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585話 「兄弟杯」


扉絵はマゼランとハンニャバル。
二人並んで仲良く釣りとは……何ですかねェ、この二人。間に漂うそこはかとない信頼といいますか、言葉が無くても 通じ合う仲が見え隠れするといいますか…うむむ、これは…このパターンは似てる…似てるぞ。
ゾロとルフィに近いものがあることを匂わせて、この私に萌えろと。そうなんですね、 尾田っち!?(違います)


本編。
3人の生活は続きます。
鍛えあい、厳しい環境の中を生きていくことでどんどん強くなっていく3人。
ルフィはまだゴムゴムの能力を全く使いこなせていません。エースやサボにケチョンケチョンにされてます。今のルフィから思うとそれはそれで いたいけな様子がたまらなく可愛く、思わずのたうち回りたくなります。(おい)


そしてこの国の姿がだんだん明らかにされていきます。
ゴミの山=グレイターミナルと「町」を隔てる強固な石壁。
町にも「端町」「中心街」「高町」とランクがあり、当然そこに住む人々もランクがあるわけです。
ルフィたちの生まれたここはゴア王国。
イーストブルーでもゴミ一つ無い美しい国と言われています。
それはゴミと言う名の不要物を徹底的に排除、つまりは自分たちから離れたところに置き、 その場所との隔離を完璧にさせた成果だったりするのですけれどね。
それについてここであれこれ書くのはやめておきます。
人道的にどうとか言うのはあまりに簡単すぎるから。
もうこの国はそういうものとして成り立ってしまっています。そして住人たちもそれをすっかり受け入れてしまっています。
ゴミ山の人々は町に住みたいとは思わないんです。
「みじめな思いなど誰しもしたくないものだ」
できあがってしまったこの仕組みを変える術などなく、というか変えたいと考えることも無く、ただその日を暮らしていたいんでしょうね。 まぁ慣れればゴミ山でもそこそこ生きていけるわけですから…。
ルフィの生まれ育ったフーシャ村もこのゴア王国の山向こうにあります。
こないだも書きましたが あの平和そうな様子からして、イーストブルーの端にある小さな島の小さな村かと思ってました。 それが背中合わせに結構厳しい場所(猛獣が生息してるのに加え(笑)政治的にもなんだか嫌な感じです)にあるんだとわかってびっくりですよ。


さて、3人は時々ちょろっと町中…それも中心街の方にもぐりこんでいました。
食い逃げ常習犯として。あー…そうだろうな。
エースってばこの頃からだったのか。ま、大きくなってからはむしろ無意識だけど。
ルフィはルフィでちゃんと「たからばらい」の紙を残していくんだから、立派なもんです。 今なら払えそうな気もするけど、金額も相当貯まってるだろうから律儀に払いに行ったらナミにぶん殴られます、絶対に。


その日も3人は4階窓を破って、ジャッキーの映画みたいに落ちつつ逃走。
ところでエースのランニングは「爆撃」「無罪」「暴力」と毎回違う文字が書いてありますが、これって買うわけでもなし、 きっと自分で高ぶる思いを字にして書いてるんだろうな…(スケットDンスの椿くんじゃんと思ったのはそっとしといてください)。
やっぱりかなり攻撃的な子供です。
それがどこをどうやってあんな自然な笑顔の似合う礼儀をわきまえた青年になったのか。 白ひげと出会ったときはまだジャックナイフ並みでしたから、その後のオヤジの教育の賜物なんでしょうか。
あれ?てことは海に出たときはまだとんがったエースだったわけですよね。
てことはルフィはそういうエースしか知らないってことで。
じゃあ再会したとき、エースってば変わったなぁとか思わなかったんですかね?
まぁルフィだからそういうのはぜーんぜん気にしないか。


話がそれました。
逃走中に3人はサボを知る貴族に会います。
問い詰めて聞くと、サボは自分が貴族の息子だと打ち明けました。
さっきの貴族は父親だと。
ただ「親がいても一人だった」と話すように、両親にとって大事なのは「地位」や「名誉」であり、サボ自身ではなかった。
これは 子供…じゃなくてもですね。人間として生まれた以上、「自分」を認めてほしいと言うのは誰もが根本に持っている思いです。


あなたがすき。
あなたにここにいてほしい。
あなたに生きていてほしい。


他人からそう思われたいというそれはエースの持ち続けた願いと似ているかもしれません。
だからサボが貴族だったのはちょっとショックだったようですが、エースはサボを受け入れました。
ルフィは元々そういうのはあまり気にしませんね。
これだけでもルフィはとっても愛されて育ったんだなとわかります。
ルフィにはエースと違って不安定なところが全く無いんです。
ちゃんと自分がある。それもつっぱったりとかじゃなくごくごく自然に。
ずっとルフィとしての個を大事にされてきたんでしょう。
じいちゃんやマキノさんやシャンクス。自分をあるがままに受け入れてくれる大人たちに囲まれて、 「根拠なんか無いけどいつだって自信満々」、そんなまっすぐな子に育ちました。
あの何でも受け入れちゃう懐の広さは自分が確固として揺るがずにあるから可能なんですね、きっと。


ま、そんな児童心理を語るのはまた別の機会に…(すぐ脱線)。
さて。要するにサボは、決められた人生、息の詰まりそうな日々に嫌気が差して家出してきたわけです。10歳なんてまだ子供なのにすごいな。
そして二人に言います。
「おれたちは必ず海へ出よう!この国を飛び出して自由になろう!」
サボの夢は広い世界を見てそれを伝える本を書くこと。
ああ、素敵な夢ですね。
「もっと強くなって海賊になろう!」
そこで何故海賊なんだと思いますが(笑)まぁ男の子だからね。


エースも語ります。
エースの夢は海賊になって勝ちまくって最高の名声を手に入れること。
「世界中の奴らがおれの存在を認めなくても…大海賊になって見返してやんのさ!」
「恐怖でも何でもいい、おれの名を世界中に知らしめてやるんだ!」
「それだけがおれの生きた証になる」とし自分で言うのが泣けます。
ん?ちょっとまて。
似たようなこと言ってる人がいましたよ。
悪名でも何でもいい、おれの名を世界にとどろかせてやるとかなんとか。
そうなりたいと願う動機は違いますし、だから世界を見返すという考えはあちらさん(誰)にはございませんが、 名前の浄不浄を問わない生き方は同じです。
でね、ふと思ったのがゾロと初めて出会ったルフィ。
あの場で「おれの名を世界中に…」なんて言葉を聞いてどう思ったんだろうって思いまして。
エースと同じだって絶対思いましたよね。
はっ、だからあんなに嬉しそうだったのか!?
「海賊王の仲間ならそんくらいなってもらわないとおれが困る」
ゾロを喜ばせた(笑)その言葉も、今週のこのエピソードがあったからこそなのか!?
と、今まで無敵のゾロルスキー(←)がちょっと自信失くしかけてたりして(苦笑)。
まぁいいです…だってゾロはゾロだもん。ルフィにとってゾロは他の誰にも代われない大事な存在なんですから。うん。


で、もちろんルフィの夢も語られるんですが、ここでルフィだけ描かれてないんです。
当然海賊王でしょ?と思ってた予想はちょっと肩透かし。
次はエースとサボが「は?」とあっけにとられてるコマでした。
エースは呆れてるし、サボはおまえの未来が楽しみだって大笑いしてるし…一体ルフィはなんて口にしたんでしょう。
もちろん海賊王からみでしょうけど、きっとそれに何かがくっついてるんですね。ルフィらしい言葉が。


そして、3人はここで盃を交わすんです。
海賊になるとき同じ船の仲間にはなれないかもしれない。でも3人の絆は「兄弟」としてつなぐ。
どこで何をやろうとこの絆は切れない。
おれ達は今日から兄弟だ。と。
やっぱりネットでよく見かけた「盃が3つある」と言うのはサボの分だったんですね。(それを無視して堂々と捏造文を書いた私がおります…その内こっそり削除しよう;;;)
こうして3人はまた一緒に日々を過ごすんです。


マキノさんが服持ってきてくれたり(村長もいるじゃないですか!ダダンに酒とか差し入れたのかな?意外に交流があってびっくりです)、じいちゃんがにこやかに来て3人に特訓(か?)つけたり、 ダダンのうちを出て3人で木の上に秘密基地みたいな家を作ったり、芋虫焼いて食ったり(ひー)、濃くも楽しい日々。


けれどある日。
サボの親が迎えに来ました。それも半端なく乱暴な方法で。
もちろん視点は自分中心です。
子が親の言いなりになるのは義務。エースとルフィはサボをそそのかしたゴミ山の子供。などと平然と言ってのける父にはいくら反論しても届きません。
ブルージャムに、エースとルフィがもう近づかないよう「始末」させようとしているのを知り
サボは、もうわかったと。言うとおりに生きるから、と大切な兄弟を守るために父と一緒に行くことを承諾するんです。
必死に呼びかけるエース。でも応えられないサボ。
まだ子供な彼らにこの圧倒的な権力はどうにもなりません。
越えられない障壁の前にただ引き離されていきます。


このまま別れて、そして成長した後にどこかで再会…なんてなってくれたらいいんだけど、たしかどっかでルフィが「エースはたった一人の兄ちゃん」みたいな言い方をしてましたよね。
それと回想で「おれ達はくいのないように生きるんだ」って二人が海を見て言ってました。
それと忘れちゃいけない、この王国には「天竜人」が来るんです。
どうにも、サボの命が危ない気がしてなりません。 死なないまでも、少なくともエースとルフィ、二人が「サボは死んだ」と思うような事態になるんじゃないかな…なんて。
最初はこまっしゃくれたガキんちょだと思ってましたが、この子ってば回を追うごとに可愛くなってるんですよね。 この予想が外れて、たとえ遠い未来でもサボの夢が叶えられますように…。(すでにうるうる←)


それにしてもサボは貴族の子供だったんですね。エースと同じ境遇ってのに何となく違和感があったのはそのせいだったのかなぁと、今にして思ったりします。
この違和感と言うものがまた厄介でして、きっとこんなの感じるの私だけだろうと思ったり、上手く言葉で表現できなかったりで、結局後付けっぽくなってすみません。
エースが登場してルフィの「兄」を名乗ったときの違和感。
サボが唐突に登場してエースと同じように生きてることの違和感。
後からいろいろ明らかになるたびに「うぁぁぁぁぁやっぱりそうだったのかぁぁぁ」と、じたばたしてばかりです。


あと一つ、今感じてる違和感が、エースの死、なんですよね。
生きててほしいってのとは少し違うんですが(もちろん思ってますけど)、どうしてもあの最期がすっきり受け入れられないのです。
メリーとの別れはあんなに納得できる描き方をしてくれた尾田っちです。 過去編で描かれたそれぞれのキャラ、ベルメールさんやヒルルクたちの「死」にしてもそう。
だけどエースだけは…だめなんです、私はいまだに納得し切れていない。
やっぱり個人的な願望なのかなぁ…ともやもやとした感覚を今も胸に抱き続けたままでいます。
そんなもやもやした感想のまま今週は終わり。


拍手ありがとうございます。
5月19,20,24,29の各日、数回ずついただきました。
好きなことを叫ぶ拙い感想ですが、 迸るこの情熱(笑)を受け止めていただけたら嬉しいです。
あーもう、ワンピース大好きっっvv



2010/05/26




586話 「悪臭のする町」


扉絵はスモーカー&ヒナ嬢。
ここしばらくペア表紙シリーズ…しかもおっさんペアが続いていたので、今週あたりは ガープ&センゴクとかパティ&カルネかと予想していたんですが、いい意味で外れてよかった(笑)。
いやーやっぱりレディがいると華やぎます。
この二人はきっと普通に仲いいんでしょう。飾らずぽんぽん言い合える仲。
とはいえ完全に負けてるけどな、ケムリン。
ヒナは可愛いかっこしてますが、スモーカーは何と言うか…一歩間違えたら怪しくみえるんですけども…。あれだ、下が中途半端な丈なのと 上が下に何も着てないように見えるからだ。


そしてUSJ情報!
全員集合なんですね!しかもエースも登場かっ!!
前回は最初めちゃめちゃ馬鹿にして、それでも話のタネに見とくかー程度の心持ちで行ったんですが、これがまぁいい出来でして。 リアルであれだけ上手に再現してくれたら、いくら私でも文句のつけようが無いです。
ゾロも良かったし(あのゾロをそこらの誰かが演じられるわけないと思ってましたが…)、何と言ってもサンジくんが最高だった。
三年経った今でも熱く語れちゃいますからね、今年も行きますよ、絶対行く!!


本編。
先週の続きです。
サボは貴族の暮らしに戻り、残されたエースとルフィ、二人はブルージャムに捕らえられました。
最も捕らえられたといっても、このボス、ポルシェーミの件はたいして気にしてません。
まぁ器が大きいってんじゃなくて、ただ単に役立たずを切り捨てたってだけですけどね。
エースたちの方が役に立ちそうだと、それなりに気に入ったらしく仕事を手伝えと誘います。
でもエースにお金取られたんじゃなかったっけ。それはいいのか?
エースとルフィも所詮子供ですから、行くあてもやるあてもなく、とりあえずブルージャムの元で働きます。
まぁこの仕事ってのがキナ臭いなーと思ったらホントにキナ臭かったわけですが。
ルフィはサボのいないことがすごく寂しく、ことあるごとに思い出しては感情を口にします。 でもエースはサボの幸せを考え自分の思いは出しません。
何がサボにとって「本当の幸せ」なのか考えています、そしてそれを最優先してるんです。
家や親。サボはとても嫌っていたけれど、 エースは自分が持っていないそれを(心のどこかで持つことに憧れていたそれを)、 ある意味神話的にいいものだと信じているような気がします。
嫌なら戻ってくるはずだ。
逆に戻ってこないと言うことはやはり血の繋がった親と暮らすことは幸せなのだろうと、思っているのかな。10歳の子供が…。


一方のサボ。
家に戻りましたが、それはあくまでもルフィとエース、二人を守るためです。決して帰りたかった場所じゃありません。
両親は変わってないし、しかも自分の「保険」として優秀な義理の弟がいました。
その弟の口からサボは、グレイターミナルに火事が起こることを聞きました。
もうすぐやってくる「天竜人」。
その前にこの国の汚点=ゴミはさらせません。
国王はゴミを全て燃やすことにしたんです。全ての「ゴミ」、それにはもちろんそこに住む人間たちも含まれています。
サボはそれを馬鹿げていると思える心を持っていました。
そして家を抜け出し高町の人たちに問いかけるんですが、皆それを知っています。知っていながらそれを何とも思いません。
だからどうしたと。黙認しろと。
人がたくさん死ぬことを知りながら、普通にメシを食い勉強しろと言う。そのことにサボは改めてショックを受けるのです。 ここでも言いますが、10歳の子供がね。


運んだ油と火薬で火事を起こしたブルージャム一味。
この仕事と引き換えに貴族の称号をもらって高町に住むのが夢と言う顔の割りに意外にドリーマーな彼でしたが、 国王達のほうがさらに悪でしたね。門を開けてもらえることも無く、さらに世界政府の視察団が来られないように火事を起こした、という最もな理由までつけられて この一件の犯人にされ、たぶん一味は全滅したのかな。
仕事を手伝い秘密を知ってしまったルフィとエースは縛られ取り残されたんですが、それが却って幸いしました。
エースが縄を切り、二人は必死に逃げます。
「熱いよォ」と泣くルフィに「泣き言言う奴は置いていく!」と怒るエース。
「熱い…熱くねェ!息が苦しい…苦しくねェ!」
ルフィ!!!!!(ばんばん!)
必死に兄ちゃんの言うことを聞こうとする健気な弟に悶絶です。
しかもエースったら「何とかなる!おれがついてる」 (ごろごろごろ←悶絶その2)
「じゃあ今はおれが守ろう」と思いださせる兄ちゃんの頼もしさ。
あーたまんない。これじゃルフィが兄ちゃん子になるのも無理はありませんて。


一方、エースとルフィの身を案じ、門の外に向かって逃げろと叫ぶふらふらのサボ。
見張り達に放られてしまうですが、それに声をかけてくれた男がいます。
サボはそのおっさんに思いを吐き出します。
「この町は、人間の腐ったイヤな匂いがする!
ここにいてもおれは自由になれない!
おれは貴族に生まれて恥ずかしい!」


子供がこの言葉を言ったことに衝撃を受けるおっさんこそが……若きドラゴン!!
ひーーーー!ドラゴン来たかーー!!
この登場にはびっくりです。まさかドラゴンが絡んでくるとは…考えてみれば確かに無理ない登場です。 あーやられました。
でもまだそれほどの力は持ってないようですね。


ドラゴンに出会ったサボ。
火の海を走るエースとルフィ。
小さな命は必死に生き延びようとしています。
そして
「ドラゴン!準備が出来ティブルわよ!」
細い足首の持ち主が叫んでいますが、いやー…顔が出なくても誰かわかるんだからすごいよ。
ドラゴンたちはこの火事をどうにかしようとしてるんですかね。
それとも間もなく「天竜人」云々に対して何かしかけようとしてるのか。
まだ人も力も少ない無力な革命軍ですが、それでもこのサボの言葉がドラゴンにさらに力を与えてくれたと思います。世界を変えていこうとする力を。


今までドラゴンがなんで革命軍を率いているのか、はっきり示されていませんでした。
ただ世界政府に抵抗する勢力ってことで。
今の世界の仕組みはよくわかりませんが、下手したらただのテロリストではないかとちょっとその生き様には賛同しかねていたんですが、 なるほど、こうしてゴア王国のあり方を見ていると、世界の在りようがどうもおかしなことになっているのがわかってきました。
多かれ少なかれ他所の国もそうなんでしょう。アラバスタは違うだろうけど。
今までは可愛い子供ほっぽって世界でテロ仕掛けてるわけのわからない人というイメージが強かったんですが(すみません)、 こうなるとドラゴンに対して認識が違ってきます。
くまやイワさんもいたわけですし、近々革命軍についてももっといろいろ描いてほしいものですね。おっさんばっかになりそうだけど。


さて、あれこれ毎週あたらない予想を立てているわけですが、どうも天竜人とルフィたちが接触する可能性は低いですね。 シャボンディパークでルフィが天竜人を知らなかったから、 ここで直接会ってはいないだろうと思っていました。
でもまぁこの天竜人て存在が、結局のところ間接的にもいろいろな事の原因になってるんですけど。
そしてサボ。
死んじゃうんじゃないかと心配してましたが、今回ドラゴンと出会ったことで、あら…と思いました。
ここでは自由になれないと訴えてますから、もしかしてドラゴンがこの町から連れ出してくれるんでしょうか。
そのまま革命軍に入るのか、それともそこから(夢を叶えるために)新たな道を探すのか。
エースやルフィとの再会は難しいかも知れませんが、少しだけサボの未来に明るいものが見えてきました。あーでも尾田っちだからなー(信じきれない;;)
エースたちにしたら、サボは「自由じゃなく」て「悔いが残る」人生(回想シーンのあれはサボのことですよね?) なのが気になります。
早くはっきりしないかなー。(苦笑)。


拍手ありがとうございました。
先週UPしてから毎日どなたかに拍手をいただきました。初めてのことに感激です。拍手の一手間、本当にありがとうございました、 毎週の励みです。
エースとルフィの過去編は毎回ぐちゃぐちゃでもやもやしたままですが、 最終的にきっと尾田っちは読者が納得行く形で収めてくれることでしょう。
そして麦わらの一味再会の日も近づいているのだと、信じていたいと思います。

2010/06/02




587話 「おれは、逃げない」


ああ…表紙はまたおっさんペア復活。
いや、正確には一人はおっさんじゃありません。 なんたって女王様です。おっさんなんて呼んだらデスウィンクが飛んできます。
それにしても、ここでドラゴン&イワさんペアとはちょっと意表を突かれましたね。
革命軍の同志という非常に重いものを背負った 二人ですが、揃って電伝虫に水をやる…しかもぞうさんじょうろで(ここがポイント高!)と言う このイラストを見る限りそんな悲壮感は欠片もありません。
イワさんの突き抜けた感に対し、ドラゴンはちょこんと腰掛けて無表情で…でもどっか照れてる風で…、 ってなんだそのラブリーさは(笑)。
この人にもこんな一面があったんですね。
だってローグタウンでルフィの姿見送って「ふふふ…」って不敵に笑ってるとか、 革命軍のアジトで一人理想を見つめてるとか、そんなイメージしか持ってなかった私には(偏りすぎ) すごく大きな発見です。
先週と言い、見る目ががらっと変わりましたよ。
ああ、ガープの息子でルフィのオヤジ。そうそう、あの一族でしたっけ(ぽむ)。
お茶目な血が流れてるに決まってましたね。(Dの血はここではどうでもいいらしい…)


本編
ゴミ山が激しく燃えています。
そこに暮らす人々が海へ逃げることすらできないくらいに。
けれどそんな火も、国王にとっては「夜なのに明るいうっとうしいもの」でしかなく、燃やされていく ゴミ山の人々も貴族の親子にとっては「自業自得」の一言です。
この自業自得の理由をね、尾田っちがまた巧いこと書いてくれるんですよ。
例えば、きちんと働かないとかあくどいことで生計を立ててるとか言うなら、それもどうなんだとは思うけど、 いいとこの人間が見下すには十分な理由です。
でも尾田っちは容赦なかった。
「貴族に生まれなかったのが悪い」
ひゃー。


なんだろ、この絶望感。そして言いようの無い恐怖。
悪意もなく、それが当然の顔で話してるのが怖いんです。
少なくともこの時代、この国ではこれが常識なんですね。
自分でもどうしようもないのにひどい目に合わされる、これって「のび太のくせに」で殴ってくるジャイアン並みに横暴です。いやジャイアンの方がずっと可愛げあるんだけど。
…なんて茶化して書いてしまうのは、ここでは真面目に書けないほど大きな問題だからです。
自分でもどうしようもない生まれによる差別、実世界でも珍しいことではありません。誰もが知らなくちゃいけないし考えなくちゃいけないことだけど、 ここはそれを語る場所ではありません。 恐らく尾田っちもそれを、作品内で言いたいわけではないでしょう。
でもこうして見下ろす側も見下される側も「当然」となってしまっている空気を目の当たりにすると、 その閉塞感に背筋が寒くなるのです。
革命が正しい方法かわからないけれど、どこかで疑問を持ち壊す者が必要になってくるんだと、 少しずつその意味が理解できるような気がしてきました。


話が重くなりましたので、ちょっとお茶でも一服。(ずずず)
この回想編は思ってた以上に重いです。
世界の仕組みが明らかになるにつれ、明確ではないんだけど、ルフィたちの前にいずれ立ちはだかるものが見えてきたと言うか…。
ごく最初に感じていた「ワンピースという財宝的なものを見つけて世界一の海賊になるぞー」というあっけらかんとした冒険漫画ではないんですよね。
ワンピースを見つける=海賊王ってのは、世界の成り立ちそのものを敵にするような究極のアウトローでした。
ぞくぞくするけど我らが船長が立つには最高の舞台ですねv
しかも隣に大剣豪がいるってんだから、あーた。(ばしばし←また始まった)


話を戻します。
逃げ道を探していたエースとルフィは、ブルージャムたちに出会ってしまいます。
国王に裏切られ逃げ場もなく、絶望のどん底にいた彼らはエースたちに貯めこんだ財宝をよこせと迫ります。
この状態で財宝。
もういろんなものがふっきれちゃったブルージャム船長です。ある意味可哀相にな。
ルフィはエースとサボが貯めたものだと逆らうんですが、エースは
「サボもわかってくれる、今はお前の…今はおれ達の命が大事だ!!」


…すみません、それこそこんな状況だってのに、この言い直しにのたうってしまいました。
エース兄貴から思わず出ちゃった「今はお前の」。
どんだけルフィが大事なんだよ!!そんなにそんなに可愛いのかよ!!(当たり前)
これで10歳ですか、なんですか、この大人びた色気!(そこか)
近所のこうちゃんが10歳です。普段はいい子ですが昨日うちの前で6つ下の弟をばーかとか言って泣かせてました。そんなもんです、10歳。 それだけにエースの今までのぎゅっと濃縮された人生が見えるようです。
しかもですね、ここで「今はおれ達の」って言いなおすんですよ。
多分、エースは今は自分の命なんてどうでもいいの。ルフィさえ無事ならいいの。
でもそれを言ってしまうとまたルフィが泣くから(一人になるってね)、わざわざ目の前で言い直す、 そんな兄ちゃんな気持ちが自然に芽生えたエースに 感動しています。(だしだし)


財宝の場所は教えました。
けれどブルージャムたちは二人を解放しません。
ウソかもしれない、おまえらついて来いというブルージャムにエースの怒り爆発。
そんなことをしていれば逃げ場がなくなってしまいます。
今エースにとって大事なのはルフィの命(言い切る私)。行くなら勝手に行けと怒鳴るのです。
けれどぶっ飛んじゃったブルージャムには通用しません。 とにかく彼の頭は自分を裏切った貴族への恨みでいっぱいです。あの財宝を頼りに返り咲き復讐してやるのだと。
そのついでにサボのことまでも、「所詮おまえらを見下してる」だの言うので、エースやルフィにもまた火がつきました。
押さえつけられたままサボを悪く言うなと噛み付いたルフィは部下の男に斬りつけられます。額から顔をざっくりと…(あああ)
そして 再び刀が構えられたとき
「ルフィに手を出すなァ〜〜〜!!!」
・・・・・・・・・・・・
その場にくず折れる一味の部下達。(さすがにブルージャム本人は無事)
覇王色の覇気、エースも持ってたんですか!?
数百万人に一人、この率が高いのか低いのか、よくわからなくなってきました。
何気に遭遇率高いし、でも全人口(それもどれくらいかわからないんだけど)を考えたら当然なのかなとかね。
5百万人に一人なら日本では20人ちょっとですよね。
W杯日本代表人数は23人らしいから、それくらいの率です。
ますますわかりにくくなった気がしますが;(ドツボ)


さて、ルフィの危機に思わず発動しちゃった覇気ですが、やっぱりエースも子供です。
ブルージャムに押さえつけられ銃を構えられ…ってとこに、
「エースを離しなァ!!」
と、ダダンとその一味が飛び込んできました。
ダダン〜〜〜〜!!!!!
今までずっと探してくれてたみたいです。
すみません、ダダン!!ずっとあなたのことを誤解してました!(土下座)
たいして世話してないとかほったらかしとか、エースが死ねばいいとか言ったとか(言ってたけどさ)。
エースが最後にああ言ったからには何か胸に残る出来事があったんだろうと思ってましたが、こういう形で来てくれるとは!
そういや3人が独立したときも部下に様子見に行かせてたし、常に気にしてくれてたんですね。
普段は手を貸さず、でも目は離さない。そして本当の危機に陥ったときにはちゃんと助けの手を差し伸べる。
あああ、あんた何ていい親なんだ!ああいう息子達に対して最適な育て方だったじゃないですか!
上っ面で判断してた自分が恥ずかしいですよ、全く。
「仮」親登録とわざわざ口にするのは、素直になれないエースの心情を思ってくれてのことか。
ま、とにかく「逃げるぞ!!」
しかも潔いよ、お頭(笑)。


けれど、エースは 「おれは逃げない」
うん、わかってる。エースならそういうはず。
子供でそのポリシー、決して逃げないその心意気。
それはすごく大事。とってもカッコいい。
でもね、時にはそれを曲げても逃げなきゃいけないんだってーの。
あんた、ちょっとそこにお座り。
あんたがそんなだからどんだけみんな(と言うかルフィ)が心配したと思ってんの!
逃げるつもりだったダダンだって戻ってこざるを得ないじゃないの。
と、くどくど説教したくなるようなある意味幼さです。
それにしても「エースはあたしが責任持って連れて帰る!」だなんて、すっげーオトコマエですぜ、お頭。
エースとダダン、皆が逃げた後、二人はかなりの強敵であろうブルージャムに向き合います。
ブルージャムが「女に子供…」って、一応ダダンも女の範疇に入れてくれるんだとなんとなく可笑しかったりして。(笑)


一方のゴミ山。
逃げ場もなく立ちすくむ人々。
そこにまた爆発が起こり、火のない道がまっすぐに海岸まで伸びています。
そこには船があり、革命軍の見慣れた顔(くまもいる!!)が 乗っているのでした。
「この国こそ未来の縮図、いらぬ物を淘汰した世界に幸せなど待ってはいない…!
必ずおれはこの世界を変えてみせる
こんな国にも子供達は生まれてくるのだ…!」
そう語るドラゴン。
ここが自分の故郷とイワさんたちには語ってないようですが、深い想い入れがあるのを匂わせています。 そして「子供達」の中にはもちろん我が子のことも含まれているでしょう。
ドラゴンは右手を上げ、逃げてきた人々を
「自由の為、共に戦う意志のある者はこの船に乗れ!」
どことなくハーロックみたいなことを言って導くのでした。(例えが古い)
それにしてもローグタウンでといい、こんな爆風みたいなものを起こすのはドラゴンの能力ですかね?
あまり誰も彼もが能力者ってのも面白くないけど、まぁありえそうだし…。(←ちょっとひねくれ者な私)


火は燃え続けます。
安眠する国王。不安げに火を見つめる中町の人々。帰らないエースたちを泣きながら待つ山賊たち。それぞれの立場でそれぞれの姿があります。
そして数日。
エースとダダンを探しに行く、エースに会いたい(おおおお!!)と泣くルフィですが、まだ傷も癒えず、 それにゴミ山は軍隊が後処理…焼けたゴミと「生き残りの処理」(…)のために動き回っていると、 山賊たちに止められます。
わー、めちゃめちゃ優しい顔でルフィの面倒見てくれてるんですけど、この人たち。


高町では何も変わりません。
サボは屋敷に連れ戻され、「おまえを生んであげた父さんと母さんを幸せにしなさい、それがお前の幸せだ」
笑顔でそう言う父とまた暮らすのです。自由ってなんだろうと考えながら。


翌日。
天竜人を乗せた世界政府の視察団がくるので盛大な式典が準備されています。
その中を漕ぎ出す小さな船……サボです。
式典の邪魔をとどよめくのも知らぬ気に、あのゴミ山での服に戻り、笑顔で、海賊旗を掲げて出航。
ついに自由を求めて一人で海へ出たのです。
今週はここまで。


キャラにしろ事態にしろ、どんどん新たな面がみえてくるので、情けない話、自分の考えすら一定しません。
ドラゴンはサボを連れてってくれなかったんですね。貴族の子だから…?
あんなに泣いてたんだからもう少し話を聞いてやっても…と思いますが、その子の人生を変えてしまうんです、 今の世の中に疑問を持つ子供のために、とにかく世界を変えてやるとそっちを強く思ったんでしょう。悔しいな。
エースたちはまだ二人だから支えあえて良かったけど、サボは一人でどんなに苦しかったかとその胸のうちを思うと悲しくなります。
式典の中漕ぎ出す…それがまた不安で不安で。
待ち受けるのは自分達以外それこそゴミとも思ってない天竜人。
視界に入ったからって理由だけで沈められちゃう可能性だって悲しいほどあります。
そしてサボのあの海賊旗。Sに×ってのもサボだからなんだけど、ふと思い出すのがエースの腕の刺青です。
てっきりエースがACEって綴りをASEと間違えたから慌てて入れ直したんだと、今まで失礼なことを思ってましたが、 もしかしてSに×ってサボの…(いかん、泣きそう)

エースとダダンについてはもちろん心配してません。
うまいことカモフラージュとかしてゴミ山の中に隠れてるんでしょう。
エースは死なない、…ああ、だからエースは約束したのかもしれませんね…。 今回のことできっとルフィはぐしゃぐしゃになって泣いただろうから。
この後、涙の再会をしてからエースが旅立つまでの7年間。
ここから二人がどんなに濃い日々を過ごしたのかと思うと、それはそれでどきどきしてなりません。(馬鹿)




先週はたくさんの拍手を連日いただき、本当にありがとうございました!
嬉しいと同時にびっくりしましたし、大変プレッシャーも感じました。
書く内容は以前と大して変わりませんが(おい)、でもまた頑張りたいと思います。


拍手コメントお返事です。
◆2日14時 T様
海を越えてのコメントありがとうございます!
今はあまりジャンプを読める環境ではないのでしょうか?書き散らした感想ですが、少しでもお役に立てればこんな嬉しいことはないです。
私こそ応援しています、そちらでもお体に気をつけて頑張ってくださいね。


◆2日18時の方
ありがとうございます!
確かに他の方の感想を読むと、自分では気づかないことがあって目からうろこがボロボロ落ちますよね(笑)
私は年齢的にも、子ルフィや子エースをどうしても親視点から見てしまうんですが、逆に若者目線ができなくなった気がします。野望とか夢とかより20ヶ月妊娠は可能かに 食いついてしまうあたり、もうどうしようもありません。
それはそれで開き直っていきますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。


◆3日 9時の方
愛溢れてますか、最上の褒め言葉いただきました、ありがとうございますv(笑)
3年前のUSJは本当に面白かったです。柵にとんと飛び乗ったゾロとかその背中とか、サンジの華麗なキックとか海に自分で落ちていくとことか…(見方偏りすぎ)。 未だに褒めてる感想しか見たこと無いので誰が見ても出来は良かったんだと思います。
http://www.ne.jp/asahi/ddworks/hinoe/(コピペですみません)
こちらのサイト様が当時日記で書かれてた感想が素敵でしたので、いかがでしょうか。サンジファンの方ですがとても詳しく描かれています。
今年もいいショーだといいですねv


◆4日18時 雪走の方(呼び名が…/笑)
いつもコメントありがとうございます!
サボに関しては私もどうか幸せであるようにと祈っているのですが、ドラゴンは連れてってくれなかったし、 どんどん孤独になっていくし不憫で仕方ありません。
あの3人の時間はどれだけ貴重なものだったでしょうね。あんな小さな子達なのに…(うる)
HISのCMはまだ見てないんですがゾロもいますか!?schickのゾロも剃刀二刀流なのに…意味なく笑ってるのに、それでもときめいてしまいます。
どんなときでもゾロへの愛を忘れない雪走な貴女に自分と同じものを感じて嬉しくなります(笑)。これからも一緒に燃えて(萌えて?)くださいv


◆6日19時の方
実は58巻をまだ買ってないファンとしてそれはどうよな私です、あああどうしよう。
え、た、た、単行本と照らし合わせて見てくださってるんですか!?
毎回その場の叫びを書き連ねてる拙い感想…というか叫びというかで、本当にどうもすみません;;;
実を言うと考察と言うほど考えてもいないんです。ただあの子達が心配で。これからどうなっていくんだろうと、 その思いだけで書いてたりするので辻褄合わないことを呟いているかもしれませんが、そっと見守ってやってください(笑)。
応援してると言うお言葉に励ましていただきました。ありがとうございます!!


◆7日23時の方
初めまして、楽しみにしてくださってありがとうございます。
ただ当サイトがコミックスで初めてそのシーンを読んだ方によく言われるのが「ゾロの出番があんなに少ないと思わなかった」だったりします。一コマしかなくても、 何十行と費やして語ったりしてます(笑)。現在はその心配ないんですが、また彼が復活した際には気をつけてくださいね、 きっと暴走しますから。
ご家族の隙を見てまたどうぞお越しください。私も家族の隙を見て更新している身分です。お互い頑張りましょう。
 


2010/06/10




588話 「サボの海」


巻頭カラーですv
皆でお茶会。
ちょっと前に公開になったアリスを意識してるんですかね?ナミさんはモロにそんな雰囲気です。 可愛いしぐさもトランクの中のベリーのためかなんて思っちゃいけません。
でも今回は何と言ってもサンジですねー。
カラー扉絵のときってわりとちっさめなことが多い彼ですが今回は一番前。(失礼;)
それに珍しいことに前を肌蹴てます。おおお。
前にルフィとゾロとサンジ、三人が銃を構えてるようなカラー表紙があったんですが、肌蹴てる二人に対してサンジはきっちり前を留めてて、 その辺の着こなしの違いがあまりにそれぞれらしくって「おおお」と萌え…いえ唸った覚えがあります。
それだけに今回こうも惜しげなく世間様に腹筋を晒しちゃってるサンジが新鮮で、男の色気を感じたりして、ふふ。
それぞれに正装…をちょっと着崩した感じですかね。
ゾロはベスト姿、それがどことなく執事っぽくていいとかまた馬鹿なことを考えてる可哀相な私は そっとしてやってください。ブルックがおねだりしてるんで、自分の ドーナツをあげてるとこかな?
ルフィも可愛いし、ウソップもいいな〜v


本編。
もうね、タイトルで何となく予想が着くのがね…。
大騒ぎの港を尻目に、盗んだ漁船に海賊旗を掲げサボは出航です。
10歳なのにとても凛々しく雄雄しい姿は今までよりぐっと大人っぽく見えます。
「一番怖いのはこの国に飲まれて人間を変えられること」
まっすぐ胸を張り、サボは家も家族も国も見限って旅立ちます。 海賊なんて褒められる職業ではないけれど、 今のこの国の常識と言う名の狂気の前では、その選択すら正しく思えます。
小さなサボの船の前に現れた政府の、世界貴族の乗る大きな船。
「あれは何かぇ?」
透明のボックスで顔を覆う男が尋ねます。
姿も物言いも嫌ってほど脳裏に焼きついてます、アレですアレ。


あっさりと撃ち込まれる砲弾。
燃え上がるサボの船。
必死で消そうとしているところへさらにもう一発。
壊れる船。千切れる海賊旗。破れ飛んだサボの帽子。
…そして船と帽子は海に沈んでいくのです。
「下々民が私の前を横切った」
わかりきっていたけど、そんな理由だけで子供の乗る船を沈めた世界貴族。
陸から見ていた人々の反応もいろいろありました。
「子供は無事か!?」と真っ先に叫ぶ人。
言葉も無く呆然と見ている人。
「天竜人が機嫌を損ねたらどうする!」と怒鳴る人。
着ている服が若干違うので、3つ目の言葉は貴族のものだと思うんですが優先事項が大違いです。


サボの生死ははっきり描かれていません。海に沈んだことが暗示されているだけで。
これで死んでしまったと考えるのが普通かもしれませんが、サボはこんなただの犠牲のような形で殺すにはあまりにも大きな存在です、エースとルフィにとって。
エースを失ってしまった今のルフィにとって、 サボの存在…再会にしろ、矛盾しますが形見って形にしろ、それこそが復活への鍵にならないのかなと、思うのはご都合主義ですかね。 (ゾロに支えて欲しいと言いたい気持ちをぐっと堪えてます、偉いぞわたし/←堪えてない)。


一方、コルボ山にエースがダダンを担いで帰ってきました。
ブルージャムは倒したけど、結局火に巻かれてダダンが大火傷を負ってしまった。
エースはそんなダダンを連れて中間の森に身を隠し、薬などを盗みながら、必死に その命を繋いでいたそうです。
すごいな、エース。
ダダンのこと嫌いっぽい素振りも見せてましたが、それなりにお互い情は感じてたのかな? ダダンの方も助けに来てくれたわけだし。
エース自身も最初より少しはトゲが取れてきてますもんね。


ようやく会えたエースに、ルフィはぐしゃぐしゃに泣いて飛びつきます。
わあああああん!!! と泣いてがばちょ。
おれが死んだと思ったのか、って言われてもだってと泣くばかり。
なに、このいたいけな生き物は…(あうあう)。
あああ、これじゃ「おれは死なない」って約束するしか無いじゃんか…。


さて、
滞りなく進んでいく町の式典。
山では家の外でトカゲやクワガタと無邪気に遊ぶルフィ。これがまた子供らしくって可愛いvv
ルフィの一人遊び…あああ、可愛い!この姿だけでご飯5杯食べられそう。(馬鹿)
そんな中、寝ていたダダンがエースに問いかけます。
あそこで何故逃げなかったと。
そう、これは疑問ですよね。 あれは意地とか張らずに素直に逃げるべき状況です。今後の彼の人生のためにもはっきりさせとかなくては。


エースの答えは、
「逃げたら大きなものを失いそうで怖くなる…あの時は おれの後ろにルフィがいた」


Σ兄ちゃんっっ!!!!!(だむだむ)


兄弟愛に興奮してる場合じゃありません。
それこそ意地じゃなかった!エースはただルフィを守りたくて逃げなかったのか!!!
この言葉にダダンは、ロジャーを語るガープを思い出します。
『ロジャーもどんな敵の大群を前にしても逃げなかった。
それは背後に愛するものがいるから。
共に逃げれば仲間達も危険に晒すことになる。
つまり「逃げない」のではなく、目の前の敵が仲間を追わないように「敵を逃がさない」』


『ロジャーは愛するものを失うことを極度に嫌っていた。
無茶な生き方をしても運よく生き延びた結果が海賊王。
世間の評判は最悪でも仲間からの信頼は絶大。
海兵のわしでさえ、 あいつを嫌いになれんかった…』


おお、じいちゃん、ぶっちゃけトークだな(笑)。


エースがロジャーを嫌いながらも、似た生き方をしてしまうのは「血は争えない」ってより、むしろ 育ってきた環境のせいだと思います。ロジャーも似た生い立ちだったらしいし。
エースの「逃げない」。
毎回何を意地張ってと正直イラっとしてたんですが(あわわ)、でもそんな背景を知ってしまうと 彼の中では仕方ないこと…いえ彼にとって必要なことだったとわかります。
そしてそれがあのマリンフォードに繋がっているんだと。


いくら白ひげの命令とはいえ(一旦はそうしかけたものの)結局エースが「逃げる」ことができなかったのは無理ない?… っていやいや、それは何があっても厳守すべきオヤジの命令じゃないですか。
オヤジはすでに覚悟を決めてました。しかも エースに次代に命を繋いでいくことを望んでいたはず。
そして、ずっと自分の後ろにいて守りたかった存在のルフィはもう同じくらいの強さ。
じゃあエースが守ろうと拘ってたのはなんだったんでしょう。


逃げると大きなものが失われる。
ゾロがミホークとの戦いで、 ここを一歩でもひいたら約束とか誓いとか今までの大事なもんが全部なくなってしまいそうだとか 言ってましたが(記憶曖昧)、むしろそっちに近い思考じゃないですかね。
白ひげと共に守ってきたものが崩れそうなそんな感じで引けなかったのかなと。


ところで 実はわたくし、じいちゃんの話を聞きながら、エニエス・ロビーでルッチと戦ったルフィを思い出してました。
ルフィがフランキーを先に行かせたとこです。
「逃げないのではなく、敵を逃がさない」
足止めのために自分が残ることを選択したルフィ、 この先にルッチを行かせたら仲間達が殺されるとわかってましたからね。
チョッパーが、ルフィはいつも自分が戦わなきゃいけない相手をわかってるみたいだと 言ってました。(425話です)
確かにルフィは真っ先に自分が一番強い相手を選ぶようにして戦ってます。
それは大事なもの=仲間を守るために。


ルフィも愛する者(結構ストレートな言葉ですね、じいちゃん。何か照れる)を失いたくないって思ってるのが、 特にウォーターセブンの辺りからひしひしと感じられます。
ギアなんて危険な技を考え付いたのだって、皆を守りたいからですもんね。
ただ不思議とロジャーやエースほど悲愴的なものが感じられません。やってることや反応とか同じはずなのに。
それは二人とは違う生い立ちのせいでしょうか。でももし同じだとしても、やっぱりルフィはルフィな気もします。
もうこういうのって、とにかくそこがルフィのルフィたる所以。
これでまとめちゃったほうがいいかもしれません。(最終的には大雑把)


大いにそれた話をぐんと引き戻します。
町の様子を見に行っていたドグラが戻りました。彼はその目で見たサボの件を話します。
愕然とする皆。
激怒するエース。
泣きじゃくるルフィ。
家に戻ってあいつは幸せだったのか。
幸せだったなら一人で海へでることなんてあるはずないのです。
サボが家を嫌っていたことを知りながら、そして二人を守るためにおとなしく 親に従ったことを見ていながら、何故奪い返しに行かなかったんだろう、と そんな自分をエースはただただ後悔し、それが怒りへと繋がるのです。
サボをやった奴をぶっ殺す。
けれどダダンに力づくで止められました。


サボを殺したのはこの国であり、世界。
お前のオヤジは死んで時代を変えた。
それくらいの男になってから死ぬも生きるも好きにしろ!と。


すごい説得力ですね。
意外に子育て上手なんじゃないのか、ダダン。
そしてエースにまっすぐオヤジのことを突きつけたのも、この人が 初めてじゃないでしょうか。
善悪じゃなく、けれど確かにロジャーは時代を変えました。 世界を変えることは出来なかったけれど、そこに刻まれる 大きなうねりを起こした。それだけの大きな男です。

そして夜が明けて…ですかね、山に郵便が届きます。
差出人はサボ。エースはそれを開けます(ルフィは泣き疲れてまだ寝ていると言う また可愛いことを…)。
出航前に二人にあてて書いたものでした。
二人の無事を信じ、海へ出る旨が記されています。
どこかの海でいつか必ず3人で会おうと。
長男二人に弟一人、おかしいけれど自分達のこの絆は宝物だと。
そしてまだまだ泣き虫なルフィを頼むと。
ずっと堪えていた涙がエースの目から溢れます。
後悔とか怒りとか、そんなの全て越えてしまった、ただサボを失った悲しみ。
そして次回へ続きます。
次週じゃありません、休載ですのでご注意ください(泣)。




拍手ありがとうございました。
6月11,12、13日の各日、いただきました。皆様も毎週胸を傷めながら、幼い二人の行く末に思いを馳せてらっしゃるのでしょうか。 辛いけれど二人の未来を信じて読み続けたいと思います。励ましていただきありがとうございました!


◆11日8時の方
あのサイト様ご覧になられましたか。詳しく書かれているので私も改めて記憶と感動が蘇りましたv  私自身の力じゃないですが(すみません;)お役に立ててよかったです。今年のショーも楽しみですね。


◆11日22時の方
本当に仰るとおりですね。
自分の行動で子供(しかも貴族)の一生を左右してしまうんですから、おいそれと手は差し伸べられなかったのも無理ないです。
でも…も少し話を聞いてやってもよかったんじゃないのか、父ちゃん、と思わず呟いてしまう諦めの悪い私をお許しください。
サボですが、 死に掛けたとこを誰かに助けられてえるとか…もしかしてそれがドラゴンだったら…なんて可能性は…薄いでしょうかね(とことんしつこい/苦笑)。



2010/06/16




589話 「風雲の志」


扉絵はドミノとサディちゃんのレディお二人様。
レディのイラストは華やぎますが、至って普通で少々物足りなく思うのは私だけでしょうか。
おっさんコンビは華はなくても味は存分にあります。いや、失礼。前回は華もありましたよね、8:2くらいでイワさんのものでしたけど。


本編。
サボ亡き後…の文字が悲しい始まりです。
海の見渡せる崖ってのは非常にそそられますが、ここが二人のお気に入りの場所なのですね、うん。
麦わら帽子に隠れるように、じっとうつ伏せたままのルフィ。
そこへやってきたエースが殴りつけます。
「いつまでそうやってるつもりだよ」と。
ルフィは声を震わせて、麦わら帽子にぎゅっと顔を隠して(このいたいけさがたまらない)、叫ぶんです。
「もっと!!!強くなりたい!!!」。
もっともっともっともっともっともっともっともっと…何度も何度も繰り返し。
「そしたら…何でも守れる 誰もいなくならなくて済む…!!」
そして「エースは死なねェでくれよ…」
泣きじゃくりながこんな健気なことを言う7歳児に
「おれは死なねェ!!!」
これ以外の何を言えるというのか。


そうなんですよ、エースはここで誓いにも似た約束をしてるんです。
可愛い弟を安心させるためでもありますし、たかだか10歳の子供にとって自分の死など想像つくものではないはずです。普通なら。
だけど、これはエースです。
物心がついてからずっと自分は生きていて良かったのかと全てに問い続けていた彼が、死なないと、生き続けることを躊躇いもなく選んだ瞬間… それだけで泣けてきます。


まだ子供のルフィやエースに、サボが何故死ななければならなかったのか。そんな世界の仕組みはわかりません。
けれど彼が自由でなかったことはわかります。
だから
サボの分まで自由に。
くいのないように生きよう。
いつか必ず海に出て。
誰よりも自由に。
そんなもう一つの約束を交わすのでした。


出航は17歳。
あああ、そう決めていたから二人はそれぞれ17で旅立ったのかぁぁぁ!(何かツボったらしい)
17と言う何ともちょうどいい年齢がまた魅せてくれます。
17か…高2くらいですよね、私は何やってただろう。毎週ジャンプ読んで、きゃぁぁぁとか言ってたな、きっと。(変わらなすぎる…)


この前半読んで、とにかくルフィが幼すぎるくらい無力だなぁと思いました。
まぁ7歳ならこんなもんでしょうが、ルフィですよ。あの無敵の船長ですよ!
なのに、ただ泣いて泣いてなにもできなくて、ついには「エースは死なねェでくれよ」。
異常なくらい一人になるのを恐れています。
この前に何かそうならざるを得ないトラウマがあったのか。それとも元々がすっごい寂しがりなのか。
エースが年の割にはしっかり立ってるのに比べ弟と言う立場に甘んじているようで、いやそれはそれですごく可愛くて不満も文句も無いんですが(おい)、 ちょっと意外な気がしています。


そしてもっともっともっと…強くなりたいと言う言葉。
エニエスロビーでルッチに、もう誰もいなくならないように一生懸命考えた、と言うのを思い出しました。
このころからルフィにとって強くなるってのは、大事なものを守るためだったんですね。
仲間や自分の、命に限らずその夢や誇りまでも全部抱えて守ろうとする。
それを知って、これまでのあれこれを思い出すとルフィの抱えようとしていた重さに眩暈がしそうです。
ビビにクロコダイルをぶっとばすと告げたとき、アラバスタでロビンを救い出したとき、ウソップとの決闘で重いと泣いてたとき。
そんなルフィの信念はここに根ざしていたんだなぁと…。


さて、これより少し時は遡ります。天竜人の船がゴア王国に着港した日の夜。この日付がまた一つのポイントと思ってよろしいのか。
和風の道場、剣の稽古をする女の子。
そして!そしてだよ、奥さん!!(何)
普通の子供が胸をときめかすような大きな船には目もくれず、ただひたすら岩を担いでスクワットをしてる少年がいます。
次女に「こんなことする子供、一人しかおらんやろ」と鼻で笑われましたが、私もそう思うので言い返せません。
はっきり描かれてませんが、ここはシモツキ村ですね。
イーストブルーのとある小さな港村。 迷子な彼が出て行ったきり二度と戻れなくなってしまった故郷です。(笑えないな)
ここにドラゴン率いる革命軍(当時はそう呼ばれて無いだろうけど)が船を寄せてます。バルデイゴへ向かう途中、村の道場(おおお)で食料を恵んでもらってます。
なになになに、このニアミス!!
ゾロ、いいのか!! ルフィのお父様がそこにいるぞ!!!(何を無茶な)
ドラゴンも、まさかここに将来の息子の連れがいるとは思いもしないでしょうねー。
そりゃゾロルですからね、この接近遭遇には燃えますって(笑)。


しかしここで重要なのはゾロとドラゴンが近くにいたってんじゃなく(笑)、この革命軍の船から「手当てを急げ!」「これはひどいぞ!」と、 さも大怪我人を拾って治療をしているような会話が聞こえてくることです。
時間的なずれはないのかとか、そういう検証はきちんとした検証サイト様にお任せするとして(ごめんなさい/笑) ここは素直に「彼」だと受け止めていいんでしょうか。いや、今までいろんなとこでミスリードされてるから、ついつい疑い深くなって…。
ただもしこれが本当にサボならば、彼は生きて革命軍にいる確率がぐんと高くなりました。
もし革命軍にまだいるならば、ロビンと遭遇する可能性もありそうです。


そして月日は流れます。
政府の視察を終え、ゴミ山はまたゴミ山に戻りました。
失われた命や生活なんて、まるで無かったかのように。
一方エースとルフィ、二人は二人で時を過ごします。ああ、何かどきどきしててすみません。
二人のいろんなエピソードがちりばめられています。


ある日、ダダンに置手紙。
「どくりつ国家をつくった A・L」
ダダンの家の隣に木切れで作った家二つ。
まぁ小学校高学年の秘密基地が一歩進んだかなーってレベルでしょうか。
フロはたまに借りるらしいのがまた微笑ましいな(笑)。
エースがきっちり作ってあるのに比べ、ルフィはとにかく板打ち付けただけ、「ルフィの国」って表札も「ルフィの」をでかく書きすぎて 「国」が入りきらなかったのがはっきりわかる、ああやっぱりルフィだよ、って感じの作りです。


これまたある日、くまと戦いルフィが大怪我をおいます。
ルフィは手伝ってくれと言ったのに、エースは一人で生きるんだろと突っぱねたためでもあります。
すまねェとがたがた震えるエースがまたいじらしい。
口ではどんな冷たく言おうが、ルフィが大事で大事で大事で大事で…(エンドレス)
ルフィがエースに死んで欲しくないように、エースだって同じなんです。でもそれを口にしないのは兄ちゃんだからでしょうね。
こないだEチカの鏡でやってたんですが、末っ子が甘えるために生きてるのに比べ(乱暴な説明)上の子ってのは思いをそうそう口にしないそうです。
あれこれを自分の中だけで考えて表にはしないんだって。
それに弟に「死なないでくれ」じゃないですよね。エースなら「死なないようにおれが守る」でしょうから。


またまたある日。
やってきたマキノに「赤髪の船長に、いつか弟が世話になったっていうあいさつに行くのがスジってもんだろ」とあいさつの仕方を教わろうとするエース。
うあああ〜〜〜、何だその兄ちゃんぶり!!!
エースがシャンクスに挨拶に行った話はありましたが、あのジャックナイフだった子供がそんな礼儀正しいことがよくできたと思ってたら、 いやーこんな前ふりがあったとは。
兄ちゃんであることがエースに生きる意味を与え、さらに人間らしく生きていく道を示したように思います。
初登場時は、礼儀正しくて常識があっていつも笑顔で人懐っこくて…なんてイメージでしたよね、エース。
バギーともすぐ打ち解けてたとこ見ると、元々そういう性格も持ってた気がしますが、それでもルフィとの出会いがエースを変えたんだろうなと、おばちゃんは 感慨ひとしおです。


そしてどんどん成長していく二人。
二人でな。…ってそこに拘りすぎだ、私の馬鹿。
でもエースとルフィが共に暮らした7年間を思うと、その深さと濃さにくらっとするんですよ。ええ。


7年後。エース17、ルフィ14。
約束のときが来ました。
めちゃめちゃ爽やかな笑顔でエースが旅立って行きます。あの荒んでた面影は少なくとも旅立ちのコマには見られません。すごいな、ルフィの力。
ただ一人見送らなかったダダンですが、「世話んなった、ありがとう」そんな伝言を聞いて、どばばっと涙が。
もっと修行とかで世話してたのかと思ってましたが、 結局のところああいう彼らを相手にいい距離を保ちながら見守ってたと言う意味で、いい保護者代理でしたね。


残されたルフィは、相変わらずルフィの国で暮らしてます(少しずつ進化してる様子/笑)。
あと3年。
もっと強く、もっと強く。エースの活躍を新聞で見ながらそれを呪文のように繰り返しゴムゴムの力を磨いています。
ところでルフィのTシャツ。
ESKIモーで気づいたんですが、シャレなんですね、可愛いだろが、こいつめ!(ばしばし)
ASAガオーにTAピヨKA(タピオカ?)。
SO??CHIと猿はなんだろう?


そして3年後。
フーシャ村からルフィは旅立ちます。
「お前らは好きだ」と最後に可愛いことをいう末っ子にダダンてばまた涙(笑)。
ちいさなボートに乗り、サボとエースに続いて出航。
近海の主を一撃で倒し、「海賊王になる」と笑顔で胸を張ったルフィ。
こうして回想は1話に繋がるのでした。
けれど。
話は現在に戻ります。
女ヶ島。
「兄エースは死に…弟ルフィは泣いている」
淡々としたナレーションにイラっとする私を許してください。
事実ですけど…でも…でも…。
ルフィが泣いています。
「何が海賊王だ…おれは!!!弱い!!!」と。


救いたいと全てを賭けていたエース…けれどルフィは目の前で死なせてしまいました。
しかも自分をかばったせいで。
それに先立ち、ルフィは大事な仲間の誰一人として守ることが出来ませんでした。
そのときも自分の弱さに涙しています。
尾田っちは、何故こんなにルフィから全てを取り上げてしまったんでしょう。
兄も仲間も、そして今、海賊王って夢さえも。
1話から誰に何を言われようと決して揺らがなかった海賊王への夢。
それはワンピースと言う作品、ルフィと言う主人公の根幹たるものです。
けれど今、尾田っちはルフィ自らにそれを覆させています。
何一つ守れない自分が信じられなくなってしまったルフィ…。 ここまで彼を壊していいものなのでしょうか。(いや、もちろん作者なんだからいいんだけど)
何故こんな試練が必要なのか。
肉体的なレベルアップならルフィは難なく超えそうです。でも精神的なものは…。
ウソップの離脱、メリーとの別れはルフィに船長たるものを教えてくれた大きな試練だったと思います。
ルフィと言うととにかく夢にまっしぐらで、少しのことには動じなくて、器が大きくて、と とにかく物に拘らない大きな男、そんな目で見ていました。
けれど元々ルフィはそう強い人間じゃないのかもしれません。 一人じゃ何も出来ない自分の欠点をよく知っているからそれはそれで大丈夫だろうと思ってましたが、 こちらの想像以上に「一人」に弱そうな気がします。


今のルフィを引き上げることが出来るのは…誰だろう。
このままじゃ自分だけでは復活できませんよね、心配です。
シャンクスは側にいながらもあえて会うことはしませんでした。
エース…は生死を問わずここでは無理だろうから、接触できるなら生きている(と思われる)サボ?
でもやっぱり麦わら一味の仲間達…にルフィを助けて欲しいと思っています(ゾロと断言しないところが私も大人になったもんだ)
いえ、ちょうど数時間前にねアニメで485話を見返してたんですよ。
ゾロが「ルフィは海賊王になる男だ」ってくまに断言したところでぞくぞくしました。これは何度見てもすごい。
ゾロは(他の皆もだけど)ルフィの夢とそれが叶えられる未来を欠片も疑っていません。だからこそ、自分を信じられなくなったルフィを 今度は掬い上げてほしいなと…。
ああ、また妄想が一人歩きしそうです…(ふ)。




拍手いただきました。
17、18、19、20、22日の各日に拍手くださった方々様、どうもありがとうございました。
さぼりん坊な私が毎週奇跡のように感想あげられてるのは、こうしてぽちっと反応くださる皆様のおかげです。 今週も頑張ろうという気を下さってありがとうございます!これからも頑張ります。


◆19日22時 サボ生存説…の方。
先々の展開予想を含みますので一応反転させてください。すみません
いろいろと面白い説を教えてくださってありがとうございます。
なるほど、どれも頷ける点といやちょっとと思う点があって、 それぞれ考えさせられますね。
今回の展開でサボが革命軍にかなり近く接近したようにも思うのですが(手当てされているのがサボであるという前提ですけど)、 尾田っちのことです、この後2〜3回転くらい捻ってサボ=ローというのもありえそうですね。
そういえばあの人ルフィの麦わら帽子じっと見つめてましたっけ…ただ単にファンなだけかと思ってましたが。(おい)
まぁどんな展開がきても、うわぁと驚いてるだろう自分がわかります。ホントたまりませんよね。

大変ためになるご意見ありがとうございました!


◆22日22時の方。
数年ぶりのOPですか!すごいことになってますよ〜。
拙サイトの感想が少しでもお役に立ててたなら何よりですが、大人買いはもうされたでしょうか、 やはりあの485話はご自分の目で堪能するのが一番と思います。そして一緒に燃えましょう。(なんの誘いだ)
そうですね、今度は仲間達が船長を支えてあげられる存在であればと私も祈っています。ゾロにもここは頑張ってほしいものです。
モンキーも…ああなるほど、そんな考え方もありますね!人様のご意見て本当に目からウロコが落ちます。
妄想逞しいのはこの感想自体がそうですから(笑)またお気軽にお越しくださいねv


2010/06/29




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