「ワンピース the movie」第9弾。
去年と同じくオリジナルではありません。原作の一つの章を取り上げての映画化。
正直去年のアラバスタは良かったけれどやっぱり端折った感が強かったので、
今年もまたそんな感じかと諸手をあげて待ちわびてたわけではありませんでした。ゾロ出番少ないし(それか)。
ただチョッパーの話は、原作がめちゃくちゃいいですからね。
連載時3週連続(キノコ〜いい人生だった、のくだりです)で泣いた記憶はまだ鮮明ですし、コミックスを何度読み返しても泣けます。
まぁ、春休みの一日、子供と一緒に泣きに行こう、そんな感じで軽く構えていたのでした。
一回目は、多分部活で春休みも忙しく予定が全く立たない次女を連れて、長女の中学卒業式を終えた午後(中学が部活禁止のため)の3月12日。
二回目は、何故だかみんなの予定がぽかっと空いた4月1日に娘たちを連れて4人で。
結局私と次女は二回観ました。焦ることなかったな(笑)。
主題歌はドリカム。
チョッパーの話に相応しく、優しい穏やかな、そしてちょっと切なくなるような曲です。
ただね…日記にも書きましたが、映画館に入ると始まるまでずっと曲がかかってるでしょ。
そっかーそっかーそっかー
またねーまたねーまたねー
末っ子の小学生には
ちょっぱーちょっぱーちょっぱー
なだれーなだれーなだれー
としか、聞こえなかったようです。
「そっかー」が「ちょっぱー」に聞こえたのは、末っ子だけではないようでちょっとほっとしたんですが(笑)。
しかし「なだれー」って、話的にもちゃんと合ってるじゃん…。
さて、歌詞のことはその辺にしときましょう。
本編です。
タイトルに注目しますと、今年はエピソードオブなんたらの後に「+(プラス)」がついています。
ここが去年と違うところ。
プラス。
そのまんま焼き直したのではなく、一つ大胆なアレンジがあるということです。
最初に、これは麦わら海賊団にまだ船医がいなかった話、と断りがあります。
すでにフランキーもロビンも仲間になっていて、船もサニー号。
ただチョッパーだけがまだ仲間になっていなかったという、つまりは「IF=イフ」の物語…。
この持っていき方がよかった。
最初原作を大幅に変えると聞いてあまりいい気持ちはしなかったのですが、それでもこう切り出されたら、
ああそうかと意外に素直に受け入れられました。
話はほぼ原作どおりですが(もちろん多少端折ってはいますが)、
変更点の一つであるロビンは、ビビの役割を担っています。
女性がもう一人いないとやはりナミが病気で倒れるシーンを描くのは難しいでしょうからね、よかった。
ただ上陸時、ビビが撃たれても土下座して頼みこむシーンは、ルフィだけでやりました。
ルフィが一人で考えて、一人で頼みます。
それはそれでルフィがすごく頼もしく見えました。
原作時のルフィより、こっちのルフィの方が成長しているということで受け止めたらいいかしら。
そしてもう一人のフランキー兄貴は……動かし辛かったかもしれないですね、キャラ的に。
それほど出番はありませんでした。
兄貴は今回は同じく出番の少ない(拘る)ゾロとずっと一緒に行動しています。
最初の上陸時に村人に攻撃されたのでメンテナンスしたいと船に残ります。
ゾロも一緒に残ってたのですが、寒いから風呂に入るとか言い出して消えてしまいます。
その後怪しい海賊船(ワポルたちの戻ってきた船団)が現れて、偵察しようと兄貴がシャークマージ号に乗り込むと、
何故か迷い込んでたゾロが寝てたと言う微笑ましくも悲しいオチがあるのですが。
サニー号の広さにまだついていけてません。
自分の船で迷うんです、ファンタジスタなこの人は。
もっと言ってやってください、兄貴。
この後、二人でそれはそれはもう楽しそうに、ワポルの船団相手に大暴れ。
めっちゃくちゃに破壊していきます。
パンフレットで中井さんご本人が指摘しているように、いつもよりかなりヤンチャなゾロです。
ここしか見せ場がないからでしょうけどもね。ええ。(遠い目)
その後ルフィたちが心配になったので、敵から奪った雪上車(っていうのかな?)に乗って、みんなを追いかけるのですが、とにかくとことん二人で一緒に行動。
このコンビは非常に新鮮で面白かったです。
頼りになるんだかならないんだか(だって目的地にたどり着けないんだもん)、イマイチわからないけれど。
兄貴は、珍しい建物や機械を見るとすぐ目を輝かせるという新たな一面を見せてくれました。
また破壊されたドラムの城を見るなり「直してェ〜〜〜」とうずうずするあたりが、さすがです。
この後の展開はコミックスを読み返していただくとして、ああそうそう、新キャラがいました。
ムッシュール・もんたです。(何か違う)
ワポルの兄であり、ノコノコの実の能力者。
ワポルが国を取り返すために監獄から助け出したんです。まぁ結局はその兄も利用しようとしか考えていませんでしたけどね。
とことん悪いな、ワポル。
ムッシュールは意外に弟思いで、少し頭が足りないのかと思わせるちょっと抜けた面もありますが、逆にその能力が非常にえげつない。
体内に毒の胞子を持ち、10年に1回だっけ、それを体外に胞子爆弾として排出するという…。ひぃぃぃ怖い。
おかげでドラムは20年前に一度滅びかけ、当時の国王がムッシュールを追放幽閉したのでした。
サニー号を得た時点でのルフィはもうギアも持ってます。
原作と違ってもうワポルなんか目じゃないくらい強くなってしまってるからということで、投入されたキャラだそうですが、
「毒」の攻撃でルフィを追い詰めはしたものの、他の点ではやはり見劣りがします。
結局はワポルのバクバクファクトリーで同化されてしまい、ただの胞子爆弾の元にしかならないのがちょっと気の毒でした。
その胞子爆弾もチョッパーとルフィが阻止し、火に弱いと言う弱点のため兄貴が全て燃やしてめでたしめでたし。
ムッシュールの声のMのもんた氏はさすがに上手でした。
またワンピースもろくに知らない人を引っ張ってきて…と思ったのですが、下手に迎合しない、
つまり最後までワンピースなんて漫画を知ろうともしないその態度がいっそ清々しくてよかったです。
だって、きっとそうでもなかろうに「読んだら面白かったv」とか「トナカイが可愛くて好きです」とか、変に言われるよりよっぽどいい。
さすがに大物です、うん。
館内は映画の日と言うこともあって、結構いっぱいでした。
おばさまだけの団体。(私よりもかなり上。一体なんなんだろう…)
女子高生グループ。(ほらーあのアラバスタの河にいたナマズなんだっけーとか言い合ってました。サンドラマレナマズじゃないですか?)
親子連れ。(お父さんも一緒の家族総出グループもいた)
おばあちゃんと孫。(プレゼントのキャラバットを上映中もぼかすかやっているのが気になった。おばあちゃんそこは叱りなさいって)
それでも、チョッパーの過去話のあたりになるとしーんとして、あちこちですすり泣く声がします。
もちろん私もやられてます。二回見たのに二回とも。
やっぱりねぇ…あの「キノコ」〜「いい人生だった」のくだりは、ずるいんですよ。
これでもかってほど泣く要素満載。泣くなって方が無茶ですよ。
それとラストシーン。
あの桜と見送るくれはと叫ぶチョッパー。
・・・・・・(思い出してまたうるっときた涙腺の弱い私)。
最後は、くれはの「行っといで、馬鹿息子」で終わります。
ここがね、また親になってみるとちょっと深いかもしれません。
特に息子だったりしたらね。
お前に何ができる、ずっとここにいればいい、たぶんそれも本音。
でもそう言いながらも、広い世界に出してやりたい、それもまた本音。
だからこそ、笑いながら泣くんです、くれはは。
正直あまり期待してなかったので(おい)、すごく楽しめました。
いい出来だったと思いますよ。
そして!
そのうるっとした涙を一気に吹き飛ばしてしまったのが、次回予告!!!
え?え?何っ!!??
そんな感じで畳み掛けるように、シャンクスやらガープやら白ひげがでてきて、まるで仁侠かマフィア映画みたいに黒尽くめのルフィ一味。
ゾロ、すげェ似合う!!!(やっぱそこか)
あああ、ブルックもいる〜〜〜っ!!!(ブルック!と騒ぐ私たちのすぐ後ろで不思議そうな親子連れ。アニメ派でまだ「ブルック」の意味をよく知らなかったと思われます)
内容は全くわかりませんが、とにかくすごく楽しみになったのは確かです。
なんたって、尾田っちがストーリー書いてくれるんですからね♪
というところで、おしまいにしたいと思います。
今年も長々とお付き合いくださりありがとうございました。
ではでは。
2008・5・1
Menuへ