movie


「ワンピースフィルム Z」観てきました!

 

「ワンピース the movie」第12弾。
去年に引き続いての上映ですが、尾田っちが総合プロデューサーとして参加ということで、 作品としては去年の麦わらチェイスとはちょーっと違ってきます。
ファンの期待はストロングワールドレベル。
昨今のワンピブームも手伝ってか、コラボ商品もとんでもない数だし番宣も半端ありません。
大阪のワンピース展、7ー11の相変わらずのワンピ映画連動企画。おかげで一時期ポッキーが山のようにあったよ。
六本木では一日かけてワンピアワードだし、お台場はほぼジャックしてるようなもんだし、テレビは公開初日にエピソードオブルフィとかやっちゃうし。 もうキリないよね。
関東在住でなくてとても悔しい反面、良かったなという気もしてます。だってイベントもきっと全部参加してたもん。
とりあえず、現在はJR西日本のスタンプラリーとワンピ展と7-11お宝企画、日刊スポーツからの特別新聞くらいにとどまりました。

さて、本題。
今年は初日にお友達のNさんと次女という不思議な組合せで観賞してきました。場所は大阪梅田。
とにかく思い出すのは3年前のストロングワールド。
早朝に着いても映画館は3ブロック先、という超行列。0巻効果もあってとんでもない状態だったのですが、そもそもあの頃はうちの県内3つしか上映館がなかったんだよ。
どんだけワンピを馬鹿にしてるんだとぷんぷん怒ったものです。
それに比べたら今回上映館は増えたし初日の朝0時から上映してるところもたくさんあって、さすがに大混乱はありませんでした。混んではいたけど。
映画館も懲りたんだろうね…。
(その後、初日の4日後、クリスマスイブ、お正月と計4回観てきました)

作品ですが、とてもよかった。まずその一言です。
絵は心配してなかったけど、本当に綺麗だった。スタッフの方々に心から感謝です。
ただ戦いの動き、特にゾロやサンジですが、視点変更が激しくてぐるぐるぐるぐる非常にめまぐるしい。
スピード感はたまらないし見応えあったのですが……疲れました。(年長者的感想)

声はアインとピンズという主要敵キャラに、篠原涼子さんと香川照之さんを起用してましたが、この香川さんて何!
るろ剣での怪演にすっかり心奪われた記憶も新しいのですが、俳優でここまで違和感なくこなしてくれた人は初めてかもしれない。 それほど上手に演じてくださいました。
アインは…下手ではないのだけど、聞いてて、ああ…篠原涼子だなと。それが先立ってしまい残念でした(もう少し上手いかと期待してた)。
ちらっと出てきたアナウンサーだのタレントだのは、もうスルーしましょう。
何故彼女たちを使うのか、全く理解できません。
「だれかーたすけてー」 ・・・棒読み過ぎて却って耳に残ってるのが悔しい。

Zの芳忠氏はさすがですね。(私の中では仙道のイメージが強い人だ)
ずしりと重い(重苦しいのではない)今回の話の重要キャラにふさわしい男臭さを見せてくれました。

まず導入部。
「海導」という今回の映画のテーマの曲が流れます。Zが歌ってます。
これ海軍の歌で死んだ海兵に捧げる歌なんだそう。
映画の最後のシーンでも流れるのですが、ああ…と哀しく納得してしまうのでした。ま、それは後ほど。
Zがネオ海軍を率いてとある島からダイナ岩を盗み出すところから始まります。
この岩は酸素と衝撃でとんでもない爆発をうみ、古代兵器にも匹敵するすっごいアイテム。
見た目はベルセルクにでてくる卵みたいで、ちょっと怖い。(考えすぎ)
Z先生は74というお年にもかかわらず強い強い。
74てうちの母親とそんなに違わないよ、ちょっとじいさん、そのパワフルさを少し分けてやってください。
時折シューと吸ってるのはなんだろう、喘息用の吸入器みたいですが薬ですか?やっぱりどこか悪いのですか?
それでも黄猿と互角に戦い、その合間にシューしながら攻撃を防げちゃうところにZ先生の凄さを感じました。
右手の武器がまたすごいですよね、男の子がわくわくする…ってわかるわ。
鈍重とか黄猿に言われてたけど、それでも破壊力とかスピード不足を補ってなお…って感じだもん。
ここでダイナ岩を爆発させたZ先生。何故そんな無茶を…。
黄猿はなんとか逃げのびましたが、島ごと大爆発。どうなったZ先生!

場面は麦わらの一味に移ります。
船上で花見やってます。
ルフィ、チョパ、フランキー、ブルックってメンツだからノリがめちゃくちゃいい、ブルックの歌はアドリブなのかな、すっごい可笑しい(笑)。
ゾロはその横でお酒ぐびぐびやってます。今回ゾロル的に言えば2人の絡みはほぼ皆無です。そういう意味では寂しいけど作品的には文句ないので我慢する(こら)。 ただ船の上で悪ふざけする面々に「落ちるなよ」と声かけるゾロに愛を感じました。 声だけの演出なんですが、ものすっごく燃えました。私にはそれだけでもう十分です(はいはい)
ウソップやナミ、サンジたち一味登場を兼ねたシーン、そこに降ってくる火山灰。 ああ、さっきの爆発の結果だなと推察されます。

ここでオープニング。
画像はちょっと昭和のウルトラマンを彷彿とさせる見せ方…のように思いました。
尾田っちの好みかしら?懐かしいような却って新鮮なような、とにかく面白い。
音楽も盛り上げてくるような非常にわくわくする感じで、今でも耳に残っています。

さて、ナミのログポースはぐちゃぐちゃな指針を示しています。
嫌な予感しかしないけど当然ルフィは行きたがり、嫌がってたナミもルフィの意思に「行きたいところに連れて行くのが航海士」と 進路を向けるのでした。
ウソップだけがまだ嫌がってたんだけどね。
今回のウソップはわりとこんな役回りでした。2年後ウソップは決して怯えてるだけじゃない…と知ってるだけにもやっとするけど、 他にストップかけるメンツがいないから仕方ないのか。
とにかく全員そろって「ルフィがいいならいいよー」とばかりに甘い。ほんとに甘い。愛されてるにもほどがあるぞ、船長。

ところがサニー号はあの島には行きません。
何故なら途中で浮いてるZ先生を拾っちゃったから。
正直得体の知れない者を船に乗せるのはいかがなものかですが、そこはほら麦わらの一味だから。それにチョッパーが傷ついてる相手に医者意識を触発 されちゃったのか異様に張り切ってる(そう見えた)。
ゾロが意識戻ったらお前を殺すかもななんて脅かすんだけど(幼い息子をからかって遊ぶお父さん的)、びびりつつ意思は曲げないチョッパー。
目をしぱしぱさせてロビンが(成分が空中を伝わった?)Zの腕の武器が海楼石製だと気づき、こんな能力者倒すための武器つけてる奴なんて 不安材料しかないけど、何かあったらおれが倒す!というルフィの実にルフィらしい言葉に収まるのです。 オープニングが途中で入りますが、ちょっと昭和のウルトラマンを彷彿とさせる見せ方…のように思いました。
尾田っちの好みかしら?懐かしいような却って新鮮なような、とにかく面白い。


チョッパーが見守る医務室で意識の戻ったZ。ドアに持たれてたルフィももちろん気づき、外にいたゾロ(とサンジ?)も気づく。これは覇気かな?
ゾロが「ほーらみろ、えれェもん拾っちまった」と刀構えてにやりとする、この悪人面がまたたまらん!(ばんばん)
最初はなんとなく和やかな会話…に思えなくもないけど(ここで牛乳瓶腕につけてZの真似して喜ぶチョッパーの可愛さが非常にあざとい…いや今回のチョッパーは どこのシーンもめちゃめちゃ可愛くてそう言う意味では全てがあざといんだけど)、次第に緊張感は増し、ついにルフィが「おれたちは海賊だから」と名乗ったところで一転、 Zが攻撃を仕掛けてきます。
何度も言うけどこれが強いったら。
サンジ&ゾロが加勢に来るけど、この3人相手にして全く攻撃喰らわないんだから、じいさんそれは強すぎだろうよ。
アイン&ピンズもやってきて、ピンズの草を操るモサモサの能力に片っ端から縛られ(芝生がアダになった)、ナミ、ロビン、チョッパー、ブルックはアインのモドモドの 能力で12歳若返させられてしまいました。
いや、ブルックにはほとんど影響ないし(90代→70代)ロビンも18歳のぴっちぴちに戻っていいんじゃないのと思うんですが?あ、ダメですか。
船の中からはZ、外からはネオ海軍の一斉砲撃、サニー号がボロボロになっていきます。かなり辛い光景です。
ルフィは海楼石のアームに捉えられ、反撃できません。
殺されたっておかしくないのだけど、名を名乗らされたところで「ガープの孫」と知れ、それもあるのかな、 Zはルフィを開放して「海賊ならここから生きて見せろ」と去っていきます。
ルフィはしばらくZを悔しそうに見送ってるのですが撤退を命じます。かなり決断遅かったな。手も足も出なかったのがよほど悔しかったのか。

クードバーストでどうにか逃げ延びたサニー号はとある島のドックで修理に入ります。
わかってはいたけど全部フランキー一人でやるのか…船大工すごい。
チョッパーはおれのせいで…としょげるけど、もちろん誰も責めません。むしろ海賊なら最後まで自分の信念を通せと。
ここで幼女ナミの成長に思いを馳せるサンジくんに「キモイ」と言ってやるゾロとか、それで2人の「ぶわぁーか」「ぶわぁーか」というやり取りが始まるのがお約束。
平田さんと中井さんが楽しそうでよろしいvv
島のじいさんから最近たくさんの海賊たちがZにやられてることを聞き、とにかくナミたちを元に戻すべく、情報を求めてサニーの修理中、温泉のある隣の島へ行ってみることに。
ここで懐かしい海列車が普通に交通手段になっています。
結構ポピュラーな技術になってるのでしょうかね。あれ、そういえばフランキーは乗ってないね。
見たら嬉しかったんじゃないかなあ。

賑やかな隣の島でルフィ、ゾロ、サンジ、ブルックの目立つ組は温泉へ。残りは情報を探しに繁華街へ。
で、温泉…温泉ですってよ、奥さん!てことは、風呂ですよ!!
娘にバレないように密かに、でもしっかりテンション上がってましたよ!(だむだむ)
お湯から覗く上半身の肩から腕にかけての筋肉にくらっくらしたんですが、さらにまだ下半身があった!
マジに腰にタオル一丁です。ルフィなんてもろに尻見せています。アップで。きゃあ。
でね、ここでもあざといと思ったのが下半身を横から写すんです。
横、つまりスリット入ってる! なまじ正面から見るよりなんという破壊力!!(落ち着け)
一回目はまともに画面見られませんでした。恥ずかしすぎて。(こんなおれを馬鹿と呼んでいいのはおれだけ…でなくていいです)
二回目もダメでした。年の割に純情ですみません。次回はちゃんと見ます。
しかし予想以上にこのお風呂シーンが長くて、同行のNさんも上映終わるなり「お風呂が…」と呟いたくらいでしたから、かなり印象深かったと思われます。
あと数日後に感想聞いた次女も「お風呂でタオルのとこ横が開いとるねんな…」と言い出し、さすが親子だとどうしようもない感慨を抱いたことを追記しておきます。

あとね、お風呂浸かりながらサンジがルフィにZはおれかマリモに任せろというのですが(海楼石だからね)、ルフィは絶対手を出すなときかない。
このシーンが好きです。ルフィは本当に子供で、無茶言って、でもね、大きな壁にまっすぐぶつかっていこうとするそれがルフィらしいっていうかね。
それにまた何も言わないゾロがね…(キリないので以下略)

さてお風呂に浮かれてる場合じゃありません。 ここで激しく状況が変わります。
お前らを待っていたと、青キジが突然の登場。
ここで群れをなして湯船から落ちていくルフィゾロサンジが可愛い(笑)。
青キジの右半身はひどい火傷の痕でおそらく左の足も無さそう…ルフィは遠慮なくいろいろ突っ込んで聞いちゃうのですが、軽く躱されてしまうのでした。赤犬との戦いの 真相はまだ原作待ち。
腰タオルで牛乳飲む、めちゃめちゃそそられるシーンもアレですが、このあとブルック見立てという設定でコラボのアルマーニスーツに着替えた3人がかっこよくてねぇぇ。
いきなり感はありますが、ゾロのスーツ姿が新鮮でよかったですv
グレーでサラリーマンみたいでしたが、メガネもよく似合ってたぁぁーvv

海を見ながら青キジは語ります。
海賊が夢を追うことで、大事なものを失くし泣く人々もいるのだと。
それはワンピースがあるから、であり、ならばワンピースごと海賊を消してしまえばいいと青キジの言葉を借りるならZは非常に「大雑把な」結論を出しました。

Zはかつての海軍大将。自分も含め将校たちを育てた男であり、だから彼のゆく道を見届けにきたという青キジ。おそらくかなり相性良かったんでしょう。 先生好きだったんだろうなぁ。
止めるとか言わないあたりもね、だらけきった正義を掲げてた青キジらしいなぁと思う。
青キジは、ルフィたちにZがこの島にいることを教え、行く先を見届けさせてもらうと行って去っていきます。
素晴らしい偶然ですが、ここが2つめのエンドポイントなんですねー。

ここまでの合間合間にZのことがおつるさんやガープたちの口を通して語られます。
強かったこと。誰よりも正義を通そうとしていたこと。今の海軍の重要な兵たちを育てたのは彼だったこと。
家族や新兵たちを海賊に殺され、それでも海軍に残ってた彼が、その海賊(誰だ!?)を新七武海に入れた海軍に絶望を感じ去っていったこと。
まあ薄々は感じてましたが、想像以上に辛い人生にこちらのZへの感情移入も強くなっていきます。
わかってるんだ、ただの馬鹿な敵じゃないことは。
正義正義言いながらおかしな奴も多い中、彼の正義は哀しいほどまっすぐでどこか純粋だってことも。
赤犬の正義もゆらぎなく厳しいものだったけど全然違うのは、おそらく赤犬は痛みを感じていないんだよね。
Zが迷いなく今の道を選ぶまでに、どれだけの絶望と痛みを感じていたのか。 いろんなものを信じようとし、裏切られ。その結果だったのかと思うと辛いです。

一方酒場に潜入した美人ダンサー(ロビン)とその怪しいマネージャー(ウソップ)、ちびっこ店員(ナミ)、靴磨き(チョッパー)たちも Zの情報を得ました。
が、同時に店にいた海軍たちにも正体がバレちゃって一挙に逃走。
海兵を大量に連れてルフィたちのところまで逃げてきました。
ゾロもサンジも身構えますが、不機嫌(Zを思い出して?)ルフィがすたすたと前に出て一気に覇王色の覇気で全員を倒してしまいました。
ただゾロの言いつけどおりちゃんと偉いの一人は残してZの今の居場所を聞き出すあたりは偉かった。

海兵からZたちが島の裏側にいることを聞いたルフィたちはそこに向かいます。
すでにダイナ岩の爆破は始まっていました。
ゾロはアイン、サンジはピンズと、そしてルフィはZと。(ウソップは応援、残りは海列車ホームで待機)
今度はアームに捕まらないよう戦うルフィですが、それはすなわち逃げているようなもので、やはり敵いません。
Zは問います。
海賊王への夢を追うこと、そのために命をかける覚悟はあるかと。ルフィは即答します。「ある!」
再びZが問います。「では仲間たちは」と。「夢のために仲間たちの命を犠牲にする覚悟はあるのか」と。
ここでね、ルフィの答え聞こえなかったんです。言ったのかな。言わなかったような気がする。
この段階ではルフィに答えは言えなかったのかもしれない。

爆風で麦わらを吹き飛ばされ、それに気を取られた隙に弾丸を打ち込まれるルフィ。もちろんゴムで跳ね返すんだけど、次にZが撃ってきたのが海楼石の弾丸。 二次的にはよく見かけるアイテムですねー。
肩に受けて倒れるルフィ。
油断している能力者にはよく効くとZ先生。力の入らないところ、麦わらを奪い去られてしまうのでした。(ロジャーやシャンクスも旧知らしい)

爆発が始まり、火砕流が流れ出します。
やってきたゾロ、サンジ、ウソップがルフィを抱え上げ、さあ走る走る走る逃げる逃げる逃げる。
無茶だけど非常にスピード感あってわくわくですv バナナボートに乗ってるとこなんてたまんないvv
けれどついに…というところで、一気にマグマが大きな氷塊に……!!!
青キジーーーーー!!!!!(絶叫) おいしいとこもっていきすぎだろーーーー!!!!(かっこよさに激しく絶叫)
なんとか海列車に駆け込み爆発する島をあとにするのでした(よく待っててくれたな)

ドックの島に戻ったルフィたち。
雨の中皆に背を向ける一人で座り込むルフィ。そこにやってきた青キジ。今回の彼は非常にフットワーク軽い。
ダイナ岩を奪い、新世界にある3つのエンドポイントを破壊することで新世界の海を消そうとしているZ。
ついにエンドポイントは最後のひとつに。
海賊だけでなくたくさんの人も巻き込む事態になったこの件をルフィはどうする…。
「そんなこと関係ねェ!」
うーん、だからルフィはいい。至極簡単。
ルフィは帽子を取り戻したい、Zをぶっとばしたい、仲間を元に戻したい、それだけ。
世界なんて知ったこっちゃありません。
いつだってその信念には迷いがない。
そんなルフィに誰もが笑って従います。こちらももちろんためらうことなく。
ウソップがあれこれ言うけど、これはもう条件反射みたいなもんだから(笑)、とりあえず自分が言っとかなきゃみたいな感じでしょう。

それをじっと見ていた青キジは、最後の島へのエターナルポースを渡すのでした。
止めて欲しかったとは思わない。ただきっとルフィならZにまっすぐぶつかってくれる…そう思ったのかもしれない。

旅立つ前にお約束のお着替え(笑)。
「最強装備」に着替えます。たくさんの海の男たちの思いを一緒に。
ここでルフィとおそろいぽい服を選ぶゾロがたまらない。(違いますか?)
ルフィが珍しく剣を手にしてましたね。これ後で、船首に立って「ガオン砲発射!」とかまっすぐに掲げるポーズがすっごくかっこよくてねぇ…。

船に乗り込もうとする皆に、じいさんの孫が(名前がガリなのはガリガリくんみたいだから?)尋ねます。
「海賊王と海軍大将とどっちがかっこいいか」と。 彼にとってはどちらもかっこいいヒーローであり、将来の夢。
海賊はヒーローじゃないぞ、とルフィは笑いますが、でも「やりたいようにやるのが一番だ!」と。
そうだよね、そしてこれが今回のテーマじゃないかな。
男の夢。
やりたいことに、なりたいものに、まっすぐに、純粋に。
ルフィもそうだけど、Zもそうだったのです。
小さい頃からずっと正義の味方になりたかったゼファー。
彼にとってはそれが「Z」なんですね。

時々「Zが海賊を全滅させる」みたいな言い方をしていました。
「おれが」海賊を叩き潰すんじゃなくて、「Z」がそうする。
自分=Zじゃないのがなんだか不自然だなぁと思いました。
なんだろう、無理やりそうなろうとしてたのかな。どこかで自分の目指してた正義と違うと気づいてたのかな。
でも海賊のいない世の中のためにはZはどうしても必要な存在で、だからZっていう偶像を自分の中に作り上げて、そうなるように行動を合わせていたのかも。
やりたいように生きる、なりたいものになる。それには自由でありながら反面大変な責任を負う、
それはラストシーンで描かれるわけですが…。

最後の島に乗り込んだ麦わらの一味。
Zのネオ海軍を蹴散らしながら進む皆。いやー、アニキの強さにシビれます。
そして再びゾロはアインと、サンジはピンズと対戦。
ゾロが手ぬぐいまいてしっかり気合入れてます、ぎゃあああぁ(ばたり)。
相手が女でも関係ありません。最後は武器持ってなかったけどそれでも容赦なくふっとばしてたし。
「迷いがあるなら自分で断ち切っておいてくれ」
アインの中にある迷いに気づいた以上、ふっとばしてやらなくてはいけなかったんでしょうね。
一方サンジは安定のサンジ。
ナミさんのために燃えて燃えて、決めたあとは「惚れてもいいんだぜ、ナミさん(ふー)」
絵になるねぇ…。

アインが倒されたことでナミたちの時間も戻ります。
ぼいんぼいんと必要以上に色っぽいシーンでした、ええ、ブルックも込みで(笑)。

そしてルフィ対Z。
「おまえにとってこの麦わらは何だ」
「道しるべだ、海賊王になるための」
ルフィの答えは全編通してずっと海賊王でした。まっすぐに、迷いなく。
ただひたすらに2人はぶつかり合います。
そしてルフィの拳がついにZの武器を砕く…しっかり拳の痕を残しながら。
そのあとは本当に拳と拳のぶつかり合い。
武装色で硬化した真っ黒な腕でひたすら殴りあう2人に、見ていた青キジも黒腕のゼファーがもどってきた、と。
Zのサングラスが取れ、今の彼はゼファーでした。
飾らない一人の男でした。

そんな殴り合いにも決着が訪れます。
ついに体が動かなくなり、倒れふすゼファー。年だな、と。
勝ったルフィは帽子を取り戻し、命をとれという彼に「お前の命なんかいらねェ、もう気ィすんだ」と笑います。
そんなルフィに「おれも気はすんだ」と。
何かを取り戻したんですかね…ずっと忘れていたものを。
成り行きを見守ってた一味ですが、「ふぃ〜〜〜」とゾロが心底ほっとしたように声出したのを皮切りに(ひゃっほーv)、 ルフィの元に駆け寄る皆。
アインたちもゼファーの元に…というところで、案の定黄猿&海兵たち登場。
ゼファーもルフィもぼろぼろです、そこを狙ってというのがまた憎い。
サングラスを手に再びZに戻ったゼファーは「おまえにはまだやることがあるだろう、ここは任せろ」と。
「最後に好きに生きた、その落とし前をつけなくてはいけない」と、一人進み出るのです、もう武器はないのに。
追いかけるアイン、その前に突然巨大氷壁が…、ああああああ青キジーー!!!(涙)
言葉通りZの、ゼファーの生き様を最後まで見届けるため青キジは彼を一人にしました。
大勢の海兵に囲まれながらも、最後の稽古をつけてやる、と立ち向かうZ。
黄猿の攻撃は容赦なく体を貫き、中将たちはそっと涙を浮かべ、バックには海導が流れ…すみません、何度見ても泣いちゃうんですが。
最後までやりたいように、まっすぐに、ある意味誰よりも純粋に生きたZ先生を思うと、どうしようもなく感動してしまいます。

島を離れるサニー号。
ルフィたちはただじっと島を見ています。
麦わらの一味にはなんのセリフもありません。非常に珍しい終わりかたです。
ここでルフィが彼の背中に何を見たのかな・・・って思うのです。
白ひげの親父さんのように、そのおっきな背中は無言で、でもものすごいたくさんのことをルフィに教えてくれたんじゃないかなって思います。
この映画のルフィはまだ若造です、ひたすら夢に純粋に向き合ってます。(まあ2年前の挫折があったけど)
反面Zはずっと夢のために生きながら、最後の最後に正義という夢に絶望した老人です。
その夢をどうしても叶えるためにこんな無茶したわけなんだけど、彼は決して悪人ではなかったから、だからルフィとの対比が余計哀しい。

最後に墓の前で泣くアインとピンズを青キジが叱るシーン。
「男が自分の人生に一本スジを通していったんだ、かっこいいじゃねェか…」
置かれた武器にはルフィの拳の痕。
信念に生きる、って思いが引き継がれたような気がしました。
さらにラストはゼファーの子供時代。
女の子を守って戦う正義のヒーロー、おれの名は「Z」とポーズを決めて笑う少年。

どうですか、このラスト。
ひたすらZ先生のための映画のようでした。悪くなかったよ。
私は年齢的に近づいてるせいもあるかしら、この寂しい感じに共感しないでもないのでした。

エンディングはアヴリルラヴィーンの音楽に乗せて、最強装備を無事に返し終え再び旅立っていく麦わらの一味をそっと見せてくれました。
Z先生の余韻を壊さない感じはよかったかもしれない。ガリは海賊を選ぶのかな?なんて思わせてくれつつね。
そして後半ではSBSの絵を元に各キャラの子供時代。
これは楽しいんだけど、チョッパーだけがねぇ…
ひとりぼっちのトナカイって…いや確かにそうなんだけど、一人だけあまりに可哀想すぎて泣けたよ。


というところで、今年の映画感想はおしまいです。
長々とお付き合いくださりありがとうございました。
ではでは。

- END -

2013/01/02