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568話  「勝手にしやがれ」


このタイトルで壁際に寝返りとか言うと年がばれます。
はっきり言うと小学校の卒業式で流れました。ええ、そんな世代さ。


扉絵はゾロ。
ライオンを捕獲中ですね。彼にしては結構必死な顔しています。
なんだ、何をしでかしたんだ、この子は。
(柵の影に見える酒徳利に)…盗まれたとか?だとしたら隙だらけだぞ、剣豪。


本編。
いよいよ伝説の海兵、じいちゃんガープの登場です。
でも「名前に踊らされるな、ただの老兵だ!」と白ひげ。
この人はちゃんとわかっています。
伝説と呼ばれるガープも、そして自分もすでに老いていることを。
かつてほどの力は無く、そこに若い力の付け入る隙だってあることを。
赤犬ももちろん攻撃を仕掛け、街中は入り乱れての大混戦。
それを見下ろすエースが項垂れています。
少し前にいろいろと吹っ切ったはずなのに…。


思うのは過去。
幼いながらもエースは、ギザギザハートの子守唄。どこか疲れた、そして触れるもの皆傷つけそうな目をしています。 そして町の不良に(と言うかこれフーシャ村のある島ですよね?結構大きな町があるんだと妙なとこで感心したり。 じゃあルフィも小さい頃エースとお使いに町に行ったりとかさぁ…←妄想中)、どうやらロジャーのことをたずねたみたいです。
でも返ってくる答が、「世界最低のゴミ」「クズ野郎」「生きてても死んでも迷惑」「生まれてこなきゃよかった人間」
まぁ一般人(たとえ不良だとしても)にしたら相手は大海賊時代の原因を作った張本人、世界最大の悪人ですからね、 それも仕方ない反応だと思います。
他の人間に尋ねても同じ反応で、そのたびにエースは相手を半殺しにしていたようです。かなり荒れて荒んだ 子供時代ですね。
でもここで気になったのが、何でこうも多少裏街道を歩いていそうな顔つきの人ばかりを選んでいるのかなと。
一般人には近づき辛かったのかも知れませんが、子供なんだしやろうと思えば不可能ではないでしょう。
もしかしたらエースは、コッチ系の人種ならあるいはどこかでロジャーを 称える言葉もきけるのではないかと子供心に考えた…そうは思えませんかね。
言うまでも無くエースはファザコンです、しかもかなりの。
「父」という存在を非常に憎み、憧れています。
自分と血の繋がるロジャーの存在を否定しつつすごく認めたがっています。自分は肯定できないけど、 他の誰かの口から「あいつはすげェやつだ」と聞きたかったとか…そんな風にも思えて、私はその健気さに 泣きそうになりましたよ、もう。
けれど、ロジャーを肯定する者は誰もおらず、結局それはエースの自己否定に繋がっていきます。
生まれてきてもよかったのか。
ロビンしかり、ワンピには時々出てくる問いかけです。恐らく現実でも誰しもが持っている疑問でしょう。
ちょっと疲れたとき心がそう問いかけてきます。
それを「いいんだよ」と誰かに簡単に受け入れてもらえるのってすごく重要で、 それによって自分でも疲れてよろよろの自分を受け入れ肯定し、そしてまた元気に歩き出せるんじゃないかな。
幼いエースも出自に疲れてしまったのでしょうか。
「おれは生まれてきてもよかったのかな」
子供が言う言葉じゃありません。それが悲しい。
それに対してガープは答えを与えませんでした。
ロジャーを父に持つ子供の背負った重みがわかるからでしょう。
ただ「生きてみりゃわかる」
生きろ、とじいちゃんは言いました。遠回しですが、いていいんだと肯定しています。
後に出逢うルフィと、このじいちゃんの存在が、エースに生きていく力を与えてくれたんですね。
ガープに「ジジイの孫は幸せそうか」なんて聞いて、エースは「普通」に「幸せ」になりたかったのかもしれません。 (まぁルフィも父親は結構普通じゃないんだけど)。
ルフィのあの天真爛漫さに、きっとエースは救われたんだろうな…。


はっ、今気づいたけど、じいちゃんはこんな小さい子に「お前の父親はゴールドロジャーだ」とか教えちゃったわけ?
それはいつかは言わなきゃだけど、別にもうちょっと大きくなるまで待ってもよかったんじゃぁ…。
もしかしてうっかりか。今のナシってやつか…?じいちゃん…


さて。
意識を取り戻したルフィはイワさんにある頼みを…。
そして広場では皆がエースのために戦い続けてる。
エースはそんな皆を見、声を聞きながら俯いて泣きじゃくるのです。
オヤジが弟が仲間が、血を流して倒れていくのに嬉しくて涙が止まらない。今になって命が惜しいと。
エース〜〜〜〜〜!!!
生きてきて、やっとエースにもわかったんです。
生まれてきてよかったんだと。
これだけたくさんの人間に自分は受け入れられている。やっとエースは自分の重みに気づいたんです。
もう泣けそうだよ、ちくしょうめ。
傍にいるじいちゃんの心中はいかにですよ。


広場にも動きがありました。
凍らされてたバギーは復活。マグマの海により解凍、しかもだから溺れなかったと、もうラッキーマンレベルの運のよさ。
なんだかここでのすごいキーパーソンに思えてきました。
そして白ひげ吐血!
傷というより病気、そして老いのせいですかね。
一瞬気を取られたマルコは黄猿のレーザーに射抜かれ、ジョズも青キジに凍らされ。
白ひげにも赤犬が斬りかかります。
そしてルフィ。
イワさんにテンションホルモンもう一発を要求したようです。
もちろんイワさんは拒否。
「これ以上体をダマしたら後で…本当に命を落とすわよ!」
ですよね。めちゃくちゃ怖いです。
でもルフィは引きません。
「やるだけやって死ぬならいい。戦わせてくれ。
今戦えなくてエースを救えなかったら…おれは後で死にたくなる!!」
いつでも前しか見てないルフィが死にたくなるなんて言葉を口にするなんて。(前に死んでもいいとは言ってたけど)。
それほどにルフィの思いは強い。
だからイワさんももう引けません。死なれたらドラゴンに合わせる顔面が無いとか言ってたけど、 ルフィの思いにうたれたからでしょうね、ついに再テンションホルモン。
「勝手にしやがれェ!」ってね。
そしてルフィの復活です。雄たけびがこだまします。
もう何も言えません。成り行きを見守るのみです。


そしてここで年越し。
ドキドキのままですが、どうか皆様よいお年を。


2009/12/26




569話  「怪物」


信念おめでとうございます。
ああ、違う。新年だ。
何でこの字が上に来てるんだ。ワンピ感想の打ちすぎじゃないのか、私。


ジャンプ表紙のルフィが可愛いvv
袋とじを破った晴れ着姿のルフィも可愛いvv
年明けからいろいろご馳走様です。


扉絵は、ゾウと雪の中ヤキイモほくほくのウソップです。
では本編。(↑短っ)
エースに迫る刃。ついに処刑が迫ってきました。
テンションホルモンで復活のルフィはそれを目にし、走る走る。
イワさんもバチョーンウインクで目の前の邪魔者を倒す倒す(大笑)。
ルフィの目の前には殺す気でやるんだと決意のコビー。
でもまだまだそんな覚悟はできてないと見ましたがね。だってファンクラブ第一号会員だもん。
やはりというか、ルフィの一撃に沈みます。
次にはくまもどき。
ルフィをロックオンですが、そこに両手を挙げて庇ってくれたのがハンコック。
くまもどきは味方のハンコックを撃てないので攻撃中止。その隙にルフィは先に進みます。
「ありがとう、ハンコック!!」
ここでまた名前を呼ぶか。女心のツボをよく心得ています、この天然め。
一方「どけハンコック」なんて気軽に呼んじゃったくまもどきは、蹴りで一撃。
これもまた女心。可愛いなぁ、もうv


撃たれたマルコですが、再生できるのかな?
でも海楼石の手錠をかけられ能力を封じられてしまいます。そこへ黄猿のレーザー。
なるほど、忘れてましたが海軍です。当然このコンビネーションもありなわけです。
ジョズも凍らされたまま。
隊長が崩れたところへ、一斉に中将クラスが白ひげに襲いかかります。
白ひげの身体が、撃たれ、剣を突き立てられ…
騒然とする中、けれど「おれァ、白ひげだ!」
オヤジは全てをフッ飛ばします。どこにそんな力がって思うくらいに。


そしてこっからが泣ける。
「おれが死ぬ事、それが何を意味するか…おれァ知ってる
だったら息子達の明るい未来を見届けねェと、死ぬわけにはいかねェじゃねェか」


その言葉に、白ひげの部下達…ジンベエもなんですが、背中合わせになるように立ち白ひげの後方を守ります。
「おれ達はオヤジの『誇り』を守る」と。
これは…白ひげの最期を見ないようにするってことでしょうか。
せめて後方からくるヤツラにはオヤジの邪魔をさせない、その背は絶対に守ると。
私は白ひげが死ぬんじゃないかと思ってますが、 もし死んだら、ネットの掲示板とかで尾田っちが馬鹿な輩に叩かれたりしないかと心配になります。
「人の命を軽視してる」とかね。
ワンピでは滅多に死人は出ません。
ベルメールさんやくいなやヒルルクのように過去に死んだって話はわりとありますが、今の 時間軸では敵も殺したことはないし、ペルですらちゃんと生きてたし。
子供向けってのもかなり意識してるのかもしれませんね。尾田っちがというより集英社側が。
そんな大人の事情はともかくとして、白ひげは…どうなるでしょう。
私はね、親でありいい年になってきた大人だから思えるんだけど、ここでもし白ひげが死んでも 、イコール命の軽視なんてことには絶対にならないと思ってます。
むしろ命の重さを伝えてくれるんじゃないかなと。
親、そして年長者が若者に先立つのは当然のこと。
というかどいてやらないとダメなんですよ。特に白ひげクラスになったら、ばっさり消えないと誰も先に進めない。それは 誰よりも白ひげ自身がよくわかってると思います。
ただそこで、息子達の明るい未来を、って思っちゃうのがオヤジ愛に溢れる白ひげならではですね〜。
潔く消えられない。
でもそのしがみつきっぷりがまさに親心だし、ホントにカッコいいんだから困ったものです。
そのカッコよさと重みを皆に残して退場…そんな白ひげの生き様を私もまた見届けたいと思います。 同じ子供を持つ身として。ってそんな大袈裟なもんじゃないですけどね、私の場合(笑)。


とはいえ事態は非情で、センゴクの命が下ります。
エースに刀が振り下ろされました。
そしてそれを助けようとした白ひげも身体が動かず一瞬出遅れてしまいます。
もう間に合わない!!!そこへ。


「やめろォ〜〜〜〜!!」
ルフィの叫びです。
そして覇王色の覇気。
刀を構えていた海兵、そして辺りの海賊達も倒れていきます。
すごい、ルフィ!
まだコントロールはできないですが、それはまさに王の資質。
唖然とするセンゴク、エース、青キジ、イワさん。白ひげもあの小僧と、驚きを隠せません。
そんなところで今週は終わり。
年始進行のため来週は休刊ですからね、またオアズケですよ、もー;;;


2010/01/07




570話  「命の懸橋」


2010年一発目からなんとも含みのあるタイトルです。
「懸橋」。
架橋ではないんです。こちらは夢の懸橋とか言うようにちょっと比ゆ的に使われるんですよね。
ずっとそう示唆されてるように、白ひげがルフィに何かを託すのではないかと開く前からどきどきします。
隣のページの「黒子のバスケ人気投票」のプレゼント、「緑間特製コロコロ鉛筆」(すっげー欲しいです)が霞んでしまうくらいのどきどきです。


扉絵はサンジ。
テッポウウオとの的当て勝負。
サンジはこういうガンマンスタイル、銃を持つ姿がホントに似合いますv
とあるZSサイト様の日記にサンジのシャツがゾロとお揃いだと書いてあったので、改めて見てみたのですが、あらほんと(笑)。
だけどどうして彼の場合はオッサンくさくないんだ?ゾロファンとして微妙に疑問です。


ますますの盛り上がりを見せる本編です。
ルフィが発した覇王色の覇気。
その場一同が驚きを持って見つめます。
ここで気になるのが、じいちゃんの「やはり持って生まれたか」とエースの「お前も…」ですね。
じいちゃんとエース自身が持ってるかどうかは置いといて(個人的には持ってないほうがいいな)、 エースが指してるのは白ひげとしても、じいちゃんの言葉からは後の海軍やイワさんたちのセリフとも合わせて ドラゴンが同じく覇王色の覇気を持ってると推測されます。
その息子である以上、ルフィも持っていて当然だったと。
こうなるとますますドラゴンてのがどんな人が気になってきます。 まだ全くその人となりを見せてくれてませんが、ルフィと同じ資質ならやはり周りの人を引きつけて止まないのか。 イワさんがここまで懸命になるような相手ですからね。その可能性は大なのかと。
とは言え、ルフィの覇気はまだ全くの無意識。もちろんコントロールなんてできません。
そのくせ海軍に目をつけられてしまった、そんな状況です。
ここで白ひげが叫びます。身体に多くの手傷を負いながら(ううっ)。
「野郎共ォ〜〜!!麦わらのルフィを全力で援護しろォ!!!」
人の上に立つ覇気を持つ者として、そしてDの意志を継ぐ者として、この時代のその先をおれに見せてみろと。
出たか、Dの意志。
本人は違うけど当然白ひげもこのDに絡んでたでしょう。ますますもって世界を大きく動かす力だと思わざるを得ません。
その名を背負うルフィ。意志を継ぐなんて意識は当然ながらありませんが(それよりまずDが何かって意識してない)、知らず知らずのうちにその渦に巻き込まれてるんですよね。


白ひげの号令の下、海賊達が一斉にルフィの援護に回ります。
友達の友達は友達だ。
弟であるエースの弟は弟だ。そんな感じか。
イワさんも、ルフィに「世界一の海賊の心当てに応える覚悟があるのか」と尋ねますが、そんなんルフィは知りません。
それは白ひげの都合だもの(苦笑)
ルフィがここにいる理由は始めからただ一つ。
あの白ひげに認められるかどうかの瀬戸際…だってのに、そんなの関係ない。
これはなかなか言えることじゃないですよ。でもその潔さがルフィの凄さであり魅力なんだろうなv


そこに鷹の目の攻撃。
ミホークは七武海としてルフィを止めると言うより、世界一の剣豪として倒したいんでしょうね。
ゾロがルフィと本気でやりあいたいと思うようなものかもしれません。とにかくゾロの話題を出したい私を許してください。
そんなミホークの攻撃を受け止め、庇ってくれたのが、壱。
「社長命令だ、一旦海軍を敵とする」
うわぁ…あんなツンツンだったのに、社長命令で一転か。
この人もアレだよね、思考や行動はゾロに近いかと。
敵だろうがどんな状況だろうが社長命令には忠実。アンタどんだけクロコが好きなんだ。
ここで社長命令という単語に船長命令が重ね、私が遠く思いを馳せるのは当然です、ふっ。
でも相手はミホークですからね。
ズバッとやられてしまった壱に代わり、今度はクロコ自らがミホークと剣を合わせます。
「今…虫の居所が悪ィんだ、気ィつけな、鷹の目」
あんたの虫の居所の良いのはどんなときだ。いつもそんな目つきしてるくせに(笑)。
まァ彼にも白ひげ絡みで思うところは多々あるんでしょう。おお、壱がクロコに反応してる。大事な社長だもんなー(と萌える(笑))。


そしてハンコック。
きっとパシフィスタを片っ端からぶっ壊してたんでしょうね。名前呼ばれたから(笑)。
それを咎める戦桃丸に、「一つ教えてやろう」ときました。


「『恋はいつでもハリケーン』なのじゃ!!!」


こうしてイーストブルーのことわざは広まっていくのです。
いくら強い戦桃丸くんでも、恋する乙女相手では分が悪い。
この突っ走りようは世界最強でしょう。


さらにルフィを援護する仲間は増えます。
いやー、今週の最大びっくり。
「おやすいご用です、イワさん」
イワさんの髪から…髪ですよ、髪!出てきたブランデーグラスを持つ手。
えええええっ、イナズマ!!??
たしかゆっくり休ませるとか言ってなかったっけ!?
まぁ、イワさんの顔面サイズから言って成人男子の一人や二人は匿えそうですが(確か皆でイワさんの顔に捕まって脱出したよね?)、 それにしてもずっとそこにいたのーーー!!??
そこで休養!?
マゼランの毒にやられてから、恐らく実際はそう時間経ってないんですよね。(何時間、てレベルかな)
でもとりあえず元気そうでよかった。


処刑台はもうすぐ。
イワさんはルフィをまっすぐに走らせます。
そしてチョキチョキとカニちゃんの能力。
エースのいる場所までまっすぐな道を切り裂いて作ってくれました。まるでバージンロー……いや多くは語るまい。私はエールでもルエーでもなくあくまでもゾロルなのだから。
その道をルフィが行きます。
「来たぞ〜〜〜〜!!エース〜〜〜〜!!」
やっと来た。やっとここまで。
砲撃を止めるビスタ。(べるぜバブのアランドロンに似てる気がして仕方ない)
黄猿を止める白ひげ。
もう二人を邪魔するものは無く、ルフィはようやく会えたエースの元にただ一直線に走ります……(何かエールの萌え小説書いてる気分)


と。
道の真ん中にやってきた、最後の障壁。
じいちゃん!!
これはでかい壁だよ、ひーはー。
そこどいてくれと必死なルフィに、どくわけにいくかァと怒鳴るじいちゃん。
うわ、本気だ。そりゃそうなんだけど。


やっぱり最後にきて、じいちゃんが動きましたか。
どっかで手を貸してくれるんじゃないかとか、少なくとも見逃してくれるんじゃないかとか、それはやっぱり甘かったですね。
じいちゃんだって海軍中将。その称号はさておき自分の仕事には誇りを持ってるはずです。そんな中途半端なマネするわけないよね。
でもルフィはじいちゃん相手じゃ本気が出せないですよね…?あらゆる意味で。
ここまで来てどうする。
この壁をどう突破するのか。またしても来週が楽しみでたまりません。


アニメの話題になりますが、ジンベエ役の郷里D輔さんがお亡くなりになりました。
ドリーやロックスターもやられてたそうですね。
ニュースで見たその亡くなり方もショックです。
渋くていい雰囲気を出される方だったのに…そしてジンベエとしてまだまだこれからたくさんの名場面を作っていってくださるはずだったのに。
どうぞ安らかに。今はただそれだけを…。

2010/01/21




571話 「処刑台」


扉絵は散髪中のナミさん。
ほのぼのしてますが、本編そんな雰囲気じゃありません。
エースの下に駆けつけるルフィ、その前にどどんと立ちはだかったじいちゃん=海軍の英雄ガープ中将。
予想通り「ここを通りたければワシを殺してでも通れ」ときました。
あんなに可愛く思っていたルフィを「麦わらのルフィ」と呼び、それがお前達(ここが泣ける)の選んだ道だと、 エースにも聞こえるように叫ぶのです。
今はルフィよりもエースよりも、じいちゃんの思いが胸に突き刺さります。


じいちゃんはどんな思いで二人を育ててきたんでしょう。
強くなれと鍛えて鍛えて。 それは殺されないように。
海賊になんてしたくない。それはロジャーたちの死を目の当たりにしてきたから。
本当に二人が大切で大事にしていたんだと、この状況を前に改めて思います。


「できねェよ、どいてくれじいちゃん!」
「できねばエースは死ぬだけだ!」
「いやだァ!」
「いやな事などいくらでも起きる!」


そう。じいちゃんだってこんな形でルフィに拳を向けるなんていやに決まってる。
でも 立場とか、プライドとかそういうんじゃなくて、己の信念というのかな。 じいちゃんはじいちゃんの「正義」のために貫かなくてはいけないことがあるんです。
それがどんなにいやなことでも。
だからルフィも己の信念…今はエースを救うためにまっすぐ立ち向かわなくてはいけません。それが まさに今、じいちゃんが身をもって教えてくれていることだから。(あ、マズイ。打ってて泣けてきた)


でも拳を振り上げたじいちゃんの脳裏に幼い二人、そして今になって命が惜しいと泣いたエースの姿が浮かび、じいちゃんは目を閉じるのです。
そしてルフィはガープを殴り飛ばしました。
あれがわざとだったのか迷いだったのか隙だったのか、それはわかりません。
でもセンゴクの「貴様も人の親だ」。それがずっと育ててきたじいちゃんの愛情の全てだったんだろうなとまた泣けてきます。


そしてついに、ルフィはエースにたどり着きました。
長かった…本当に長かった。


まずは手錠の鍵…蛇姫にもらった大切な鍵ですが、黄猿のレーザーがそれを壊します。うわああああああ、あんたいい加減にしてくれ!!ホントに 嫌いになりそうで申し訳ないです、T中邦衛。
でも、ここでルフィの覇気で気を失ってた処刑官が目を覚ますんですが、これがとんでもないことに3なんですよ!
なに、このすばらしい展開!!(ばしばし)
いつの間に入れ替わってたんだろう。でもそれもアリだと納得できる自然な形で参りました。
3は唯一鍵を作れる能力ですからね。これはすごく貴重です。
ずるいけど、すぐ逃げる卑怯さだけど、いてくれてよかった。


そこへ能力を発動したセンゴクが大仏姿になって巨大化。
ブツブツの実ですか?
これだけではただでかいだけで、たいした能力もなさそうなんですが…。だってロギアじゃなくてパラミシアっぽいし。
でも元帥だもんな。隠れたものすっごい能力がありそうで恐ろしいです。
とはいえ、今はとりあえずギア3とドルドルの能力でガード可能。
崩れる処刑台と共に落下しながらルフィは3から鍵を受け取ります。
「私がここにいる理由が亡き同胞の弔いのためだとしたら…貴様私を笑うカネ」
参った…そのためにいたのか、3。
なんでここでそんなこと言い出すんだ、また泣けるでしょうが(ううう)


そこに海軍の一斉爆撃。
ええっ、まだセンゴク元帥いますよっ、いいのか?とちょっと吃驚したんですが、元帥の能力を信じてたんでしょう、そうしときましょう。
そしてそんな爆炎の中に炎のトンネル…うあああああ、これって、これって。


「お前は昔からそうさ。 おれの言うこともろくに聞かねェで
無茶ばっかりしやがって!!」


エース復活!!!(涙)
それも炎を身にまとい、片手でルフィをつかんでるという男前なカッコよさ!!(ばんばん)
やっとだよ、やっとだよ、やっとだよ。
こうして自由になるエースを見るのをどれだけ待っていたことか。
一気に全てが動き出しました。そんな胸が高鳴る今号です。



2010/02/11




572話  「The Times They Are A-Changin'」


タイトルの意味がよくわからなくて翻訳サイトで調べたりもしたんですが、さらにわからなくなりました。 どうやら洋楽のタイトルのようです。 時代は変わっていくとかそういう意味みたいですが疎くてすみません。


エースが解放されました。
ここから数ページ、腰が抜けます。
エースのあまりにカッコいい兄ちゃんぶりに、兄弟の見事なコンビネーションに、嬉しそうなルフィの顔に。
「戦えるか、ルフィ!!!」「勿論だ!!」
どどん。


なになになに、なんなのなんなのなんなのこれ!!!(ばんばん) 夢にまで見た兄弟共闘。
こんなでかいコマで見せてくれるなんて尾田っち、あなたという人は…。
しかもですね、「お前に助けられる日が来るとは夢にも思わなかった」とかいいながら、「ありがとうルフィ」ですよ!!
きちんとお礼を言うのはワンピの伝統ですが(笑)、エースの口からルフィにありがとうだなんて!!
ああもう泣けそう。
さらにこの後のルフィが「ししししっ」って反則な笑顔なんですよーーー!!
そして周りが見惚れる息の合いよう!
読みながら倒れそうです、一体この高揚感をどうしてくれますか。


「強くなったなルフィ!」
「いつかエースも越えてみせるさ!」
そんなところに強敵青キジが…
「じゃあまだ今はおれが守ろう」


兄ちゃん〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!(大興奮)


放たれたエースはこんなにも強かったんですね。
何とか抑えようと大わらわの海軍。そこにいきなり白ひげ側のくじら船が突っ込んできました。
乗っていたのはスクアード(とその一味)。
白ひげを刺したその償い…にもならないってことは自分が一番よくわかってしまってるんですが、 それでも皆を逃がすために自分が盾になるつもりです。 そうでもしなきゃおれの気が済まないってね。
馬鹿ですね、つくづく。
そんな馬鹿息子の船を止めたのは満身創痍の白ひげ自身でした。
「子が親より先に死ぬのがどれほどの親不孝か…」
「つけ上がるなよ、お前の一刺しで揺らぐおれの命じゃねェ」
この大きな背の持ち主に誰が何をできるというのか。


エースが無事に救い出され、もう白ひげに思い残すことはありません。
そして彼は「最後の船長命令」を口にします。
「全員、必ず生きて、無事新世界へ帰還しろ」と。
それは予想していたけれど、やっぱり聞きたくなかった言葉ですね(涙)
「おれァ時代の残党だ、新時代におれの乗り込む船はねェ」
そして白ひげは海軍本部に大きな一撃を。
嫌だと泣く者、船長命令だと涙を振り切って従おうとする者、白ひげの仲間…いや息子たちもその反応は様々です。
その行動に驚くルフィとエースを見、
「振り返るな、時代は変わる」
またこのセリフが泣かせてくれるんですよぉぉぉぉ…。


この回想は何十年前ですかね、
『海賊が財宝に興味ねェなんて、おまえ一体何が欲しいんだァ』
笑う仲間たちをよそにまだただのニューゲートだった彼は笑って海を見てるんです。
富、名声、権力、称号、自由、あの頃の白ひげが心に描いていたものは何だったのでしょうね?
そして世界最強と呼ばれる今、彼は何を手に入れたんでしょう?
それでも彼の姿からは自分の生に満足してるのが伝わってきます。
歩いてきた長い旅の終わりに、一番いい形で若者に世界を残していってやりたい、 最強で最高の背中がそう語っていて、それは仕方ないことだと思いつつやはり胸が締め付けられます。


何ていうのかな。きっと子供のころや20代で読んだんじゃまた違う捉え方してたと思うんですが、 すでに高校生の子供もいて平均寿命の半分を過ぎたこの年になってみると、白ひげの言葉の重みが半端なく わかるんです。
たくさんの可能性がある若者(というかぶっちゃけ自分の子供ですね)、その生きていく未来を思うだけで幸せなんですよ。
どんな人生を歩いていくんだろう、どんなわくわくすることを体験するんだろう。
それがエースやルフィなら、さらにどんなに楽しみか。
だからそれを邪魔するものは、自分が動ける限り排除しといてやる…普通なら過保護と呼ばれるかもですが、 白ひげの場合、ああいう政府や海軍は自分の時代の責任でもありますからね。
自分と一緒に過去の遺物として葬りたい、そんな心境かもしれません。
ああ、ホントに泣きそう…


2010/02/17




573話  「この時代の名を『白ひげ』と呼ぶ」


マリンフォード。
今の世界政府と海軍を自らと一緒に海に沈めるつもりで、白ひげは最後の大暴れです。
時代に決着(ケリ)をつけるために。
船長命令を盾に息子たちをさっさと行けと怒鳴りつけますが、泣く者、従う者、息子らもまた混乱中。
それはそうでしょうね。


そしてまた、立ち尽くすエースにルフィが、「行こう、おっさんの覚悟が」と促します。
エースだってわかってるはず。
だからこそ炎の中、最大級の思いをこめた礼の土下座を白ひげに返すのです。
言葉は要らない。白ひげはいいました。
ただひとつ聞かせろと。
「おれが親父でよかったか…?」
勿論だ!!というエースの叫びに白ひげは笑います。
それこそ満足そうに。


軍艦を奪い、必死の闘争を図るルフィたち。
そこに立ちふさがったのが赤犬。
逃げを打つ彼らを負け犬と呼び、その船長である白ひげを先の時代の敗北者と言い切りました。
エースの足が止まります。


おいおいおいおいおいおい〜〜〜〜。
皆が必死にエースを止めるのですが、この辺さすが赤犬というか見事に突いてきます。
所詮王にはなれなかった。ゴロツキを集めての家族まがいの茶番劇。君臨しつつ何も得ていない。 バカな息子に刺されてそれらを守るために死ぬ空虚な人生。
あんた、まぁよくもこれだけの罵詈雑言…(むかむか)
傍から見たらそれはそのとおりかもしれません。
でもそれを空虚な人生と呼べるのか。それを判断するのは白ひげ自身です。
だからこそ腹立つんですけどね。
ましてエースの怒りなんてもう計れません。
白ひげの誇りを守るために生きてきたようなもんです。そもそもティーチを追ったのだってそんな理由でしたよね?
気持ちは痛いほどわかるんです。居場所をくれた大恩人。大好きな親父。
だから赤犬が許せるわけないですよね…でもね、でもね…お願いだから踏みとどまって欲しかった(涙)


前々から描かれていた赤犬の行き過ぎた正義。
正しくなければ生きる価値なし。それは最もです。
ただその「正しい」とは何なのか。
それを自分たち政府側が一方的に決めてることに大きな間違いがあるんですよ。
人を殺すことは正しくない。けれどそれが悪人なら正しい。
その悪人とは何か。自分たち「正義」に反する者。
いつまで論じても堂々巡りでわからなくなりそうです。
ガープ、青キジ、スモーカーあたりはその矛盾に気づいていそうな気もします。
だからこそルフィたちを「目こぼし」してますもんね。


話がそれました。
とにかくマグマ以上に大きな武器である赤犬の「言葉」(ホントに口が巧い)。
それが巧みにエースを追い詰めていきます。
若いから。炎を身の内にまでもってる人だから。
エースって本当はもっと大人な人かと思ってましたが、子供時代をいろいろ見ていると結構すぐ切れそうな、 別名ジャックナイフとか呼ばれてそうな(何だそれ)、そんな危うさを感じます。
でも事情が事情だけに、ここは親父のためにも挑発に乗らないで欲しかったと思うんですが、でも親父を大好きであるからこそ あっさり挑発に乗ってしまったともいえるわけで…とにかく悔しくてなりません。


赤犬のマグマにエースが焼かれます。
火を焼き尽くすマグマ、というのが概念的によくわからないんですが、ここはおとなしくマグマ>炎として受け止めておきます。 悔しいけどさー。
エースを助けようにも、ついに膝がくず折れて動けないルフィ。
そこへその血筋を大罪として(これだって人権的にどうなの?ですよね。酷い言い様です)「貴様ら兄弟だけは絶対に逃がさない」 と、赤犬がルフィに拳を向けました。
テンションホルモンの後遺症でしょうね、ルフィは動けません。
そして。
躊躇いもなく割って入ったエースが、マグマの拳に身体のど真ん中を貫かれます。
消え行くビブルカード…
エース…
これ以上なんのコメントもできません…。

2010/02/18




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