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394話  「オハラの悪魔達」



まずオマケのカレンダーなんですが、これ一枚からいろいろ想像(妄想)してしまう相変わらずたくさんの 言葉が詰まった尾田っちの素敵イラストですvv
やってることはこたつでババ抜きですが、一応みんな正装してるんですね。
どうやらウソップがサンジからババを引いてしまったようです。
てことはこのあとゾロがウソップの手札から選ぶわけで……、
………大丈夫か、ゾロ?
なんたって天下のうそつきが相手です。ババ抜き勝負で勝てるんですかね?
で、あっさりババ引いて(引かされて)、ちっとか顔顰めながら「ほらルフィ、てめぇの番だ」とか言って 今度はルフィのほうを向くんです。(誰かそろそろ止めて〜)
で、ルフィはチョッパーのお皿から肉をばくばく食べながら「おう!」とか元気よく答えて、「う〜〜〜ん?」てゾロの顔色を伺うの。
ゾロはルフィに覗き込まれてドキドキですよ。(いろんな意味で)
ルフィは案外勝負運て強いかもしれませんね。
結局、最後までババを引くことなく、ゾロのビリってことでv

妄想特急にお付き合いありがとうございました。


ナミが可愛いですねv
こんなお金も賭けない遊びの勝負はしないんだな、この人。


巻頭カラー
雰囲気はなんとなく空島のジャングルを思い出させます。
ルフィがよさげな棒ちゃんと持ってるのが可笑しいですv(あ、チョッパーもだ)
ロビンがゆったりとした表情で好きなものを見ているのがいい。
そしてそんなロビンを船長が優しい笑顔で見つめているのがいい。
そんでもって、そんな二人を早く来いとばかりに苦々しい顔で振り返ってるのがいい(笑)。


もうね、カラーイラスト集とか映画とか、ワンピ情報満載ですね。
尾田っち働くなあ。
でもこの人の場合、やらされてるってんじゃなくて描くことが楽しくて仕方ないのが伝わってくるから、 こっちも見ていて楽しくなりますねv
吾郎ちゃんが声優か。
彼はアニメ好きですよね。
ずーっと前にスマスマで、一人「ボトムズ」について語っていたのが印象的に残っています。
うちの旦那の人生最愛のアニメなので私は知ってましたが、でもマイナーすぎるよ。すごいぞ、吾郎ちゃん…。


ではやっと本編感想。
ロビンが知識の樹に着き母の安否を尋ねていると、政府の役人たちが押し寄せてきました。
どんな言葉も聞く耳持っちゃいません。
だって最初から誰一人助ける気なんてないんですから。
全ての破壊、全ての抹殺。
彼らの意思は強行で強引で傲慢です。
そこまでして政府が、ポーネグリフに近づくことを禁ずるのは何故なんでしょう。
古代兵器の復活、もあるんでしょうが最後のページで
「政府が恐れているのは…本当に兵器そのものなのか…!!!」
クローバー博士が言いかけていることが気になります。
これはもう想像もつきません。
博士の仮説を待ちたいと思います。年越しちゃいますけど(…)。
五老星と話をさせろといってますが、奴らがそんなあっさり話させてくれるでしょうか。 それが心配です。


スパンダ一族はそろいもそろって小物一族でした。
ビバDNA!
こんなつまらない奴らにオルビアや博士たちがいいようにされてるかと思うと、 ロビンがスパンダに殴られたのを見たときと同じ怒りが沸々と沸き上がってきます。
オルビア、さっさと撃っちゃえば良かったんだ。


オルビアはスパンダ親父の口からもう政府がこの地を逃がすつもりのないことを知り、 その動揺につけこまれ捕まってしまいます。
でも、そこで彼女はロビンと会うのです。
ロビンとわざわざ名を呼んでオルビアに知らせてくれた博士の優しさが染みてきます。
そして、こんな状況だというのに
「そんなに大きくなったのね」
とわが子の成長に涙を浮かべるオルビア。
ロビンは母と知らず、またオルビアも名乗ることができない、そんな哀しい場面に 私ら読者はただ地団駄を踏むのみです。
ロビンはこんな大きく、そして見ず知らずの人を気遣えるほどに優しく育ったんだよ、 せめてそう知らせてあげたい…。


その後、青キジもやってきてバスターコールがかかって、ロビンが船を沈めて、サウロもどうにかなって…、と この過去話はまだまだ長そうですね。
オルビアや学者たちの身に起こる悲劇もとても気になりますが、オハラという地が失われたことにより 世界はどう変わっていくんでしょうか。
トムさんが「ワシの気がかり」とアイスとフランキーに語ったのはどんなことだったんでしょう。
一人逃げ出し、ポーネグリフを解読できる力を持つロビンの存在を脅威としているのか、 救いと見ているのか。今思うとどっちだったのかな、と。


今年のOP感想はこれでおしまいです。
時折暴走気味の(…)拙い文章に、お付き合いありがとうございました。
では良いお年をv


2005/12/28




395話 「オハラVS世界政府」



年を越えて待ちに待ったロビン過去話続編です。
正直そろそろルフィやゾロの顔が見たいのですが、やはりワンピファンとしては、 ロビンという人間の「今」を作り上げたその過去を、ここはじっくりと見ていくべきなんでしょう。
それにそろそろ物語の核心部分をつきそうですし。


ワンピースというこの作品を、私はつい最近まで夢とロマンでいっぱいのまさに少年誌的な冒険漫画の一つだと思っていました。(いえ今でも そう思っていますけど)
でも政府やポーネグリフやそんなものが絡んできて、 どうもそんな生やさしいだけのものではないらしいと、ぼんやりな私もさすがに感じ始めました。
ただ明るくて楽しい冒険と戦いが描かれているだけの漫画ではないようです。
もっと深くてどろっとした暗いものが根底に潜んでいるような、そんな気がして、麦わら海賊団のこれからが少しだけ心配です。 きっと大丈夫だろうけど。


まあそんな老婆心は横に置いとくとして、今週の感想をいきましょう。
「その指令」を待って沖に待機する海軍の船。
ロビンを案じて町に走るサウロ。
追い詰められた考古学者たち。
じわじわと真綿で締められているような、地団駄踏みたくなるような、嫌な展開です。


クローバー博士が年を越えて持ち越した(笑)語られぬ歴史についての仮説を五老星に語ります。


………………………


なんだかすごいことになってきましたよ。
空白の100年が今の世界政府によってもみ消された歴史だろうというのは、前回博士がいいかけてたセリフからも薄々察しがついてました。
でもポーネグリフを残したのが、その際に滅ぼされた人たちであり、 そこには今は亡き巨大な王国が存在していた…
そんな話になってくると、この物語はどこまで行くんだとただただ呆然とするしかありません。


世界政府に脅威をもたらす「思想」をもった謎の王国ですか。
その名が出る前に博士が撃たれてしまったので、またうやむやになりそうなんですが、これは やはり「D」の一族に関係する国と見ていいのでしょうかね。
もしかしてその末裔がDの名のつく者たちとか????
そうすると以前ロビンが言った「何故戦うの、あなたたちDの名を持つ者たちは」(セリフうろ覚え) というセリフもなんとなく繋がってくる気がします。
これこそ思いっきり仮説ですけども(苦笑)。
そうか〜、ルフィはラピュタのシータみたいに今は亡き王国の王子様なんだ…v
(いやいや、そうと決まったわけじゃないから落ち着け私)


オハラは知りすぎました。
五老星の命により、ついにバスターコールがかかります。
てめえが手をくだしたんだな、スパンダ親父!(許せん)
そしてそれを許可した大将センゴク。
今の海軍元帥ですよね。で、青キジが確か中将でしたか?
今いくつなんだ青キジよ、というツッコミは我慢して、一体なんなんでしょうね、
海軍も政府も。
一人一人はともかくも、権力を持って上に立つものがこのように腐っていて何が正義だって感じです。
スパンダ親父らの悪さは単なる小物の悪さに過ぎませんが、五老星の不気味さが腹立ちます。
あんな数人の年寄りたちがこの世界をいいように扱っているわけですね。
邪魔なものはすべて容赦なく排除する、その思想の方がよっぽど危険ですってば。
それに賛同しない自由を愛する海賊たち(もちろん悪い奴らも多いけど)は、当然やっかいな存在で、 だからこそ海軍は必死になって追いかけてるのかな。
ただ海軍にもスモーカーだのTボーン大佐だの、ちゃんと見る目を持った人物はいるようだから、 きっとこの先何かが動いていきそうな気もするのですが。


話を戻します。
博士たちが巻き込むまいと追いやったロビンですが、一人になりたくないと戻ってきてしまいました。
そして今まさに連れ去られようとするオルビアを見て、ふと気付くのです。
「お母さんですか…?」って。


もう泣きましたよ。おかげでコンタクトずれちゃいましたよ。
ロビンが…幼いながらもずっと健気に頑張っていたロビンがぐしゃぐしゃになって泣いています。
物心ついたときから自分の居場所のなかったロビン。
唯一心の拠り所として追い求めていたのが母親の存在だったんでしょうね。
でも、今の状況ではオルビアは母と名乗ることができません。
だけどロビンは縋るんです。
「大きくなったけど…私を覚えていませんか!?」って。
もうどっか流れていきそうだったんで、コンタクトは外しました。
だってロビンが必死で叫ぶんです。
一緒にいさせて、一人にしないで、って。


博士たちのところに戻ってきた時も、ロビンは一人になりたくないって言っていました。
ロビンは何よりも「手を繋いでくれる存在」を求めていたんですね。
ずっとずっと一人ぼっちだったから、自分を受け入れてくれるもの、抱きしめてくれるもの、 愛してくれるもの、そんな存在を必死に追い求めていたんです。だってまだ8歳だもの。
幼い娘にそんなふうに叫ばれて、もうオルビアも立っていられませんでした。
ただそのために、ロビンは自分が考古学者であること、 ポーネグリフが読めることを政府に知られてしまいました。
それがどんな結果をもたらすかなんて、まだロビンにはわかりません。
彼女を守ろうと必死で突き放してきた大人たちの愛情が、こうしてすれ違っていくその展開が、 あまりにももどかしくて悔しくて、ただただ切ないです。
オルビアはこのあとどうするでしょう。
最悪の形での別れが待っていそうですが、それでも母親だと名乗って、 そしてせめて一度でもロビンと手を繋いでくれていたらいいな…と思います。
この先ロビンは故郷を失い、母を失い、仲間である考古学者たちを失い、 ありのままの自分を受け入れてくれた大好きな友であるサウロを失うんですね、多分。
そして、あんなに嫌がっていた一人ぼっちの世界に入っていくのです。
これから20年も。


ロビンはルフィたちと出会うことで、ずっと空だったその手を繋いでもらえました。
だからもう決して失いたくなかったんだと、自分がどうなっても今度こそ守りたかったんだということが、 ここで改めてずしんと胸に落ちてきます。
さすがです、尾田っち…。


次回発売は23日ですか。思いっきり開きますね…。
はあ…頑張って耐えましょう…。


2006/01/08




396話  「サウロ」


ついに政府の攻撃が始まりました。
オハラはもう間もなくこの世から消えるのだと思わせるような容赦なさです。
でもスパンダ親父ありがとう。その見事なまでの小物っぷりを今は本当に感謝したい。
奴らが自分の命惜しさにと、ロビンとオルビアを放ってさっさと逃げ出してくれたおかげで、母子はようやく会うことができたのです。


ずっとこうしたかったと母の手を握るロビン。
成長したわが子を抱きしめるオルビア。
考古学者であることをばらしてしまったことを謝るロビンですが、オルビアは、頑張ったのね、えらいわと笑って頭を撫でるのです。 周りは砲火で火の海。それでもここだけは母子の優しい時間が流れていました。それは残酷なほど短いのですけれど。
ずっと求めていたお母さんにありのままの自分を受け止めてもらえて、ロビンはどんなに嬉しかったか。 どんなに苛められても涙をこらえていたロビンですが、今はただボロボロと泣いています。もちろん私も泣いてます。


そこに現れたサウロ。
事態はもう一刻の猶予もありません。オルビアはサウロにロビンを託します。必ず島から逃がしてと。
そして考古学者たちが何故政府に迫害されながらも歴史を語り継いでいこうとするのか、その思いをロビンに伝えるのでした。


「オハラは歴史を暴きたいんじゃない、過去の声を受け止めて守りたかっただけ…!!
私たちの研究はここで終わりになるけど――たとえこの「オハラ」が滅びても
あなた達の生きる未来を!!私達が諦めるわけにはいかないっ!!!」


歴史は絶対に歪めたり隠したりしてはいけないのです。
全ての過去のもとに今の自分たちは存在するのですから。
それが政府の意向と反してしまったのが、彼らにとって悲劇だったのですが…。


わからないと答えるロビンに、いつかわかるわと微笑むオルビア。
サウロはオルビアの思いをきちんと汲み取りました。
一回だけいいのかと聞き、ロビンを連れて逃げます。躊躇いも迷いもしません。もうそんなことしても無駄なのですから。


そして今回明らかになったサウロの正体。なんとびっくり海軍中将でした。
当時の青キジ(クザン)と同じ階級です。それなりに会話もしてたんじゃないでしょうか。 どこか外れたペースの者同士、意外に気があってたりして。
サウロは今回の一連の任務に疑問を抱いていました。
何故学者たちを殺さなくてはいけないのか。
ロビンの能力を羨ましいと笑った、サウロの純粋な目には彼らが悪とは映らなかったんでしょうね。
何かを隠そうとしている政府。そこから生じた不信感。
そしてそれはオルビアと話すことで「脱走」という形をとりました。
中将という階級を捨て、追っ手がかかることも承知の上でです。とても正気ではありません。
でも本当は海軍の中で誰よりもサウロが正気だったのですよね…。
捕まってたオルビアがどうしてオハラに帰ってこられたのかこれで納得できました。
だからサウロはあんなにロビンに謝っていたんです。自分が海軍の追っ手を連れてきてしまったと思い込んで。
でもどっちにしろバスターコールがかかるんですから、そんなに気にしないでと言ってあげたい。


「誇れ!!! ロビン!! おまえの母ちゃん立派だで!! オハラは立派だでよ!!!」
「この島の歴史は!! いつかお前が語り継げ!! ロビン!!
オハラは世界と戦ったんだでよ!!!」


海軍に見つかったサウロは攻撃を受けますが、ロビンを必死に守ります。
オルビアとの約束だから。そして何よりもロビンの友達だから。


「何が正義か今はわからんで  ワシはただ友達を守る・・・!!」


無茶苦茶な理由ですが、それは変なお題目よりもよっぽど正義に近く見えます。
どこかルフィたちの戦う理由に似てる気がします。
好きだから。
泣いてたから。
助けたいから。
何も関係ありません。自分の信じたことが正義です。
何からも離れて自由に生きる、ああ、それがDの一族なのかな…。


サウロ、巨大な海軍船を持ち上げちゃってます。このまま大暴れしそうな予感です。
それこそ船6隻くらい沈めそう…え、それってロビンがやったことじゃ……
あ、もしかしたら手配書の罪状は「ポーネグリフが読めるから罪」とは書けない政府がサウロの罪までついでに押し付けちゃったとか?
前回のバスターコール時、8歳にして軍艦6隻も沈めたロビンにしては脅え方が異常だと思ったんですよ。 だって当時で6隻なら今は20隻くらい沈められそうじゃないですか。
でももしそうならサウロの罪(む)を今までずっと共に背負ってきたロビンの心情が健気で泣けてきます…。


2006/01/23




397話  「未来へ届くように」


ロビンを守るために戦うサウロ。海軍の船が次々に沈められていきます。
サウロは自分のことをエルバフとは違って穏やかな一族だと言っていましたし、実際そういう人でした。
でも今のサウロを誰も止めることができません。
一方、火に包まれた知識の樹ではオルビアや博士たち考古学者が、文献を必死で守ろうとしていました。


燃えないように湖に落とせ
一冊でも多くの本を、多くの文献を残せ
先人達の言葉が未来へ届く様に


これがオルビアが言った「やらなくちゃいけないこと」でした。
ポーネグリフを隠しに行くとか、どうにかして未来にメッセージを残すとか、もっとすごいことをするのかと思っていましたが、 意外に地味な行動でした。でもこれが彼ら考古学者たちにとって最も大切なことなのかもしれません。



「生きて」と願った母の言葉を思い出し避難船に向かったロビンは、そこでも犯罪者の娘、化け物と受け入れられませんでした。
「大丈夫、一人で登れるから」って言葉が健気でまた泣けてきます。
ちゃんと能力を使いこなしていますね。なんでロビンが悪魔の実を食べてしまったのか謎ですが (ルフィと違ってつまみ食いで間違って…ってことはないだろうな)、サウロみたいに便利でいいなって普通に受け入れられる 器量の人がいないのが悔しすぎる。
妖怪はないだろ、妖怪は。


CP9に見つかったロビンを守ろうとサウロが駆けつけますが、そこに現れたのがクザン…青キジです。
やっぱり二人は知り合いでしたね。それはそうか。
サウロはオルビアやロビンに出会って、自分の大切だと思ったものを守る正義を選びました。
ただし海軍とか政府とか大きな立場の目で見たら、これはただの一個人が突っ走った自分勝手な正義です。
一方のクザンにもクザンの正義があります。
この人の正義はまさに海兵としてのもの。
「今後の世界のためならある程度の犠牲はやむを得ない」という立場です。
さらにイってしまうと、「やるなら徹底的に悪を根絶やしにする」というサカズキ(=赤犬)の正義になります。


それぞれの正義、それぞれの立場。
それはわかるのです、私も一応大人だから。でもなんだろう、何かがおかしい。
考えてみたのですが、きっと悪だの正義だのって言葉を使うからそこに違和感があるんだと思うのです。クザンもサカズキも。
サウロは自分のやってることを正義だなんて思ってないし(わからないっていってましたよね)、ルフィたちもそう。
アラバスタを始め、いろんな人たちを助けてきたのもどれも正しいとは言ってません。
前回の感想でも書いたけど、やりたいから、助けたいから、好きだから、そうする。
その結果が世間でどう捉えられようと構わないの。ただ自分が信じたもののために戦う、それだけ。(それがDの一族の血なのかも)


クザンの能力に氷らされていくサウロ。
ところで「アイスタイムカプセル」って名前に、もしかしたら「後でとける氷」ではないかと、 サウロが生きていることをほのかに期待してはダメでしょうか。
とりあえず氷らせて連行して、あとでゆっくりとかすの。だからまだどっかに幽閉されてるの、トムさんとかと一緒に。
…いいんです、言ってみただけ。
尾田っちは結構容赦ないから(すみません)、たぶんダメだろうな…。


「今は一人だけどもよ いつか必ず『仲間』に会えるでよ!!!
いつか必ずおまえを守ってくれる『仲間』が現れる!!!」
「どこかの海で…必ず待っとる仲間に会いに行け!!!ロビン!!!」
「そいつらと…共に…生きろ!!!」


今読むとただただ泣けてきます。
あんな純粋な子供だもの、ロビンはその言葉を信じていたんだと思う。
でも生き延びるために、裏切って裏切られて。その繰り返しでたくさん傷ついてきたんでしょうね…。20年もの間。
彼女を守ってくれる未来の仲間はまだこのとき生まれてもいません。そんな長い間じっと一人で耐えてきたんです。
ただ生きるため。
それは母と親友が彼女に託した最後の願いだから。


過去を未来へ紡ぐこと、それはオルビアが考古学者として託した思い。
生きる、それが母として娘に願ったこと。
ロビンはずっとそれを背負いながら生きてきたんだなと思います。
それなのに、アラバスタではもう諦めて死にたがっていた。今だって死なせてくれと言ってる。二人の言葉を忘れたのではないけれど、もうそれを越えるほどキツイ状況なんでしょうか。
初めてできた「仲間」。
それを守るためにロビンは自分の死を選ぶんですね。
でもたぶんそれはサウロが望んだこととは違ってる。そしてルフィがそれをロビンに気付かせてくれる、そんな気がします。


クザンがロビンを逃がしてくれました。
サウロが守った「種」が何に育つのか見届けたいようです。 サウロがクザンの正義にひびを入れたと言うことでしょうか。
海に引かれた一直線の氷のライン。
後ろには燃え盛る故郷。
ロビンのこれからの人生を暗示するような孤独さです。
なのに…笑おうとしてますよ、この子…。
苦しいから、辛いから、サウロの言葉思い出して。(号泣中)


なんとなく思ったのだけど、この編のラストはロビンがデレシって笑って終わったらいいな…。
それを見たルフィが「お、いいな」とか言ってくれて、もちろん意味なんて知らないんだけど、一緒にデレシって笑ってくれるの。
でもそれをやられたら私はきっと泣きます。号泣する、それは間違いない、うん。


2006/01/31




398話  「宣戦布告」


たかが漫画じゃないの。昔、母によくそう言われました。
でも…されど漫画なのです。
こんなに泣けるなんて半端じゃありません。
感動をありがとう、尾田っち。


焼き尽くされたオハラに、もう生存者はいない模様。
オルビアたちの最期がきちんと描かれてたわけではないので、 もしかしたら…という希望を(まだ)持っているのですがやっぱりダメなのでしょうか…。
湖を埋め尽くした本が悲しくも、またある意味不気味にも思えます。


ロビンはスパンダ親父に見つかってたようですが、 舵が「凍りついて」動かせなかったため逃げ切れた、というくだりがまたじんわりときます。
凍らせた…んですね、彼が。
クザンはそんな報告を聞きながらものすごく苦しそうな表情をしています。
何故なんでしょう、気になってなりません。
見つかってしまったロビンの行く末を思ってか、最期まで自分の信念を持って凍ったサウロを思い出してか、 はたまたスパンダ親父の馬鹿っぷりに頭が痛かったのか。
クザンには政府に存在がばれてしまったロビンがこの先どんな人生を送るのか予想がついてたのかもしれません。 だから逃がしてしまったことを却って後悔したとか…。まあ、これも私の想像でしかありませんが。


彼がどう思ってたにしろ、その後のロビンの人生は確かに悲しく孤独なものでした…。
再会したクザン(青キジ)はロビンが人を裏切り続けて生き延びてきたみたいに言っていましたが、 どちらかというとロビンが裏切られ続けてきたように思えます。
高額の懸賞金をかけられ、生きてちゃいけない悪魔の子とまで言われ、いつの間にか誰も信じられなくなって、 人の顔色ばかりみてびくびく脅えて生きるようになってた…。ロビンは強いししたたかだけれど、 実はあの8歳のままずっと脅えていたんだなと、今になってそれがわかります。
それにしても16歳のポニーテールロビンが可愛い!
しかも「なんでもします」と淡々と言うのがヤバイです。(なにがだ)


そして物語はお待ちかね(笑)、ついに現在に戻ってきました。
ルフィやゾロに久々に会えて、こちらのテンションも一気に上がります。
ロビンはついに本心を吐露しました。


「私の敵は世界とその闇だから」
「それが永遠に続くから、どんなに気のいいあなたたちだっていつか重荷に思う、
いつか私を裏切って捨てるに決まってる、それが一番怖いの!!!」


あまりに悲しい本音です。
だって裏切られて捨てられるのが怖い。どこの子供ですか?
これがあのロビンですか?見捨てられることをこんなに恐れているんですよ。
ロビンの今までの人生で、心を許した人に裏切られたことがどれだけ繰り返されてきたんでしょう。容易く想像できます。
ルフィたちがロビンの最後の光だったんですね。
ここでそれすら断ち切られるよりは、自分から裏切ったことにして憎まれたりあるいは敵として殺されたりする方が ずっといいと考えていたわけです。
だから命も惜しくない。それはそうだと、やっと納得いきました。


「いつか落とす命なら、わたしは今ここで死にたい」


母とサウロが残した「生きろ」という言葉を反故にしてまでね。


ルフィはロビンの事情も過去ももちろん知りません。
でもその叫びはちゃんと届いた。
ルフィはいつもそうですね。ナミもビビも、みんなの叫びをちゃんと拾ってくれている。

「そげキング あの旗撃ち抜け」

うおおおおおおーーーーー、船長カッコいいーーーー!!!


それにまた「了解」と即答するウソップ。
一瞬の躊躇いもありませんでした。
こういうとこが好きなんだよー、ちきしょうめー!
ところで船長はそげキングの正体を気付いたか否か。
気付いていてもいいな〜。隣に立ってちらっと見たら、うおっ横顔のこの輪郭は見たことあるぞっていうことで。
それで、そげキングなんて呼びかけていたのだとしたらちょっとそのカッコよさに萌える。
もちろん気付いてない、いつものおとぼけ船長でもOKですがv


さあ、ついに世界政府に宣戦布告した麦わら海賊団。
最も敵が何だって関係ないのはいつものことです。すでに七武海だの神だのまで相手にしてきてるんですから。

「ロビンまだおまえの口から聞いてねェ
『生きたい』と言えェ!!!!」

うおおおおおおーーーーー、船長カッコいいーーーー!!!(2回目)


こういうとき相手が望まない限りルフィは絶対に自分から動きません。
必ず本人がそうしたいってはっきり口にしたのを見届けてから立ち上がるんです。
今回だってここまで来といて、しかも目の前にCP9というこんな状況なのに、あくまでもロビンの意志を確認してます。 そして確認した以上、絶対に手を離しません。
それが一番ロビンの欲しかったものなんだろうな・・・そう思えるのが嬉しいです。


ロビンにとって望んではいけないこと、誰も許してくれなかったこと。
「もし本当に少しだけ望みを言っていいのなら…」
少しだけ、という言い方がまた哀しい。
生きたいってそんな大切なことすら、そんな遠慮がちにしか望めなかったロビン…。


「生ぎたいっ!!!!」

「私も一緒に海へ連れてって!!!」
ああ、口にしちゃった。
これでルフィはもう絶対に離してくれませんよ。決定。
鼻水と涙でぐしょぐしょのロビンですが、それでもやっぱり美人だなと思います。


「うおーーーん、おめェら好きだーチキショ〜〜〜〜!!」
と泣くフランキーの兄貴。
そうでしょ、そうでしょ。みんなそうなのよ。
…ってあんたなに一人で観客してるんですか。
あんたも当事者でヤバイ状況じゃないですか。
ここは是非とも一緒に戦ってください(あ、コーラ切れてるんだっけ!?)
麦わらチームの誰一人、異論はありません。
船長が言ったからじゃなくて、思いはみんな同じだからってのが彼らのすごいところ。
跳ね橋が下りました。いよいよ戦闘開始です。
待ち受けるルッチが不敵な笑いを浮かべてるのが何とも悪そうです。
でもそれ以上に「早くおろせ」とうずうずしてる剣士の方がもっと悪人に見えているのは、絶対に私だけじゃないと思います。
斬りたくてたまらんという顔がこっちもたまりませんv
悪そうな顔とナミにツッコまれるのも当然だと思います。


事態がどーんと動き出しましたね。
尾田っちの過去話は泣けるけど、それが一気に現在に戻ってきた時にぴたっとピースがはまるように、 物語に納まるのが本当に素敵だと思うのです。
ああ、また次号が楽しみだ〜。


2006/02/07




399話  「滝に向かって飛べ!!」



まずは扉絵。
先週から気になっていたんだけど、このあとバロックワークスはみんな脱獄するんでしょうか。
それってヤバイんじゃない?海楼石の手枷なんだろうけど、能力者たちみんな元気そうだな…。


本編。
先週のロビンの涙に、「ロビン!!必ず助ける!!!」と燃え上がっちゃった麦わら海賊団。
政府に宣戦布告した以上、世界を敵に回したわけです。この世に(表向き)彼らの安住の地はありません。
だってのに清々しいほど吹っ切れた感じです。彼らは。
武者震いしてたそげキングですら、天を指してポーズ取っちゃってますからね。
海賊なんだから海と夢さえあればいいのです。なんていうとカッコいいけど、後先考えてないだけなんだと思います。特にルフィ。
でも今はやりたいようにやるのが一番ですよね。
あれこれ考えてたってしょうがないんだから、今一番したい「ロビンを助けること」を頑張ればいい。


一方跳ね橋を下ろさせまいとやってきた例のレツゴー三匹。
パウリーとザンバイでざくっと3等分。
…げげっと思いきや、実は元々が3人で、ただくっついていただけだから無傷ですんだというオチでした。
何故そんなめんどくさいことをしているのか。それは仲良しだから、という理由がわけわかりません(苦笑)。
バス&カビル&…お姫さま?
相変わらず「三波春夫でございます」をやる三匹でした。←意味わからないお若い方にはすみません。
それにしてもこれだと真ん中にいるお姫さま(仮名)がすごく大変そう。両腿に残りの2人を乗っけてますからね。 よく歩けるな。


さてバスカビルの砲撃を受けて、降りつつあった跳ね橋は途中で止まってしまいました。
その隙にロビンを連れて正義の門まで逃げようとするスパンダ(ム)。鼻水やらいろんなもんでぐしゃぐしゃですが、 ロビンと違って全く美しくありません。しかもやっぱり権力だのなんだの鬱陶しい野郎です。 早く消えてくれと思います。
その前に立ちはだかるフランキー。
手にはプルトンの設計図。
カクが言うには「体の中に隠し持っていた」らしいです。どこにどんなふうに隠してたのか気になってたまりません。
だってCP9に連行されるとき一応身体検査くらい受けたと思うんですよ。
でもばれなかったわけで。さあ、どこだ、どこにしまってたんだ!?


そんなどうでもいいことは置いといて。
フランキーは語ります。


「トムさんやアイスバーグが命がけで守ってきたものは、(略)
その独走を阻止してくれという『設計者の願い』だ!!!」


スパンダのような馬鹿に世界を好き勝手にさせるな。
ロビンの真実を知った彼は、全てを賭けることにしました。
ロビンの危険性を承知の上で、その身を守ろうとするルフィたち麦わら海賊団に世界の全てを。


ココロさんやアイスバーグがいたら「馬鹿の考えることはわからねえ」と苦笑されそうですが、 フランキーは本物の設計図を燃やしちゃいました。
愕然とするカリファ・カク・ルッチ。
5年間の苦労をどうしてくれんねん!…とでも言って殴りつけたいところだと思います。
とにかくこれで抵抗勢力はなくなりました。
ロビンが政府の手に落ちたら待つのは「絶望」。
でも取り戻せたら政府には何もなくなる。
ここで全てを見聞きしてしまったフランキーだからこその決断です。


そこへザンバイやモズたちが「アニキー」と絶叫。
すごく嬉しそう。コノヤローとかいいながら、うおおおおんとだばだば泣いてます。
やっぱりよく泣く男です。本人曰く泣いてないらしいけど。
しかし、この感動の再会場面にルフィ、「うるせェ お前らーっ!!」と一喝。
ゾロ&ナミも鬼かっとツッコむ非道ぶり(笑)。
とにかく今は橋をかけろと叫びます。確かに目的を見失っちゃいけませんでしたね。
早速ゾロ&ナミも軌道修正。
取りとめなく、ああそうださっさとしろ、ときたもんだ。剣士。
そんな取りとめのないゾロが好きだーvv
そして未だにウソップがされた事への恨みを根に持つ、そんな船長も好きだーvv


気の抜けた隙にスパンダに突き落とされたフランキー。
橋が中途半端にしか降りず困るルフィたち。
さあそこへココロさん運転のロケットマンがツッコんできます。
「滝に向かって飛べ」
海列車の音を聞くなりその言葉を疑いもせず、飛び込むルフィ。
ここは名場面に入りますよね。
ルフィはね、いくぞ!!!って手をいっぱいに伸ばして、全員を抱えて飛び降りるのです。
一蓮托生。
とっとと行くぞお前ら。
そんな感じで意志なんて確認してません。だってみんながついて来るのはルフィにはわかりきったことだもの。
でもちょっといきなりすぎ。
他の皆は「え」とか「うわあ」とか目や涙、いろんなものが出てますよ〜。
そしてここで声を大にしていいたいのは、ゾロがその腕の中に入ってないってこと。
自力でルフィにしがみついています。
船長に拾ってもらえなかったのか。それともわざとか。
ここはゾロルスキーとしてはやっぱりわざとと思いたい。
ゾロはさらに意思確認しなくていい相手だからってことでv
自分が行くぞって言った以上、ゾロはすぐに一緒に飛び込んでくれる。
ルフィはそう考えていた(ていうか考えるまでもなかった)んだよってね。
最も着地には失敗してます。剣豪殿。
サンジが唯一綺麗に降りてましたね。


フランキーも無事拾いました。
そして次回は400回です。
尾田っちはこういうところうまく合わせてくるからな〜。
いよいよここから政府との戦闘開始ですね、わくわく。

2006/02/14




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