ、オレの理性が朝まで保つことを祈ってろよ・・・」
ベッドに横たわったまま、えへへと笑って手を伸ばす船長。
その脇で頭を抱えたサンジの呟きは、当然ルフィの耳には届いてません。
ゆっくりと夜は更けていきます。
さあ、どうなる船長!?
END
微妙なSLエンドでした。
でも可哀相なサンジくん、ただ今ヘビの生殺し状態です(苦笑)。
この先の展開は全て彼の忍耐にかかっています。
でもゾロルな貴女なら目先の誘惑に負けず、ちゃんとゾロを探しましょうね。
なお、この話は最初にここにたどり着いたとご連絡いただいた
piiiikoさまに捧げます。
piiiikoさま、受け取ってくださってありがとうございましたv
素敵な扉絵のおかげで皆さまにとても楽しんでいただいておりますm(__)m
微妙な(笑)サンルエンドで失礼しました〜、うふふvv