「せっかくだから入ってみない?」
ガラス細工に見惚れたルフィをロビンが促します。
「そうだな」
ロビンの言葉にルフィも頷きました。
「いらっしゃ〜い」
愛想のいい店主の声が2人を迎えてくれました。
店の中にも様々な色の硝子を巧みに細工した品が所狭しと並べられています。
鳥や魚などの生き物をかたどったもの
妖精や小人を模したメルヘンチックなもの
洒落た飾りのついたオルゴールやアクセサリー
美しい光の洪水に純粋に感動したルフィは思わず声を上げてしまったほどです。
「キレイだなぁ・・・」
「ええ、とても見事な品だわね」
「いいなあ、欲しいなあ・・・」
呟いたはいいものの、そういえばオレ一文無しだったっけとルフィは気付きました。
いつもなら多少は自由になる金をナミから貰って島に下りるのですが、
今日は置いてけぼりを食らってしまいましたから。
そのときです。
「あら・・・?」
とロビンが声を上げました。
「あそこにいるのは航海士さんじゃない?」
示した方を見れば、店の一角にナミの姿があります。
本当だ、じゃあナミに頼めばもしかしたら・・・
「よお、ナミ!」
ちょっとした期待を胸にルフィはナミを呼びました。
鮮やかなオレンジ色の髪を揺らしてナミが振り返ります。
「あら、ルフィとロビンじゃない」
ルフィったらやっと起きたのね。
2人に気付いたナミが笑いながらやってきました。
「あのよ、ナミ、このガラス・・・」
金が絡むとナミがおっかないことは重々承知のルフィです。
でも買ってくれと言いたくて、恐る恐る切り出しましたのですが、
「ねえルフィ、あんたウソップがどうしてるか知らない?」
残念。ナミにさっと遮られてしまいました。
「え、ウソップか?」
ぱちぱちとルフィは瞳を瞬かせてナミを見つめ返します。
さあルフィ、ウソップが何をしてたか知ってる?
おお、知ってるぞ!
う〜ん、知らねえな・・・