うーん、一体ゾロはどこにいるんだろう、
そんなことを思いながら、ルフィはサンジと並んで歩きます。
時刻はそろそろ夕方。
いつの間にか日は傾き、ぼんやりと空の色が変わってきました。
夕暮れを間近に控えた町は、どこか慌しくざわざわとした空気をはらんでいます。
各々の店の前では売れ残りを今日のうちに何とかしようと店主たちが声を張り上げ、
買い物かごを抱えた女たちが時折立ち止まっては、品物を手に取り交渉しています。
そんな光景を目に留めながら、2人は港の近くまで帰ってきました。


「サンジ、今日は付き合ってくれてありがとな」
残念ながらゾロは見つかりませんでしたが、
ルフィは長い時間付き合ってくれたサンジに礼を言います。
「ああ、オレも楽しかったぜ」
右手で煙草を弄びながら、サンジがにっと笑って返しました。
気にすんな、そう言って軽く笑い飛ばす、
サンジのそんなさり気ない優しさがルフィは好きです。
「だけどよ」
「何?」
「クソ剣士しか見てねえおまえのその視線がちっとはこっちにも向くといいのによ」
・・・・・・ 今の言葉はどういう意味でしょう。
これって、これって…。
「まあ言葉どおり受け取っとけ」
目をまん丸にして立ち止まってしまったルフィにサンジはくくっと笑いかけました。


「サンジ…」
「ほれ、行くぞ、船長」
苦笑しながら先を促すサンジの手がルフィの肩に触れました。
でも先の言葉に戸惑うルフィにこれはとんでもない刺激です。
心臓が跳ね上がり、意識しすぎてついサンジの手を避けようとしたあまり
その拍子にぐら…と体が傾ぎました。
「え…??」


どっぼーーーん


あれと思ったものの体勢を立て直すことができず、
大きな水飛沫を上げてルフィは海に落ちてしまいました。
悪魔の実の能力者ですから当然の如く、そのままぶくぶくと沈んでいきます。
水面が遥か向こうに遠ざかっていきます。
(ゾロぉ〜〜〜)
力の入らない腕で水をかく無駄な努力をしながら、えーんと泣くルフィでした。


まあ一緒にいるサンジがすぐ助けくれるとは思いますが、
ゾロを探すのはここまでです。あ〜あ。



BAD END








残念。近くまでは行ったんですけどね〜。
サンジのおかげでとりあえず命拾いはしましたが、
ラブコックさんには惑わされず、ゾロを探しましょう。