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574話  「ポートガス・D・エース死す」


呆然とするタイトルです。
先週から一週間、ただただエースのことだけを考えてきた身に最後通牒を突きつけられた感じです。
楽しいルフィ&ナミの扉絵(ペアで扉絵って珍しいですね)も最初は目に入らなかったくらい、一気に衝撃を受けました。
そんな574話。


エースがやられたと走る衝撃。
けれど赤犬は止まりません。じわじわと再びエースに近づいてきます。
これ以上はと割ってはいるジンベエ。エースが焼かれたんだから、魚人のジンベエじゃ一瞬で消滅しちゃうんじゃと心配になりましたが、 赤犬自ら時間稼ぎと言うくらいには持ちこたえられるようです。(←そんなツッコミしてる場合じゃないです)
ジンベエ、ビスタ、鍵をはずしてもらったマルコ、
落ち着いてるはずの大人たちが静かに怒っています。
それはもちろん赤犬に対してもでしょうが、一瞬の隙をつかれた自分たちへの怒りもあるように思います。
そして殺さんばかりの怒りを必死でこらえるじいちゃん…あまりに悲しいです


ルフィの腕に倒れるエース。
貫かれたその背からは大量の血が出てルフィの手をぬらしてます。
読者にもエースの命が流れ出て行ってるのがわかります。
ごめんなァ、と。ちゃんと助けてもらえなくてすまなかったと、ルフィに謝るエース。
自分の命の終わりくらいわかる、内臓を焼かれたからもうもたない。
なんでそんな説得力のあるこというんですか!(涙)
そんなこと言われたら嫌でも信じなくちゃいけないじゃないですか!


何よりも大事に思ってきた弟の腕の中で、エースは最後の言葉を紡ぎます。
もうね、見てて辛くて悔しくて悲しくて。
なんでエースのこんなシーン見なくちゃいけないんだって腹が立って仕方なくて。
もうそんないろんな感情がぐっちゃぐちゃ。


何より嫌だったのがすでにエースが死を受け入れてしまってることだったように思います。
ここでまたロジャーやロジャーの血筋が疎まれてる回想シーンが入ってくるんですが、それを今思う彼に 「本当は生きていたくなかった」という言葉が真実味を帯びてきます。
サボの件と(サボって何?…気になる)おまえ(ルフィ)がいなけりゃ。
白ひげは居場所をくれたけれど、それでもエースの生きる意味にはなってなかったんだなぁと 思いました。
逆に死ぬ理由になってなかったでしょうか。親父のためにどう自分の命を使うか、なんてね。


ルフィの叫びだって届きません。エース自身がもう諦めてしまってる…そんな気がします。
ルフィやゾロならここできっと足掻くんですよ。命のぎりぎりまで見苦しく、生きてやる、足掻いてやる、そんな 気持ちで絶対何かするはずなのに…。
それがエースの生まれたときから背負ってきたものの 重さなんでしょうかね…。
最後に
「こんなおれを愛してくれてありがとう」
涙と共に皆に伝えて、エースはゆがんだ口元を笑顔に変えて倒れていきました。


生まれてきてよかったのだと、その答えを意味をやっと見つけられたことに満足し、 だからルフィの未来を見れないことに未練はあるけど悔いはない。
その言葉のままの笑顔です。
そうなんだけどね…。
でもそうじゃないよって言いたいのです。
そんなんで満足しちゃ駄目だよって。
だって20歳でしょ、まだまだこれからじゃないですか。
自分の命が自分だけのもんじゃないってやっとわかったのに。
エースの背負ってきたものを考えれば、彼の行動も思いも確かにわかるんです。でもでもでも、納得できない。 受け入れられなくて、だからすごく悲しい。


思うにね、ロビンだって同じじゃないですか?
海賊王とオハラだとちょっとスケール違うかもしれませんが、それでも世界中から疎まれて育ってきたのは同じです。
自分の存在すら全世界から否定され、生きている意味すら見出せない真っ暗な闇の世界を生きてました。
どっかで捨てきれない夢があったからたぶんそれにしがみついて(嫌な言い方ですみません)、 必死で生きていたと思うのですが、ルフィの仲間になるまでロビンはやっぱり死に場所を探していたと思うのです。
それが一転、ルフィたち皆に生きていていいんだと受け入れられて、あんなに素敵に笑えるようになりました。
オハラの悪魔と呼ばれた過去は消えないけど、「そうだけど、それが何?」くらいのこと今は言えると思うんです(くす)。
エースもルフィや白ひげによって過去と決別できなかったのかなと。
「おう、ロジャーの息子だけどそれが何か?」なんてね。
エースならきっとできたんじゃないかと思えるだけにそれがもう何ていうかね…言葉が見つからないんだけども。


白ひげも仲間たちもじいちゃんも男たちが涙を流す中、燃え尽きたビブルカード。
そして腕の中から消えた命にただ呆然とするルフィ。
白目を剥いて、大きな口をあけて、声泣き叫びをあげています。
尾田っちの絶妙の描写です。
これ以上ルフィの気持ちを表せる絵はありません。


だからすごく胸が痛いまま終わるのです。 最後のコマでルージュさんが言った
『この子の名はゴール・D・エース』という言葉に何かの意味を見出そうとしながら。


2010/02/22




575話  「言葉なき怒り」


日が過ぎて少し落ち着きました。
だからといって悲しいとか悔しいとかそういうのが引いたわけではないんですが。
扉絵のウソップ&サンジがほのぼのしてて、心が癒されました。
ラクダのコブの上で寝てるの?狭くない?楽しそうだよねー何話してるのよ?なんて思いながら、じゃゾロはチョッパーとかな?なんて ちょっとわくわくしてみたり、しばし本編の展開を忘れ遊べたように思います。
ありがとう、尾田っち。


本編。
眼前でのエースの死。
ガクガクと痙攣を始めたルフィ。
テンションホルモンの影響をエースを救うために、の一言で押さえ込んでたんですから、 ここにきて精神が崩れ一気にすべてが噴出したって不思議じゃありません。
赤犬をマルコが食い止め、ジンベエがルフィを抱えて逃げます。
ルフィの命を守る、それがすなわちエースの意志だと(遺志…とも言えたりして)、 皆が今度はルフィを守るために動き出すのです。
そして白ひげの親父。
タイトルは白ひげを指してるんでしょうね。
何も言うことなく、まっすぐに赤犬を叩きのめし、マグマに顔半分吹っ飛ばされても(うう…)構うことなく、 その拳は赤犬ごと海軍本部を大崩壊させました。
広場は真っ二つ。
自分と息子たちの間に大きな溝を渡し、皆に大きな背を向けながらセンゴクには不敵に笑って見せるのです。
たぶん命はそう長くはもたないでしょうに。


船に乗り逃げ出す海賊たち。
と、そこに現れたのが、黒ひげ海賊団。
増えてるーー!!??
でも何ていうか…
最初の5人に加えて巨人みたいなのもいるし、もちろんシリュウも入ってるし、女の人もいるし… 、でもどれも全然綺麗じゃなくてむしろ見てて辛い…(おいおい)。
死に目にあえて嬉しいぜェ、ってな感じで高笑いする黒ひげの目的はおそらく「世界最高のショー」。
何だろう、白ひげに取って代わること?いやそれじゃ普通すぎるな。
この世界を根底からひっくり返すような、それこそ世界政府を壊滅させるとか、それくらいのことしなきゃだめでしょう。 それくらい「逆」に徹してほしいものです。


そして来週は休載です。
はぁぁぁぁ〜〜〜!?ここでぇ〜〜〜〜〜〜!!??(ちゃぶ台返し)


と一暴れしたとこでちょっと落ち着きましょう。すーはー(何)。
さて。
先週のタイトルでもあった「ポートガス・D・エース死す」。
我々読者にものすごい衝撃をもたらしたこの件について、若干の時間を置いた今、また考えてみたいと思います。
自分の感想が上がるまでよそ様の感想は見ない!と決めてますが、今回はどこも日記で語る語る(私もだ/苦笑)。
でも逆にいろんな意見が読めてよかったですね。
価値観もワンピへの思いもそれぞれだと思いますが、 とにかくエースがどれだけの人に愛されていたかよくわかりました。
エースが一番好きーって人じゃなくても彼の死に心からショックを受け、自分なりに考え受け止めようとしている。 しかもその一つ一つが頷けるものばかり。
出番の量からしたらその影響力は信じられないくらいですよね。 それほどにエースというのは非常に大きいキャラだったんだなぁと痛感します。


なのに、そんなキャラをどうして死なせてしまったのか。
尾田っちは今後一体どうするつもりなのか。
先々週までは、とにかくエースはルフィと逃げ延びるんだと思っていました。 エースがルフィの仲間になる…って展開は私的には全くなかったですが。
とにかくですね、ここは白ひげが身体を張って若い世代へ未来を託すと。
白ひげはこの一戦で命を落とすけれど、世界政府もそれなりに大きなダメージを負って痛みわけ。 古い世代はどかざるを得なくなる、あとはルフィたちあるいはシャンクス辺りの世代が新しい世界を…なんて予想してたんですよね〜。
とにかく白ひげに代表される旧世代との交代劇なのではないかと、考えてたんですよ。
多分普通ならそういう展開です。 でもここでエースを死なすことで、そう簡単な展開ではなくなってきたんじゃないですかね。
さらに今週で黒ひげがからんできて、ますます先が読めなくなってきました。いや、いつも好き勝手言ってるだけで読めた例はないんですけども。


そして私はいまだにエースの死に引っかかっています。
ショックを受けているものの、まっすぐにエースの死を受け止めてない自分に正直戸惑っています。
ここでも何回か書いてるんですが(最近では550話のとこで)、実は私はエース初登場から彼を受け止めかねてたんですね。
ルフィの兄、って言われてもすぐに、へーそうなんだvと思えませんでした。
もちろんエースは好きですvルフィの兄って言う設定も嬉しいです。でもそれがどっか取ってつけたような感覚だったんです。
たぶん自分の中でこなれるほどにエースというキャラがわかっていないからなんですね。
私事ですが、エースは好きなキャラでありながら驚くほど自作の中に登場させてないんです(一つだけ)。 絡ませやすいはずなのに、どうしても書けない。エースは情報が少なすぎるんです。
いつも突然。
話がそれてすみません。
とにかく先に書いた、取ってつけたような感覚。今回もそれを感じています。時間が経つにつれだんだんそう思えてなりません。
皆様が心を痛めているところにこんな言葉を使い申し訳なく思っています。
でも何もかもがあまりにいきなりすぎて。
エースの死。エースのような人がこんなにあっさり命を手放してしまうんだろうか(この性格付けも、 実は他の方が書いた二次的作品の影響が大きいと思うんですけど/笑)。
私自身信じられないのか、信じたくないのか、それとも何かが違うという違和感か。 何か一枚薄紙が挟まったような、自分でもわからないもどかしい思いがしています。
エースが本当にここで命を終えたなら、納得できるもっと深い何かがほしいのです。 理由をくれとかそういってるわけではないんですけど…。
もう助からないのはわかってる、愛してくれてありがとう、
あまりにいきなりすぎて、今もどう受け止めていいかわからないままなんです。
ダダンやサボという名が明らかになるにつれ、エースのいろいろなことが明らかになって、このもやもやも消えていくのでしょうかね。


そして、どうしようもない希望というより妄想なんですが、 何らかの理由で実は生きていたんだよーなんて展開になったなら(それこそ尾田っちの力量が問われる 非常に難しい展開だと思いますが。安直なことをしたらファンは納得してくれませんから)。
……なんと言われてもいいです、おそらく私はそれを心のどこかで待っています。
「ポートガス・D・エース」の死にこだわるのも、今までの彼の象徴だったような背の白ひげマークが見事なほどに消えている (ある意味ぞっとしました)と声をあげて言いたくなるのも、そんな心情からくるのかと。
尾田っちが、現在いるキャラは殺さないと言うのを時折見かけるんですが、どこかで宣言してましたっけ?
でもだからエースは死んでない、と言い張る気はないですね。必要ならキャラの死を書く人だと思います。
でもね、私はまだエースは死ぬ必要ないと思ってるから、 くもの糸より細いものにこうしてすがり付いているんです。もう遠吠えとでも思って笑ってください(しくしく)。


今後として。
今回の一件がもたらした一番大きな影響はルフィの崩壊でした。
かなり危ないと思います。
ルフィは……もしかしてこれが「17歳最後の冒険」と重なるの!?と危惧してるのは私だけではありますまい。
ここから復活するまでに数年かかるとか…目が覚めたら18歳とか20歳とか。
そうなると仲間との合流も時間的にはスムーズです。
ジンベエが逃がしてくれるということは魚人島か、蛇姫がいるから九蛇に戻るのか、あるいはイワさんのつてでカマバッカに匿われるのか(サンジー!)


妄想も想像も全てがとどまるところを知りません。
とどまる気もないんだと思います。それが私だ。
ええ、ええ、そんな自分には慣れましたともさ。


2010/02/24




576話 「大海賊エドワード・ニューゲート」


扉絵はアダルトトリオ。またの名をほのぼの家族(笑)
ここまできたら、これはもう映画の組み合わせシリーズかと。てことは来週はゾロチョですv
わーい、すでにほんわかと癒される準備はオッケーv
それにしてもこの3人はホントに落ち着いちゃってますねぇ。
鳥の巣箱(すでにそういうレベルは超えてる)を作るお父さんとそれを手伝うおじいちゃん。見守るお母さん。
それぞれのシャツが語呂合わせなんでしょうかね。
メタボにメタル。ロビンがよく見えませんが、察するにmetaphor?
調べたら隠喩、暗喩という意味でした。それっぽい本もってますしね。


本編。
まずタイトルに内容が薄々察せられます。
それにしても改めてフルネームを見ると、ニューゲート=新しい門というところに意味を感じます。
それはルフィたちのような若い世代にとって次の時代を開ける扉になる、でも扉は人を通すだけで自分はそこに居続ける 、とこれはちょっと深読みでしょうか。


さて、増員して現れた黒ひげ海賊団。
どこでスカウトしてきたのかと思えば、レベル6に幽閉されていた囚人たちでした。
この名前はイワさんがボンボーイに語っていましたね。すっかり忘れてましたが。
その名を聞くだけで知ってる者は震え上がるほどの大悪人ばかり。そりゃ見た目もこうなっちゃいますか。
気になるワードが若月狩りと書いてみかづきがり。。
なんだろう、これ。初めて見る単語です。
若いツバメを狩るの?なんて思う私はもうヤバいのか。
だってだって、「あなた達もスキねェ」なんて昔のカトちゃんの「ちょっとだけよ」みたいな(これも相当古い) エロさを感じません?(私だけか)
シリュウが無事でここにいることに、マゼランがどうなったのか気になってしまいます。
ルフィにあんなことをしたにもかかわらず意外に憎めない署長。立場的には読者の敵ですが、それはそれで 真面目に仕事をこなしてるんだから確かに責められる謂れもないわけで。
とにかく、これが黒ひげの目的でした。
七武海に入りたがっていたのも、彼らの解放のためだけ。
「初めからそれだけだ。そしてこれが『全て』。今にわかる」
また思わせぶりなことを言ってます。
なんたって「世界最高のショー」ですからね。
正義の門が開いた謎もここで解けました。
自分たちの船を通すために、黒ひげのとこのラフィット(だっけ?)が前もって門番に催眠術をかけていたそうで。
それがルフィたちにラッキーに働いたわけですが、海軍に誰か潜入してたのか、なんてそういうわけではなかったんですね。


そして。
白ひげが動きます。黒ひげを殺そうと向かうのです。
能力を吸い取るヤミヤミですが、長刀で拳で向かうのです。
ヤミヤミを手に入れることで自分が最強になったと錯覚してるようですが、 悪魔の実の能力意外で黒ひげを上回っているのならこうやって殴りつけることも押さえつけることもできるんです。
なんか黒ひげがだんだん小物に見えてきました。
けれど、白ひげに向けられる銃口。
大悪人たちの銃や刀が一斉に白ひげを襲います。
ちょっとちょっと待て。
今まで見てきたルフィたちの戦いとは違います。
いや、悪人にそんなの望むのが間違ってるんですが、でもこんなのってアリなの。
卑怯とか狡いとか、何ていうかやりきれない…。
黒ひげはこんな小さい男だったのか…なんかがっかり。
こいつがラスボスじゃないかと言うのも見かけたんですが、少なくともこの点において彼は ルフィたちと同じ土俵に上がる資格もない。


限界を超えた白ひげが回想します。
木々の下…舞っているのは桜かな?そこで命の期限の近いロジャーと酌み交わす酒。
意外に和やかです(笑)。
ロジャーの語ってくれた恐らくはDの意志。
そんなあれこれを思いながら白ひげが、最後の言葉を口にします。
ロジャーの意志を継ぐもの、いずれはエースの意志を継ぐもの、 そうやって長い間受け継がれてきた歴史を背負って、いずれこの世界に戦いを挑むものが現れる(それがルフィたちなんだなーと思う読者であります)
「あの宝」を誰かが見つけたとき、世界はひっくり返る…と。
「ワンピースは実在する」と。


それが映像を通して、まるでロジャーの最期のように全世界に衝撃を与えました。
そして 愛する息子たちへ思いを残しながら白ひげは立ち往生…。
ここで若き白ひげの回想シーンが入ります。
財宝を前に子供のころから欲しかったものがあると仲間にいう若きニューゲート。
それが「家族」。


何故ここで泣かせてくれるか、じいさん。


息子たちに逃げ傷のない美しい背中を向けたまま(この演出がまた泣ける)、白ひげは息絶えたのでした。
ここで、ゾロの背中だってきっと綺麗だよというそんな小さな私ではダメです。
今はただ大きなこの背を黙って見送りましょう…って、おとなしく見送らせてくれるわけないじゃん、この状況で!
と自分にツッコミつつ以下次号。


それにしても白ひげは富でも名誉でもなく、ただ家族がほしかったなんて、 かなりの驚きでした。
もっと野望に満ちた人かと思ってたんです。ロジャーともやり合ってたし最強の海賊なんていわれてるくらいだから。
まぁ欲しいものを素直に求め続けるのが海賊だから、そういう意味では王道を歩いていたんでしょうが…。
でも家族だったら普通は親や兄弟や嫁にいくんでしょうが、それをいきなり息子たち(それも超多数)っていうのが 白ひげのただもんじゃないところだと思いました。
生まれつきとんでもなく大きな父性を持っていたんでしょう。とにかく背中広すぎです。
今はこの後の混乱が怖い。
この状況でのルフィやマルコたちの逃走ももちろんですが、さらにその後。
魚人島始め、彼がその名で守ってきたたくさんの弱い者たちの居場所はどうなっちゃうんだろう。
それこそがオヤジの最大の悲しみだろうから、そう思うと死後もやすまらないんですね…。


結局エースは救えなかったし、オーズやたくさんの仲間たちが傷ついたし(あえて死んだとは書かない)、 何よりも白ひげ自身が倒れてしまった。
もちろんこれは結果論なんですが、さて、この戦いの意味はどこにあったんでしょうか。
これは白ひげじゃなくて、尾田っちに対しての問いなんですけどね。
尾田っちはこの大きな編で、話の根幹に関わるようなものすごいうねりを描こうとしています。
今までの展開、ルフィたちがやってきた冒険とは大きく違います。
一味はばらばら。世界は大黒柱を失い混乱へ。
何より主人公であるルフィが精神崩壊の危機です。
これは強くなるための試練、とかそういうレベルじゃないです。
精神的支え、ルフィがどんなときでも頑張ってこられた理由である「守りたいもの」が全て失われたんですよ。
海賊王への夢すら今のルフィを支えることはできてないんです。
逆に、読者も含めた周りにとっても、頑張ってこられた理由である「ルフィがいる」ってことが失われました。
ワンピースという作品の世界の危機です。
今までどおりの展開でも十分面白かったのに、そんな危機をあえて自分で招いて描こうとする、
それが尾田栄一郎という人の非凡さだと改めて思いました。
…ホントに好きなんだな、描くことが。



拍手ありがとうございました。
特に3月6日に連続拍手、感謝申し上げます。
時間が足りず叫びだけを書き連ねてる気もしますが、ワンピへの愛だけは十分あります。
これからもよろしくお願いします。


2010/03/17




577話  「畳み掛ける大事件」


扉絵はゾロとチョッパーvv
わーん、久々に見るゾロがかっこいい!!
シャツの柄が可愛すぎるだろというとこまで愛おしく。
いや、相変わらずセンスはどうかと思ったりもするけどゾロだからいいの。
それにしても毎回誰が選んでるんだろう?押し付けられた奴は意地でも着なさそうだから、やっぱり自分?動物系が 多いからそんな可能性も結構高そう。
とにかく久しぶりの姿を、しばらくぼーっと見つめてたのは本当です。
次女に「後ろの橋が壊れてるから、橋にさせようとワニ殴って並ばせてたんやろ?」と聞かれましたが、そんな とこまで目が行くわけないじゃん。 母さんを見くびるんじゃないよ。(意味不明)


ではいよいよの本編です。
まずタイトル。
災難てモンは畳みかけるのが世の常だ、と誰かさんも言ってましたね、オーズを倒した直後に現れたくまに対して。
こういう場数を踏めば踏むほど、それを痛感するんでしょう。悲しいことだけど。
…と、あの場でのカッコいいゾロを思い出しつつそんなことを呟いています。とにかく全て彼に繋げていきます。こんな可愛い私でごめんなさい(おい)。


白ひげ死す。享年72歳。あら、結構年いってますね。
世界中がこのニュースに驚愕しています。
善悪はともかく、この時代にとって大きい存在でしたからね。
愕然とする人がいる反面、狂喜乱舞で喜び合ってる人たちもいます。白ひげの人間性を見てしまった私たちには悲しいことですが、 やはり彼も海賊…しかもその親玉みたいなもんだから。
ほとんどの一般人にとっては、政府の教育が行き届いてることもあるでしょうし実害もあったでしょう、 たぶん海賊=悪である時代なんです。
ただ少なくとも、ルフィたちに関わってしまった人たちはそうは思っていないはず。
今はまだ小さいけれど、そのうねりが何らかの形で世界を変えていけばいいのに。私はそう思います。


レイリーもその映像を見ていました。
無事だったんですねーーホントによかった!
黄猿たちとやりあってどうなったんだろうとすごく心配でしたが、きっと海軍がこの一件でそれどこじゃなくなったのかな。
このままやっててもケリつかないししょうがないねェ〜〜なんて言いながら帰っちゃったとかね。
とにかく元気そうで何よりです。コーティングもきっと無事に終わったことでしょう。
酒を飲みながら、逝ったか…白ひげ、と呟くレイリー。
その目に涙が浮かんでいるのがすごくすごく印象的でした。
同じ時代を生きてた者として、今の胸中は計り知れません。
それはきっとセンゴクやガープも同じだと思います。泣いてはいないけれど、敵であるけれど、でも その喪失は心の半分を持っていかれたようなもんなんじゃないかと察せられるのです。


オヤジの最後の命令を守るべく、逃走を図る白ひげ海賊団。
その一方で、黒ひげは何かを始めました。
立ち往生の白ひげの体に黒布をかぶせ、自分もその中に。
彼の言っていた最高のショーです。一体何が…


そして逃げるバギー。いい方向に誤解する部下たち。この辺はお約束でどこかホッとします(笑)。
ルフィを抱えて走るジンベエ。
牢獄でエースから弟を気にかけてくれと頼まれていたものの、そんなお人よしじゃないと断った自分を思い出します。
ホレこんだ男にしか手は貸さないし守らない、そんな自分が絶対に生かしたいと願うルフィ。
どうか生きてほしいと必死で守ろうとしています。ああああ、もう泣けそう。
おっさんなのにカッコいい。いや、このどっしりとした父性とでも言いますが、これはおっさんだからこそ持てる魅力ですね。
しかしそこに追いついてきた赤犬。
生きていたのかー!とその他大勢と一緒にとりあえず私も叫んでおきましょう。あそこで死んだなんて欠片も思っちゃいませんでしたが。
最近ビールのCMに文太さんが出てるんですが、とても穏やかなお年のとり方をされてます。
あああ、こんな方を嫌いになりたくないのに、もう嫌、赤犬。


そして黒ひげが出てきました。
見た目は何も変わっていませんが、その構えた腕から繰り出された能力は、グラグラ…!
黒ひげは白ひげの地震の力を手に入れたんです。闇の力で吸い取ったのかな…なんて検証は別の方にお願いするとして、
全てを無に帰す「闇の引力」
全てを破壊する「地震の力」
この二つが黒ひげのものとなりました。
悪魔の実の能力二つを同時に得ることは普通は不可能なんですが、どうやら体の構造が人と違うらしい。
マルコは「異形」といっていますが、前にエースも言っていた「人の倍の人生を生きている」と当然ながら繋がりますよね。
複数の体が一つになっているのか。それなら白ひげが死んで、持ち主のいなくなったグラグラの能力が他者のものになるのは ありえることです。
そういえばジャヤでゾロとルフィが「あいつじゃねェ、あいつらだ」って言っていました。
恥ずかしながらずっとその意味がよくわからずにいたんですが、もしかしてこれも繋がるの!?
だとしたらラブーンといい、その長期にわたる伏線の回収に心底頭が下がります。
ま、とにかく最強の能力が最悪な相手にわたったことで事態は最悪な方向へ。
白ひげのときはあんなに頼もしく思えた能力が、こうも不気味に思えるなんてね…。


黒ひげが高らかに世界に宣言します。
政府、海軍だけじゃなく、平和を愛するつまらねェ庶民共と。
ここから先はおれの時代だァ!!と。


…実はジャヤでの言葉から、黒ひげには少しだけ期待してたんです。
見てくれはああだけど、そしてルフィと方向は違うだろうけど、もう少し高尚な夢を持ってるんじゃないかって。
結局は世界征服?しかも官民お構いなし?恐怖で治める?
なんかがっかりしちゃったなー。ま、これでぶっとばしがいもできましたが。



2010/03/26




578話 「新時代へ贈るもの」


巻頭カラーです♪
竜の背(?)にずらりと寝転ぶ9人。
空にいるのかな、色鮮やかな鳥が周りを飛び回っています。
これがカラスとかだったらブルックが鳥に食べられた残骸みたいに見えて怖いけど(おい)、 相変わらず遊び心いっぱいの楽しいイラストですv
ゾロの顔に鳥が…!目の上に乗られて何も見えねェ! いくら彼が動物好きでも(いつの間にそんな自分設定を…)これは辛いでしょう。
せっかくルフィの隣にいるってのにねェ…(ぼそ)
尾田っちはこうして仲間になった順に並ばせるの好きですよね。
私も好きです。
ルフィの隣にゾロ。これは私がゾロルだからとかいうのを除いても(笑)、一番決まるように思うのです。
二人にはこうしていつまでも並んでいてほしいなぁ…


本編。
黒ひげの宣言に愕然とする世界。
逃げ始める海軍下っぱ。
みなぎる力のままにマリンフォードを沈めようとする黒ひげですが、それを大仏の掌が押さえ込みます。
発せられた衝撃波は黒ひげ一味をふっ飛ばしました。
「要塞ならまた建て直せばいい。しかしここは世界の中心に位置する島マリンフォード。(略)ここに我々がいることに意味があるのだ! 仁義という名の『正義』は滅びん!」
仏が憤怒の形相です。昔の大映の大魔神みたいです(ああっネタが古すぎる!)。
センゴクにもセンゴクの正義があります。
それこそ何を犠牲にしても守るべきものが彼なりにある。そうして生きてきた歳月は重く、だからこそ 軽々しく世界を壊そうとする黒ひげが許せないのかもしれません。


一方、マグマに倒されるイワさんやイナズマ。
赤犬がドラゴンの息子を渡せと迫ります。
逃げるジンベエは海へ飛び込もうとしますが、そこはすでに青キジによって凍らされてました。ひー。
追いついてきた赤犬。もーしつこい、バイオハザードのゾンビかっ(すぐ追いつかれてゲームオーバーになる超下手な私)
そしてその拳はジンベエの体を貫通してルフィの胸を…!!!
体は焼けて血が流れて…。ここでみんなルフィを心配してますが、ジンベエだって相当やばいのではっ!?
とにかく危ない。危ない、どうすんのー!!(じたばた←子供か)


そこへ砂が…
現れたクロコダイルが砂嵐で二人を飛ばしてくれました。
しかもここで
「守りてェもんはしっかり守りやがれ!!これ以上こいつらの思い通りにさせんじゃねェよ!!」
クロコっち〜〜〜〜〜〜!!!!(絶叫←呼び名をどうにかしろ)
クロコダイルは白ひげを守りたかったのかもしれない…そう思えて泣きそうになるのは私だけですか。
少なくとも目の前で白ひげが殺された、 そんなことをさせてしまった自分が絶対に許せないんだろうと思うのです。
ほら、この人結構ツンデレだから。(ぶち壊し)


飛ばされた二人は……空中を飛んで逃げようとしてた(ここがポイント/笑)バギーに激突。
バギーにしたら更なる災難ですが、これまた傍目には助けたように良い誤解。
頼んだぞ、バギー(笑)


そして赤犬には白ひげ海賊団が立ち向かいます。
命を捨てる覚悟もありだと思います。
でも全員がルフィを見てしまったから。
エースが守り、オヤジが認めた男。そのルフィを新しい時代へ送ってやる義務がある。
ここまで言ってくれてます。(涙)
全員が時代が変わっていくことを感じています。
旧時代の象徴であった白ひげは死に、また今まで世界の中心で正義を守ってきた海軍本部も壊滅状態。
黒ひげのこともあり、今までとはまったく違うものが始まっていく予感は確信に変わりつつあります。
白ひげに従ってきた自分たちもある意味旧時代の遺物。
それがわかるからこそ新しい時代に自分たちの認めたものを送る、これがタイトルでは贈るとなってるのが憎いですよね、 そのことに命を賭けるのはむしろ本望なんだろうな…。
最近はルフィやエースよりジンベエや白ひげやマルコたちに強く思い入れを感じます。これはもう世代。(苦笑)
自分が変えようという野望も無くしたわけではないんだけど、その野望はこれからその時代を生きていく若者自身に託す、 そのために自分ができる精一杯守り導いてやる、年配者にはそんな配慮が必要なんじゃないかと、 昨今のいつまでもしがみついてる日本の年寄り政治家をふと思ったりするのです。(話がどんどんそれていく…)


さて、気を失ったジンベエと重症のルフィを抱えておたおたのバギー。
頼むから放り出すなよ。
と、そこへ海底から船が…(コーティング済みなんですね)
「麦わら屋をこっちへ乗せろ!」
誰?ム・ギ・ワラヤ?
ひゃー、こんなの一人しかいないじゃないですか!!!(だむだむ)
「麦わら屋とはいずれは敵だが悪縁も縁。こんな所で死なれてもつまらねェ。
一旦おれに預けろ、おれは医者だ!!」
おおお、ローですよ、ロー!!!
ここで再登場!!
そう、彼は医者なんです。確か死の外科医。(え)
死ってのがどこにかかっているかちょっと気になりますが、腕は確かでしょう。たぶん。
縁を口にしたのも、私的にはポイント高いです。いいこと言うなv
袖摺りあうも多少の縁。
良くも悪くも関わりは十分ありましたからね、ルフィの魅力を間近で見ちゃった一人ですしv
ローはまともな人と思えるので安心です。逃がしてくれるって言葉に嘘も無いでしょう。
ここで一息…ついていいですか、尾田っち?(微妙に疑う)




拍手お礼。
ぱちぱちっとお心遣いありがとうございます。
今週も励みにがんばります。
20日19時にメッセージを送ってくださったお方様。いつも拝見してくださってるとのお言葉ありがとうございました。 さらに心して叫び続けたいと思います(叫ぶのか)。


2010/03/27




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