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425話 「死闘の橋」


扉絵。
あれ?「あの人は今」シリーズは空島の話なのかな?
だったら前回ノジコだのくれはだのって変なこと言っちゃったかも。まあいいか。
ワイパーたち元気そうですね。
これから彼らが空島を支えていくんだと思うと未来は明るいです♪
次はガンフォールとピエールが畑仕事とか?それをパガヤさんが手伝ってたりして。


本編。
エニエスロビーへの砲撃は容赦なく続けられ、一方ルフィとルッチの戦いもまだ決着はつかないままです。
先週のゾロの言葉どおり、ゾロ、ウソップ、フランキー、一歩控えてサンジ、と男連中は橋の上でルフィを待ちます。
フランキーがものすごく馴染んでますね。さすが仲間入り候補ナンバーワンキャラだけのことはあります。
ルフィが来さえすれば・・・ではありますが、冷静なサンジは「自分たちの頭数=敵軍艦の数」という圧倒的な戦力の差をちゃんと見極めています。 それで諦めるとかいうことはもちろんなく、さあ困った、どうしたもんかとあれこれ頭を働かせているんだと思います。
こういうのがサンジの役目なんですね。
一方ゾロは恐らく何も考えちゃいません。脳内はただルフィ一色ではないかと(笑)。


そこへ海軍の放送がかかります。
エニエスロビー本島における生存者は0。
つまりフランキー一家やガレーラや巨人たちは全員死亡ってことですね。
残る攻撃対象はたった一隻、彼らの船のみです。
じわじわと迫る比べようもないくらい大勢の敵。
圧倒的な絶望感。
「こんなに簡単に・・・人って死んでいいの?」
ナミの言葉は怒りとも悲しみとも違って静かです。
あっさりと振り下ろされる冷徹な刃を怖いと感じているのかもしれません(脅えるって意味じゃなくね)。


「急げ麦わらァ〜〜〜!!!仲間がここで待ってる!!
てめェ死んだら承知しねェぞォ!!!」


フランキーが叫びます。
聞こえるはずはないでしょうがそれでも届けと願いながら。
フランキーにとって待っててくれる仲間はもういません。
だからこそ、その叫びはずしりと重く響いてきます。
ウソップは何を感じたでしょうか・・・。


はっ。
切羽詰った展開にすっかり感想まで重くなってしまいました。
前回までの人魚だジュゴンだの騒ぎがウソのようなシリアスな展開です。
でも忘れちゃいけません。
ワンピースは尾田っちが世の中の少年少女に贈る夢がいっぱいにあふれた漫画なんです。
だから私ももちろんガレーラやフランキー一家があのまま死んだとはこれっぽっちも思ってませんし、ルフィもじきにルッチをぶっ飛ばしてゾロのとこに・・・ 違ったみんなのとこに(わざとらしい間違いです)元気に戻ってきてくれるんだろうと思ってます。
海軍が周りをぐるりと取り囲んでますが、どうせこれだってなんとかして逃げられるんです。
こうして書くと妙に単純な展開のようですが、尾田っちですから、ちゃんとこちらが納得できる展開で見せてくれるはず。
そうです、それが私らの愛するワンピースなんです。
うん。(と自分に言い聞かしてます)


ギアを2に入れたルフィにルッチも六式の奥義で対抗。
ドクンとぶれるルフィの姿が怖いです(涙)。
ちゃんとルッチを倒して帰ってきたとしても体にすごいダメージが残っちゃうんじゃないかと心配でたまりません。


あそこでルフィがルッチを抑えてなかったら自分たちは何人死んでたかわからないというフランキー。
ルフィは始めから自分が戦わなきゃいけない相手をわかってるみたいだと呟くチョッパー。
どっちもその通りです。
主人公の相手は当然ラスボスなのよ・・・・・・って理由はおいといて(苦笑)、確かにルフィはそういうとこありますね。
たいてい自分が一番強い敵を請け負います。ただ今回は特に顕著です。
みんなの命を一人で背負ってるような、そんな感じがひしひしとします。
ゾロはそんな姿をどう思ってるんでしょう。
どうせ言ってもきくルフィじゃないし、ゾロにはゾロのやらなきゃいけないことがあるんだけど、でも見てるしかできないって辛いだろうなぁと思います。


「野生の鼻がきくだけよ、あんたよりね」
という突き放したようなナミの言葉が冷たくてちょっとびっくりしたんですが、これはチョッパーにってよりは、「あのバカ!」って意味で ルフィを突き放したと見たらいいですかね。
心配でたまらない故にこんな言い方しちゃった、みたいに。


海軍はためらいの橋を取り囲み始めます。
ますます時間はありません。
「あいつ・・・死なねェよな・・・」
ルフィの力を疑ってるわけではないんでしょうが、迫り来る危機に思わず呟いてしまったウソップ。
それをきいたゾロは一言
「バカか」


聞きましたか、皆さん?
「バカか」ですよ。
さあリピートアフターミー。
「バカか」


「バカか?」でも「バカか!?」でもありません、「バカか」です。
ちょっと自分がその場にいると考えてみてください。
いくら信じているとは言え、なかなか帰ってこないルフィに対して誰でも思わずウソップみたいなことを口にしてしまうと思うんです。
それは全く普通の反応だと思います。
でもそれに対し、ツッこむでもなく怒るでもなくたしなめるでもなく
「バカか」
そんな言い方で返せる人間は早々いません。
ルフィのいる場所だけを見据え、振り向きもせず、ただ一言「何言ってんだ、おまえ」とばかりに。
あいつは来るにきまってる、だからそれまでオレがここのみんなを守るしかねぇ、
ゾロの頭の中はそんなことくらいしかないんでしょう。
どんだけルフィが好きなんだ、
どんだけ信じちゃってるんだ、ゾロ。


小さなコマですが、その後姿はただ愛ですよ、愛。
もう一度言ってみましょう、
「バカか」
ゾロのように言うのはきっと難しいですけどね。


次週は巻頭カラーですv
ルフィVSルッチ死闘、いよいよ決着へ!!
というジャンプのアオリはどこまで信用したらいいんですかね?
「泥門VS神龍寺戦ついに決着!」てのはちゃんとその通りでしたけども。



2006/09/06




426話  「風待ちの船」

巻頭カラー。
「SKY PINE」
スカイピアとかけているんですかね?雲の上の素敵な世界♪
それぞれがそれぞれにいい顔してくつろいでますが、極め付きは犯罪的に無防備な顔して眠ってるゾロでしょう。ぱんぱかぱーん。(無意味な効果音です)
眉間にしわがないわ、まふっとした雲にうつ伏せてるんでホッぺがむにっとしてるわ、おばちゃんはWJを手に思いっきりじたばたしてしまいました。
雲の上ではこんなふうにのんびりと寝られるんです。
子供が「雲は水蒸気の粒でできてる」なんて、そんなつまらないことをいいだすのはいくつのときでしょう・・・、
尾田っちの中では今でも雲はまふっとしてるんですよ、それがホントに素敵だと思います♪
ルフィの数分の一の大きさのサンジくんですが、彼は雲上レストラン「SKYPINE」の料理長として(適当な設定ですみません)カモメを始め皆にパインを振舞うと言う、自分のポジションを立派に務めています。
サンジが裏方に徹する人だというのが、本編でも実は重要な今週です。


本編。
第1支柱は海軍の砲撃で壁が崩れ、ゾロたちからルフィやルッチの姿が確認できるようになりました。
橋の付近には軍艦が集結。いよいよ乗り込んできます。
武器を構えなおすナミ、決意を込めた顔をあげるロビン。
そして
「あとはおまえ、そいつに勝て!!!
生きてみんなでここを出るんだ!!」
叫ぶ男連中。


みんなの思いは一つです。
こくん
笑顔で頷くルフィの顔が綺麗で(美男とか言う意味ではなくね)、倒れそうになりました。
こんなピンチなのに仲間の声に応えて笑える。
しかもとびきりの顔で。
そりゃみんな惚れるって、船長。


船には大佐と中佐クラスの約200名が押し寄せます。
ここからはゾロが言ってた通り耐久力勝負。
ここを持ちこたえられなければ、ロビンは再び政府の手に落ちるし、皆も揃って
DEAD OR ALIVE
その言葉のように、生死にかかわらず捕らわれるのですから。


でもさすが、海軍上級クラス。
悪魔の実の能力者も多数混じってるみたいですね。
体がボールのようにバラバラになったり(バギー系の能力?)、手に触った金属をシュゥゥとボロボロにしたり・・・(酸?)

・・・って雪走ーーーーっ!!!(絶叫)

黒い柄だから雪走だと思うんですが、一瞬でくだけてしまいました。
私は(たぶん多くの方もそうかもしれませんけど)ゾロはあの3本刀と一緒に大剣豪になると思ってたので、このあっけない別れにはかなりショックを受けました。
胸がもやもやしてどうにもなりません。
何故だろうと思っていたら、某様に「相手がたいしたことない奴だから」とご指摘いただき、ああそのとおりだ!と思いました。
青キジクラスの相手なら、例えばあのロングリングロングランド島での戦いで凍らされて砕けたとしても哀しいながら、 それでも前を見据えることができるんです。
だけどホントに名もない相手にあっという間にやられて、気持ちの整理が追いつきません。
あああ、イッポンマツがゾロに託した男の思いが・・・(涙)
最も今はゾロにしたところで、雪走との別れを惜しむ余裕などなく、すぐさま敵の剣を奪って戦っています。


「ルフィが来るまでこらえろ!!」


ルフィが来たところで大きく情況が好転するとは思えませんが、でもルフィが来なくては何も始まらないのです。
全てはルフィと共に。
これがタイトルの「風を待つ船」ってことでしょうか。
ルフィ=風。
そんな例え。
風が吹かなければ彼らの船は出せません。
航海の行く先を決めるのは、どこに吹いていくのか全く予想のつかない風。
それが今彼らの乗っている「麦わら海賊団」という船なんです。
ただここで思うのは、ゾロにしてもナミにしても他のみんなにしても、 手で漕いでもいいし、他の船に乗り換えてもいい。
航海を続けるなら「風」を待たずしても、そんな別の手段も取れるということです。
そして彼らには充分その力があります。


だけどそれでもルフィという風を待つ船に乗り続けるのは、彼らにとってそれが最高に気持ちいいから、ではないですかね。
ルフィのいる船。
ルフィが率いる船。
それが大好きだから、こんな絶体絶命の時だって、ただ風を信じて待ち続けているんだな・・・と思いました。


あああ、こういうとこが大好き、ワンピース!!


ギア2も威力が落ちてきているルフィ。
「所詮貴様らにこのエニエスロビーは越えられん」
ルッチの言葉が憎らしいです。
そして世界政府の志向(これが謎ですね・・・)を、邪魔するロビンをどこまでも追って必ず消し去ると告げます。
「『闇の正義』の名のもとに」
闇の正義か。自分で言ってるよ、この人。さすがCP9です。
それに対するルフィの言葉が
「そこからロビンを逃がすためにおれ達は来たんだ!!!」
そう、
全てはロビン(=仲間)を自由にするための戦いなんです。
ただ一人のためにここまで来ちゃった、
・・・器がケタ違いでよ、船長。


ルッチの「六王銃」に倒れるルフィ、手足ががくがく痙攣してます。
どこか悲壮感すら漂う今回の戦いに、もう読んでて泣きそうです。
誰か、なんとかしてー!!


ルフィに気付いてかけよるウソップ・・・
その背後を庇いながら、何をぼーっとしてるんだ、と怒鳴るゾロは見ました。
仮面を外し、「ルフィ〜〜〜〜!!」と叫ぶウソップの姿を!!


ウソップが仮面をとりました。
ルフィに逆らい自ら船を下りた彼です。
誇りと称しながら、実はそれがつまらない意地や見栄だったと気付いていたのかもしれません。
再び一緒に戦うことにはなったけれど、やはり「誇り」が邪魔をして、仮面を被らずにはいられなかった。
でも、目の前で倒れたルフィにそんなあれこれは全て吹っ飛んじゃったんですね。
残ったのはただルフィが好きだって思い。
いいんだよ、それで、と言ってあげたい。(涙)
だって、麦わら海賊団で一番大切なのはその気持ちだもの。
あああ、涙で紙面が見えません。ぐしぐし。


さて、今回キーなのがサンジの動向です。
「どこ行きやがったこんな時に  あのバカコック!!」
戦い開始直前にサンジは忽然と姿を消しました。
戦ってる描写は一切ありません。


きたよ。


ミスタープリンスが、エネルの船での出来事があれこれと頭を過ぎります。
サンジの戦いはゾロやルフィとは違って、搦め手からいくこともアリなんです。
それでみんなが無事ならOK。
そんな柔軟な思考にどれだけ救われたことでしょうか。
今回も期待してますv  ・・・ホントに大丈夫だよね?(失礼な発言)

2006/09/12




427話 「ここが地獄じゃあるめェし」


ココロさんの「人魚伝説」以来タイトルには注意している私です。
さて、今回は一体どこで使われるでしょうね、ふふふ。
その前に扉絵。
予想通りガンフォールさんとピエールとパガヤさんでしたが、あっそうか、じいさん仲間はもう一人いたんだった。
若者は若者らしく、年よりは年寄りらしく、それぞれ楽しそうにやってる空島です。安心しました。


ではでは本編に。


「ルフィ!!お前何やってんだよォ!!起きろー!!」


前回の続きでウソップが叫んでいます。
みんなは海軍も思わず感心してしまうほど見事な戦いっぷりを見せてるんですが、すでにウソップの意識は海軍ではなくルフィにだけ向けられてしまっています。
ウソップの背後を庇いながら、「ウソップ」と呟くゾロがああ愛しい。
だって、ウソがルフィと戦ったときも船を下りてったときもゾロは何も言わなかったじゃないですか。(だよね?)
あの時はなんだろう、ウソの男の意地を尊重してあげたのかな。
ゾロはどっちかというと「去るものは追わず」タイプだと思います。相手の考え抜いた判断ならあれこれ言ったりしないの。
ウソがそげキングで通すつもりだったらそれに付き合ったでしょうね。実際先週は「そげキング」って言ってましたし。
でもウソが自分の意志でルフィに声をかけたなら、ゾロは全力でそのウソップの背中を守る、そんな辺りの男気が、ああ、たまりませんvvv


ウソの声に
「お前・・・来てたのか・・・!?」   と気付くルフィ。
どうかな〜と思ってたんですが、やっぱりそげキング=ウソップとは気付いてなかったんだ(微笑)
傷つき倒れたルフィに声をかけたウソップ。
普通ならここで、ウソップが死ぬなとか頑張れとかルフィに声をかけて、それに力を受けたルフィが「うおおおーっ」とばかりに立ち上がる、 そんなところでしょうか。
でもこの作者はあの尾田っちです。ムーンサルト並みに捻ってきます。


「お前の顔なんか見に来たわけじゃない」
(ここで、刀をまじえながらも「・・・ったく!」と呟くゾロ。「いつまで意地張ってんだ、てめぇは!」ってとこですかね。ってことはゾロは、 「頑張れルフィ!」みたいなベタな展開を期待してたと・・・?)


「来いボスネコ!」
「やめろ、殺されるぞ!!」
「じゃあおまえに何ができるってのか!?」
「コイツはオレがブッ飛ばすんだ!!」
「だったらすぐに立てよ!!」

「ここが地獄じゃあるめェし!!お前が死にそうな顔すんなよ!!」


どこまでも意地を張りながら、でもすごく近くにいる二人。
ウソップがボスネコと戦いたいわけないじゃないですか。
お得意の「嘘」に決まってます。
でも今回ウソップはその嘘を突き通しました。
ルッチが睨んでも、ルフィが怒鳴っても、最後まで怯みませんでした。
そしてウソップの「嘘」によって、結局ルフィは窮地から救われたんです。
上手いことのせられて、心からの叫びに背中を押されて、
そうしてルフィは立ち上がりました。(今書きながら泣きそうな私)


ここは地獄じゃないんだから。
まだ皆生きているんだから。


「勝って!!!みんなで一緒に帰るぞ ルフィ!!!」
「当たり前だ!!!」


ロギア系の相手と違って実際殴れるにもかかわらず、こんなに苦戦するんだからルッチはかなり強いんだと思います。
純粋な力対力のぶつかり合い。
最近の相手は砂だの電気だのだったのである意味とても新鮮でした。
「六・王・銃」てのは内臓にものすごく衝撃がいきそうですね。
ナルトにでてくるネジやヒナタの柔拳みたいなものかと私は思っているんですが、どうでしょう?


最大の六王銃を食らってもなお、立ち上がるルフィ。
その目は全然負けてません。
ここでルフィの頭に浮かぶのはロビンのことです。
青キジの一件から始まって、自ら「生きたい!!」と叫んだロビン。
ここでルフィが負けてしまったら、それこそ「厄介な女を抱え込んだ」と言った青キジの言葉が本物になってしまいますし、 ロビンはルッチに始末されてしまいます。
だからルフィは絶対に負けられないのです。


船長としての思いを力いっぱい込めた「JET銃乱打」で、ついにルッチを倒したルフィ!
「一緒に帰るぞォ!!ロビン〜〜〜!!」
船長もう一度呼んでくれました。
そりゃロビンも嬉しいですって。
絶体絶命の危機はまだ見事に続行中ですが、すでにこの段階でロビンは完全に救われてますね。よかった。


あとはサンジくんの頭脳的な作戦によって海軍の船は一気に壊滅し(ですよねっと大いに期待中。どうやってするかなんて知りませんが。)、 それでも残った奴らが追おうとしたとこに青キジから正式なバスターコールの中止命令が。
とりあえず今回は脱出成功する麦わらチーム。
もちろん崖下に落ちてった巨人やフランキー一家らともうまいこと途中合流して、
よぉし、これでめでたしめでたしだvvvvv
・・・ご都合主義もここまでくればたいしたもんです、私。(恥)


倒れたルッチの背中にハットリが飛んできて鳴いてたので、
え、もしかしてコイツがラスボス!!??と焦ったのは私だけですか?
末娘もこの後まだハットリと戦うのかと思ったそうなんですが。


そしてウソップノイズは海軍の中佐以上のクラスの相手にも有効であることが証明されました。
ビバ、ウソップノイズ。
私もダメですね、あれ。


2006/09/20




428話  「帰ろう」


いきなり本編感想からいきます。
今週は拙宅の感想もかなり気合が入っています。
月曜夜に更新してるあたり、銀子の鼻息を感じ取ってください。


ついにルッチを倒したルフィ。
「ヒヤヒヤさせやがって」というゾロのほっとした顔が可愛すぎ!!
状況が状況だからと今までずっと我慢してたのが、思わず出ちゃった感じ(笑)
ルフィのことが心配でたまらなかったと、全国紙で暴露してしまった額の汗ですv
大喜びの一同。
そしてさらにそこに正門前で仕留められたはずのザンバイたちの声が・・・!
あのときパウリーがつかんだ電伝虫を通して響いてきます。
特筆すべきは巨人族2人すら支えながら、決して切れないガレーラ特製ロープでしょう。(笑)
おかげで全員無事でした。
「逃走手段もあるので大丈夫」だそうです。
何でしょう、ロケットマンは壊れちゃったと思うけど・・・??
ああ、でも予想してたとは言えホントに良かったv
フランキーも一度絶望していただけに号泣です。涙もろいからね。
ゾロの「ああ・・・!!本当によかった!」がまたいいんだな。
あまり「よかった」なんて口にしないゾロだけに、ホントにそう思ってるんだってのがわかります。
「だがお前が死んじゃ意味がねェ」ってのもまたゾロらしいv
もちろんフランキー兄貴に異議あるはずもなく、すぐさまスイッチオン!!
海軍との戦いにもさらに熱が入るってもんです。


さて、ルフィが勝利した今、あとは護送船に乗り込んで逃げ出すだけなのですが、肝心のルフィが「致命傷の色濃く」動きません。
えええええっ!!??
ギアの反動でしょうか。本人も困ってますが全然体が動かないみたいです。
うあああああっ、どうするんだーーーーっ!!!(うるさい)


ナミはルフィを拾うつもりで船を回そうとしますが、そのとき砲弾を受けて護送船は破壊されてしまいました。
じりじりと絶望感が麦わら一味(&読者)を追い詰めていきます。
どうするのよ、船は「あの一隻しかない」ってのに・・・。
何度も何度も尾田っちに、護送船=脱出船と刷り込まれましたからね。
単純な私は何の疑いもなく乗っかってハラハラしています。
我ながらホントにいい読者だと思います。


護送船に乗っていたココロさんやチョッパーたちはサンジが助け出してくれました。
あれ、サンジはみんなを助けに行っていたのかな?
「ちょっとヤボ用で」
ってセリフも、私は何か別件で動いていて、 その帰りにたまたま砲撃された船からココロさんたちを助けたように受け取ったのですが、どうなんでしょう。
先週も書きましたけど、サンジのことだから海軍の軍艦を一挙に追跡不能にしちゃうような逃走手段の画策に走り回ってるんじゃないかな〜なんて。


それはともかくも海軍の包囲網は徐々に狭まってきます。
ついに橋は無くなり、第二支柱の上に全員追い詰められてしまいました。
離れた第一支柱の上には動けないルフィ。


ではゾロルスキーの皆さん、準備はいいですか。





「ルフィが危ねェ!!!



せめてこっちに・・・・!!!」











うわ━━━━━━━━ !!!!!




なんだか叫んでばかりですが、今の心境はまさにこれ。
だってルフィのことでゾロがこんなに必死になってますよ!
顔中に斜線走らせて、汗もだくだくで、ついさっきまでフランキーに「ああ・・・よかった」とか、ウソップに「・・・ったく」とか冷静に 呟いていた面影はどこにもありません。
ローグタウンでの処刑台の時と同じ、マジにルフィの命の危機を感じたみたいです。
だからもうなりふりかまわず「せめてこっちに・・・」なんて言っちゃってます。
こっちに・・・。
こっちにきたら何?
オレが絶対に守るのに、ってとこですか?
またあんたは公衆の面前で臆面も無く・・・(見てるほうが恥ずかしくなってきました)。


ゾロはもちろん、みんなも必死に叫びます。
ルフィ、立って!と。
ルフィ自身もさすがにヤバいともがくのですがどうにもならない、そんなとき。
ウソップは「声」を聞きました。
ウソップだけじゃありません。ルフィも、ゾロもナミもサンジもロビンもチョッパーも。
7人だけに届いた「声」。


そう、彼らの仲間はもう一人いたんです。

「海へ飛べー!!」

ウソップが叫びます。
下へ飛べ、と言う声はルフィもチョッパーも聞こえたみたいです。
(ゾロにももちろん声は届いてたんでしょうが、その内容は聞き取れなかったみたいですね。 ルフィを海へ落とそうと言ったウソップを「バカ野郎!!」って怒鳴ってます。
大事な船長の危機を前にしたその気持ちはわかるけど、少し落ち着け、ゾロ!!)


「まだおれ達には仲間がいるじゃねェかァっ!!」
そうです、教えてあげて、ウソップ。


ロビンの手によってルフィは海へ。
海へ。
海へ。
みんなも叫びます。それはもう嬉しそうに。


もう私にも聞こえました。
ルフィたちのもう一人の仲間の声が。
チョッパー以上に涙やら何やらがだばだば出てきてます。


「帰ろう、みんな  また・・・冒険の海へ!!」


ああ、この旗は。
この姿は。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(ただいま鼻をかんでますのでしばらくお待ちください)


支柱が崩れるより一瞬早く、みんなは海へ飛び込みました。
冒険の待つ海へ。
そして彼らの家であるメリー号に「帰る」のです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(すみません、また鼻かんでます)


メリーがカクによって海へ放り出されたのは359話「ビンゴ」の回でした。
それからメリーがどうなったか、尾田っちは一切明かしませんでした。
最初はあれこれ憶測をしてた私ですが、恥ずかしながら最近は正直なところ「そういえば・・・」くらいにしか思っていませんでした。
次々と襲い来る展開を仕掛けてきたCP9の、いえ尾田っちの策略に見事にはまってしまったと言えます。
そして、最高のタイミングで尾田っちは麦わら海賊団(と私たち)にメリー号を返してくれました。
もしかしたらこれが本当にメリーの最後の航海になるのかもしれません。
カクは船大工の仕事にも手を抜かなかったそうですからね。
それでもきっとこれは彼らにとって最高の旅となるはずです。
たとえ海軍に追われる最悪の状況だとしてもね。
そんでもってまた私は泣かされるんです、メリーと尾田っちによって。
今からティッシュを買い込んでおくことにします。


最後に扉絵。
おや、短期集中連載が始まりました。
「あの人は今・・・」は空島の様子を描いたあの3回で終わりだったんですね。
今回の主役はあの人。
捕らわれるでもなく逃げ去るでもなく、一番曖昧な形で終わったラスボスでしたが、もうこれ以上はいいと思っていました。
好き嫌いというより、イっちゃった感が強すぎて痛かったから。
そんなヤツを尾田っちはどう続けてくれるのでしょうか、それはそれで楽しみにしたいと思います。


2006/09/25




429話  「完敗」


今回も本編感想からいきます。
ええ、盛り上がってますよ、私。


奇跡のメリー号!!!
その煽りどおり、まさに奇跡としか思えない状態でルフィたちを助けに来てくれたメリー。
「どうやって潜り込んだんだ、この軍艦の艦隊の中!」
その疑問は最もです。
軍艦に比べ小柄なメリーですから気付かれなかったんだと思うんですが、なんとなくファンタジーな理由がありそうな気もします。 あ、気がするだけです。
先週からこっち、ファンタジーな展開が続くメリーについて、感動する一方でやはりそれでいいものかあれこれ考えてしまったのですが、書いていてそんなの今はどうでもいいと気付きました。
必要なことならいずれ尾田っちが明らかにしてくれるでしょう。
今は大切な「仲間」が迎えに来てくれた。
そして麦わら一味のみんなが「家」に帰れた。
もうそれでいいんです。
だって当事者じゃない、読んでるだけの私までがこんなに嬉しいんだものv


海に飛び込んだみんな。
手前で「ぷは」と出てきてるのはサンジですね。
先週ゾロの後から(まるで蹴り飛ばすように)飛び込んだ姿を見ましたが、まだゾロはドボォンと頭から着水中。
この速度差から察するに、たぶんサンジは思いっきり勢いつけて飛び込んだのではないかと思われます。
確か落下速度は重さ(ここでは体重)が違っても一緒だから、加速をつけたかどうかが差になるんじゃないかと思うんですよ。・・・なんて生半可な知識で書いて大丈夫かな・・・。違ってたらすみません。
とにかく、それくらいサンジは嬉しかったということで。うんうんvv


メリーが生きていたと再会できた喜びに涙するウソップとチョッパー。
ここにメリーがいることを不思議に思うフランキーとナミ。
そんな中、
「急げ!!」とチムニーを船に引っ張り上げ、
「そんな話は後だ!指示を出せ、ここを抜けるぞ!!」
と、ひたすら先を急ぐゾロ。
なんなの、一人この焦りっぷりは?
確かにピンチな状態ではありますが、メリーですよ!
あの「もうダメだ」と宣言されたメリーがいきなり現れて救ってくれたんですよ。
驚くとか喜ぶとか、顔に出さなくても何か思うところはあるでしょうに、なにがあなたをそんなに駆り立てているのですか?
あ、そういえばサンジも騒いでいません。
船べりに座って落ち着いてます。
読み返してはっと気付いたんですが、このコマの彼はもしかして自分のヤボ用の結果を見届けようとしているのでは・・・?(ただ単に座ってるだけかもしれないけど)


ルフィは海まで運んでくれたロビンに礼を言おうとしますが、その口は咲かせた手で塞がれてしまいます。(ここのロビンがまた可愛いんですv)
ロビンの脳裏に浮かぶのは、「あとはおれ達に任せろ!!」と手を差し伸べてくれた仲間たちの姿。
そして

「みんな ありがとう」

もう何も邪魔するものはありません。素直にこの言葉を口にするロビンです。
今回一番泣けたシーンでした。
だってずっと素直になりたかったと思うんですよ。心からみんなと一緒に笑ったり楽しんだりしたかった。 でも自分の負う闇を恐れてどこか一線を引いていたロビン。
ようやく今、そんなのがぜーんぶ吹き飛ばされてホントの仲間になれた。
ルフィが言う前に、自分からみんなにありがとうと伝えたその健気さに泣けました。
そして、このときのロビンは後姿で顔が見えないんです。
どんな顔で言ってるんだろう。それを思ってまた泣けました。
よかったね、よかったね、ロビン・・・(涙涙涙・・・しばらくおまちください)




失礼しました。ぐすぐす。
そんなロビンに「気にすんな」と笑う船長。
ししし、ですよ。
参ったなあ・・・。コレやられたら本当に気にしないでよくなっちゃうだもん。
みんなを傷つけたこととかこれからのこと、ロビンの立場なら絶対気に負ってしまうんですが、 そんなの全て笑顔で吹き飛ばしてくれる船長・・・、いい男ですねぇ・・・惚れ惚れ。


「んなくだらねェこと言うのはここ逃げ切ってからにしろよ!!」
じんわりしみいる感動シーン、いきなりその腰を折る某剣士。
どうしたの、ゾロ?照れ隠し!?
いや、これは照れ隠しじゃないですね。マジです、目が。
ロビンの思いに水をさしたということで、まあ当然サンジの蹴りがとんでくるわけですが、今回チョッパーまで噛み付いるのが笑えます。
そんないつもの光景に、くすと笑うロビンv


さて、当然海軍も黙ってるわけがなく、いまやほとんど原形をとどめてないスパンダ(笑)は青キジの名を偽ってまで砲撃命令を出します。
どう見たって回避不可能。絶体絶命。
しかーし、ここでサンジのヤボ用がいきてくるのです。
正義の門を閉めていたサンジ。
それによって再び渦潮が生まれ、軍艦は照準を合わせることもできないのです。

サンジ、あんたすごいよ!!!

「根性だけで逃げ切れる敵じゃねェだろ?」(にっ)


そう、私はサンジのこういうトリックプレイを待っていたのです!!!
あああ、一挙に軍艦をどうにかしてくれちゃいましたよ。
ルフィやゾロは根性で逃げ切ろうとするタイプですからね、良くも悪くも。
それをフォローするのがサンジでありウソップだと思うのです。
ありがとう、サンジ。さすがだ、サンジ。


天才かーとルフィもウソップも大絶賛ですが
「喜んでばかりいられねェ」
また水をさす剣士。
冷静に事態を見てるといえばそうなんですが、なんだろう、今のゾロって非情に焦ってるように感じます。
・・・・・・・・・・・・
もしかして、今はルフィが動けないから?(おやまたフィルターですか、銀子さん)
せめてこっちへ、なんて思わず口に出してしまったくらいですからね。
ここはなんとしてもルフィを守りきらなきゃいけません。
きっと頭の中はそれでいっぱい。安全な場所に行くまで落ち着かないんでしょう。
ああ、そうなのか。ゾロ、あんた可愛いねぇ・・・(微笑)


おれ達もやばいなんて焦るゾロですが、忘れちゃいけません、ここには渦潮以上に最強の航海士がいるんですよ。
「おだまりっ!あんた達」
でました、ナミ姐さん。男前すぎますvv
「私達が乗ったメリー号に越えられなかった海はないっ!!」
海はもちろん空も越えてきました。
私たち読者の胸にもいろんな思いが去来します。


ナミが渦の軌道を読むまで、他のみんなは船を守ります。
とんできた砲撃。
・・・・・・・・・・・・・・・ルフィで跳ね返してますよ・・・。
ナイスコンビネーション、ルフィ&ゾロ&サンジ!
言葉もアイコンタクトすらもなく、こういうことをツーカーでやってのけちゃう3人組が恐ろしくも素敵過ぎv
ルフィ、「どへうっ!!!」とか変な声出してますが大丈夫なんですかね・・・。(ルッチとの戦いで内臓ボロボロだと思うんですが・・・)
Vサインを出すゾロとサンジ、そして向こうでルフィもまたしっかりVサイン・・・。
まさに鬼です。やることも、その頑丈さも。
それにしても、ゾロは誰かがルフィをボロボロにするのはものすっごく嫌なくせに、自分がする分には構わないんですね。
ええ、そんなゾロも好きですよ、すみません。


「見えたわ、勝者の道・・・!」
ナミの目がきらり。もう決まりですv
そして傍で喚くスパンダをクラッチで沈めたロビン。
もうこれで本当に終わり。すっきりしました。
最も今のロビンは、スパンダごときにわざわざクラッチとかしたくもなかったんじゃないですかね。
今更あんな三下を相手にするのなんて馬鹿馬鹿しいし、殴る手が勿体無い。
でも、まあここはケジメとして一発きめといてやろうか、そんな感じかもしれませんね。


さ、スパンダに借りは返したし、あとはとっとと逃げ去るのみです。
フランキーの風来砲(それにしてもアニキはすっかりこの一味に馴染んでますね)、
あーんど、ウソップの超煙星(すごい威力だ・・・)により見事に海軍を巻いたメリー号。
フランキー一家にソドムにゴモラ、ガレーラ3人衆に巨人の2人もパッフィングトムで無事に脱出しました。
トムさんの残してくれた海列車は、こうしてまたたくさんの希望を運んで海を渡るのです。 ああ、なんかいいなあ・・・。


全てが過ぎ去ったエニエス・ロビーには青キジが来ていました。自転車で。
どこ行くにも自転車というところに親近感を覚えますが、そんなことはまあさておき。

「この一件は、我々の完敗だ」

青キジの真意はいまだに読めません。
何故彼がスパンダごときにバスターコールの権限を与えたのか(スパンダの嘘でないならですが)。
そして彼の正義と、必ずそこにぶつかってくるロビンの存在。
青キジは結局のところ、麦わら一味をどうしたいのか。
読めない分、楽しみでもあります。
ただし、そんなこと今はどうでもいいです。

今回はこのフレーズを多用してますね、私。


だってね、ほら見てください。
ルフィはメリーの船首、いつもの特等席に乗りました。
ありがとう、メリー、って抱きしめてますv
彼らがエニエスロビーにしてかしたこと、なんたって世界政府の旗を撃ち抜いちゃったんですからね。
それを思うと安穏としてなんていられませんが、
「取られた仲間を取り返しただけだ!!」
そう、ルフィに取ってはただそれだけのこと。
相手がそこらのチンピラだろうが、世界政府だろうが、関係ないのです。
大切な仲間を取り返した。
誰一人失うことなく、また皆揃うことができた。
これ以上のことなんてありません。

「このケンカ、おれ達の勝ちだァ!!!」

あれだけのことを「ケンカ」と言い切る彼らが素敵すぎですvvv


このあとはウォーターセブンに戻るんですよね。
そしてメリーは・・・?
私はこの脱出行がメリーの最後の航海だと思っています。
その後のメリーの運命はわかりません。
メリー号との完全な別れを経てルフィたちは新しい船を手に入れるのか、
それとも優秀な船大工たちの手によってメリーは新生メリー号として蘇るのか。
そして何より、今まではそれどころじゃなかったんですが、ウソップのこと。
一度船を下りた彼です。
それを許可した船長です。
これをうやむやにはできないと思います。
彼らがどんな形で決着をつけるのか。
そしてゾロがどんな風に見守るつもりなのか。(と、無理やり登場させるところに健気なファン魂を感じてください)
ええ、とにかくあれもこれも、なんでもかんでも続きがすごく楽しみなんです。
こういうエピローグめいたことってものすごく面白いじゃないですか。
シリアスな戦いの最中には入れられなかった萌えどころもガンガン膨らませられますしねv(それかい)


2006/10/03




430話 「降りそそぐ追想の淡雪」


いつも思うのですが、尾田っちはタイトルのつけ方が本当に上手い。
それ以上でも以下でもないものを、絶妙の間でびしりと置いてきます。
今回のタイトルもきっと歴代のタイトルのベスト3に入ることでしょう。
ああ、もうこの文字見ただけで泣けてきそうです。うるうる。


順番に書いていきましょう。
無事にエニエスロビーを脱出したメリー号。
一段落して我に返ったらしいウソップがそげキングに戻ってしまったために、「ウソップしらねェか」とおろおろするルフィとチョッパーです。
え、ちょっと待って!
なんとチョッパーがルフィを肩車しています!
チョッパーといえばゾロやサンジの上にちんまり座っているイメージが強いので(あれ、サンジに肩車されてたことありましたっけ? 確認してないんですがもしかして私の妄想かな?)、この大きさの比にはびっくり。
ゾロといるとまるで幼子のようなチョッパーですが、ルフィといるとほとんどタメじゃないですか。 まるで錯視のようです。 (参考:エビングハウスのオレンジ錯視 http://www.geocities.jp/opt_inaba/ill_ebbinghouse_circle.html(コピペでどうぞ))
もう船長可愛いなぁvvv


そげキングとしてルフィと会話するウソップ。
それにイラついたように蹴りを入れるサンジ。
もどかしくて腹立つんでしょうね。でもあくまでもウソップの意志を尊重して正体をばらそうとはしません。


ええ〜〜〜とウソップのいないことを心から残念がるルフィとチョッパー。
それをみて「何を持ってウソップと認識してるんだ」と不思議がるゾロ。
ウソップとカクを「鼻の形」で見分けたゾロです。こんなに「鼻」は丸見えだってのに、何故ウソップと認識できないのかそりゃあ不思議なんでしょう。そんなあんたもどうかと思いますが。


穏やかな序章です。
私たちも脱出した安心感と相まってほのぼのとした気分にさせられます。


一方メリーから聞こえた「声」についてもそれぞれのとらえ方が表されてます。
とにかく目の前にあることを、ただそのまままっすぐに受け止めるゾロは「船が喋るわけない」と一刀両断。
現実主義者のナミももちろんそうだと思いつつ、でも心のどこかでもしや・・・と思っています。(だから船内を確認したのね)
「カン」に生きる船長は動物並の嗅覚でメリーだと信じて疑いません。
子供のように純なチョッパーもルフィの言葉をまるまる信じます。
心当たりがある(クラバウターマンね)ウソップとフランキーはやっぱり・・・とでも思っているのでしょうか。


そんなところへ現れたのが、ガレーラカンパニーの船。
アイスバーグさんを先頭にガレーラの船大工達がそれはもう大きくて豪華な船で迎えに来てくれました。
「世界政府相手に・・・本当に何もかも奪い返してきやがった・・!!」
ええ。奪い返してきましたよ、宣言どおりにね。
仲間はもちろん、夢も野望も、一度負けた悔しさも、
全てをぶっ飛ばして、その手の中に取り戻して来たルフィたちです。
世界政府に従うことで自らの戦いを続けてきたアイスバーグさんにとっては、驚きであり羨ましくあるに違いありません。


そんな迎えを見て、ほっとしたかのように・・・。


ガタン、と前甲板から割れるメリー号。
大切な仲間だと、なんとかしてくれと、縋りつくように叫ぶルフィにアイスバーグは静かに答えます。
「だったらもう眠らせてやれ」と。


カクの手によって大嵐の海に放り出されたメリーは廃船島に着いていました。
ロケットマンを見送った帰りですかね。通りかかったアイスバーグはそこでメリーの声を聞くんです。
もう一度だけ走りたい・・・という、切なる声。
雨に打たれ、まるで泣いているかのようなメリーの顔がまた涙を誘います。(そろそろハンカチをご用意ください)
その声に突き動かされるかのように、アイスバーグはメリーを修理します。
もうこの船はダメだとルフィにはっきり最後通牒を突きつけたはずなのに。
直るはずも走れるはずもない船だとわかりきっていたはずなのに。
アイスバーグはそこに何を見たんでしょう。


クラバウターマンの存在をウソップに語ったフランキーはとても穏やかに感じました。
船を愛し愛される、そんな関係を本当に嬉しそうに語っていました。
それこそが伝説の船大工トムさんから受け継いだ心意気だと思うのです。
それはもちろんアイスバーグにだって受け継がれているはず。
だからこそ、最初は憎らしいほど簡単に見限った船にアイスバーグは手を貸したのです。
ありがとう、と聞こえるはずもない船の声に振り向けば、その船はたった一人(あえて「一人」と書かせてください)で 嵐の海へ出航した。
アイスバーグがその行く末を見届けたいと思ったのも無理ないことかもしれません。


あるいはメリーの最期を修理したその手ではっきりと感じ、ルフィたちに自らの口で伝えたかったのかもしれません。
どんなにメリーがすごい船だったか。
そしてどんなに彼らを愛していたか。
ということを。(さあだんだん涙で前が見えなくなってきました)


日記でも書きましたが、このくだりが今回一番泣けて仕方ありませんでした。
「俺は今・・・奇跡を見てる。・・・もう限界なんかとうに越えてる船の奇跡を」
「俺はこんなにすごい海賊船を見たことがない。見事な生き様だった」


もう一度書きますが、アイスバーグはこのW7編の最初、メリーに対し実にあっさりと見限ってくれました。
船大工だから当然だし間違ったことを言ってるわけじゃないんですが、
船の寿命だ、いい機会じゃねぇか、新しい船を買っていけ、
メリーは仲間なのになんてことを、と私たち読者もルフィと一緒に腹が立ったと思うんですよ。
そのアイスバーグがですよ、今までの彼らの冒険なんか何も知らない彼がですよ、
船大工としてメリーに対し心からの尊敬の言葉を口にしてくれたのです。
もしかして尾田っちはここでこのセリフを言わせるために、最初アイスバーグにあんな辛らつな態度をとらせたのでしょうか。だったらホントにすごすぎる、ゴッド尾田。


たぶん現在世界一の腕を持つ船大工のアイスバーグがこう言ってくれたからこそ、メリーと別れることができるのだと思います。
わかった、とルフィは頷きました。


そしてメリーの最後の旅立ちです。
自らの手でメリーに火を放つルフィ。
「海底は暗くて寂しいからな、おれ達が見届ける」
このセリフにまた号泣ですよ。
コマのあちこちにメリーの顔が映るんです。
しかもいつもと変わらずのんびりと笑ってるの(うわ〜〜〜ん)


「ウソップはいなくてよかったかもな・・・あいつがこんなの耐えられるわけがねぇ」
ルフィの言葉をどう思うと、本人に問いかけるゾロ。
そんな事ないさ・・と答えるウソップがまたいいのです。
確かにW7に入ったばかりのころだったら泣いて拒否した彼かもしれません。
でもフランキー一家とのいざこざから始まって世界政府との戦いをくぐり抜けてきました。 物語上はわずか数日のことですが(笑)、彼の中でも何か変わったと思うんですよ。
フランキーからクラバウターマンのことを聞きました。
エニエスロビーでそれぞれが自分にできる戦いをすればいいのだと知りました。
実際彼はその狙撃の能力で立派な英雄になれました。
今のウソップは自分の足できちんと立てています。


そして何よりも、これは傷ついた仲間は不要だからと切り捨てる行為ではないと、ウソップにはわかっています。
以前それを口にしたときは、劣等感が言わせたのかもしれません。
傷んだから乗り換えるといわれたメリーに、役に立たない(と思い込んでた)自分を重ねてしまっていたような気もします。
でも、今のウソップはメリーの思いもルフィの思いもきちんと受け止められるほどに成長したんです。


だから彼らは皆で静かにメリーに別れを告げます。
メリーを燃やす炎が上がった空から、ふわりと淡雪が落ちてきます。
それは雪というよりメリーの思いのようでした。
その一つ一つに、今までの思い出がこめられています。
皆が雪と炎の中に、たくさんの思いを見ています。
たった一人、いやあんたそれは・・・とツッこみたくなる個人的な思い出を見てる人がいましたが。 (どこまでゾロルが好きなんですか、尾田っち)


あれはメリーとの思い出というより、ルフィとの思い出です。
なんだよーゾロー、と絡んでくるルフィがものすっごく可愛いわけですね、はいはい。
こんな涙涙の中に、しっかり笑わせてもらいました。
そんなあなたが大好きだ、ゾロ。


燃え落ちていくメリー。
そこに聞こえてくる声・・・。
今度ははっきりと、その場にいた全員に聞こえます。


「ごめんね   もっとみんなを遠くまで運んであげたかった・・・」
ここでそれを謝ってくるのか、メリー・・・。(再び号泣)
最近では珍しく、ルフィもぐしゃぐしゃになって泣いています。


「ごめんつーならおれ達の方だぞ、メリー!!」
そこで叫ぶことにすら、メリーへの思いがたくさん込められていてウソップでなくとも体中の涙流しつくしそうです。

「だけどぼくは幸せだった」

そんな言葉をもらえたルフィたちもきっと幸せだったと思います。


メリーとの別れは悲しいけれど、これ以上のものはなかったかもしれません。
船大工に作り直してもらうとか、船首だけ残すとか(そんな話も書いたような・・・:恥)、そんな中途半端なことを尾田っちは選びませんでした。
炎の中にメリーを眠らせることで、却って全ての読者に強烈に焼き付けさせるあたりが、さすが神。やっぱりただもんじゃありません。
だってあの瞬間、メリーは誰にとっても「船」じゃなくて、ルフィたちの「仲間」になったんだもの。


下唇をかんでじっと耐えるウソップ。
大泣きするナミ。航海士としてメリーへの思いはウソップとは違った意味で彼女ももってたはず。
ただ黙って前を見るゾロ。また違う思い出を見てるのかなんて勘ぐっちゃいけませんて。
泣きじゃくるチョッパー。メリーが大好きだったもんね。
ロビンの目にすらうっすら涙が光ります。乗ってた日は浅いけど、メリーはロビンにもたくさんのものをくれました。
煙草をふかすサンジ。その下には涙が光ってるのでしょうか。
フランキー号泣。アニキは涙もろいっすからね。
チムニーたちももらい泣き。


そして、ルフィ。
メリーが大好きだったルフィ。
初めての海賊船。初めての自分たちの船。
・・・・・・もうその思いを私ごときが推察することはできません。
今はただ彼と一緒にこの別れに泣いていようと思います。


きっと次号にはまたしっかりと立ち上がってくれるだろうから。
(でもひょっとして休載!?それはないだろ〜〜〜〜〜)



2006/10/10




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